もう。
なんだってのよ。
ミコッテの彼氏との関係はしばらく続いている。
それも、父親にもバレ、親友のヒューランからは「なんで?」くらいにはプレッシャーも。
「ミー?ええか??相手のいいひんうちに、そんだけ見せつけとて今頃なに抜かしてるん?」
相棒、エレディタから。
ぎゃーって混乱。
ミーランは混乱。
だって。
見えてしまって。
「ビスマルク」エオルゼアの中で、一番を誇るレストラン。
海辺の。
そういえば、かつて「相棒」なるヒューランとも連れだって。
でも。
今は。
二人きりになる・・・
その、一等席な場所に予約をして、待っている彼にどういう顔で向き合えばいいのか。
先のやり取りのあとだ。しかも、身に覚えが無いでもない。
もちろん、その・・寝台を共にしたことはない。
でも、冒険の最中、キャンプや野宿で寝ては・・
でも、そういうのじゃない、から・・
つい、テーブルの隅っこにある小箱が気になる。
おそらくは、隠しているのだろう、その小箱。
バレバレなのだが、聞きにくい上に、聞いた後の返事が怖い。
もし・・
ううん。ここはだまっておこう。
軽い挨拶?のあと、料理が。
少し、ゆるい時間が過ぎる。
食事をすすめながら。
もし。
もしもだが。
ありえない、と言われて当然の質問を彼女にしてみたい。
「コレって、どこ応じるべきなのかな?」
おそらく、彼女は憤懣やるかたない表情と声音で、おそらくはぶっきらぼうにこう言うだろう。
「ミー?」と。
(やはり、そうなのか。)脳内ではその結論と同時に、それが(そうなのか)だと思う。
前菜にスープを終え、メインの魚介を一心不乱に食べようとするが、上手くいかない。
森の国出身なので、どちらかといえば、魚料理は小魚ばかりだったので。
小骨を気にしながら、扱いなれないナイフ、フォークをいろんな角度で使ってみる。
だけど
「こうするんだ。前にも言わなかったっけ?」
ミコッテの彼が柔らかに。
恥ずかしいのと、以前に教わったのに!
もう。
(何処かに飛んでしまいたい・・・エリ、たすけてー!)
思わず伝心。
もちろん、相棒はなにも応えてくれない。
当然である。
「ぶはっ!最高っ!!ミーったら!もう、あはっ!あはははははっ!!」
届いてきた伝心に伝わらないよう、パールを傍らに置いて、爆笑を続けエレディタ。
「マスター。おかわり。」
「あんまりイジメはよくないぜ?」マスターがラムを置きながら。(あの魔女様に似てきたな)なんて。
「うちより幸せな自慢話されたら、文句の一つも言わなあかんやろ?」
「あー・・・彼女は規格外だな。なんていうか、その・・・」
「うん。わかってる。あの娘は・・ミーは。「この世界」には、優しすぎる。その、なんっていうん?わからへんわ。でも。」
黒髪の女性は少し視線を落とし。
「言いたいことはわかりますよ。」日に焼けた色合いのエレゼンの女性
「ほうか・・」グラスを煽る。
「なんだ。アレだ。いい話なんだろ?じゃあ、いい結末を楽しむべき、だろ?」髭のマスター。
「だよね。」黒髪の相棒が、飲み尽くす。
「ええ。今度ばかりは、マスター。良い言葉で〆ましたね?」傍らのエレゼンの女性。
「ウルスリ、俺はいつだってちゃんとシメはしてるんだぜ?」
「ふうん。」艶っぽい視線を向けられ、マスターは黙り込む。