「まーったく。なんだって言うのよ。」
「まあ、ミー、ハナっからガセ掴まされるなんて運が無いのはしょーがないわ。で、次はホンマやろなあ・・。」
グレイフリート風車郡でのルガディンから。
彼は自作の爆薬で勝負と称したエセ対決を申し込んできたのだが、結局自爆、というか、火薬の量を誤ったせいで吹き飛ばした岩の破片で大怪我を。
回復術式で治療を済ませたあと、今度こそ本当?らしき情報を。
「お、俺は本当は海雄旅団の正規メンバーじゃないんだ・・」
「見たらわかるわ、ド阿呆。」「エリ!」
「いや、荷運びで雇われたんだ。だから、今は元メンバーでも正しいだろ?」
「もう一回爆破されたいらしいな?」
「ひっ!」
「もう、エリ。脅しが過ぎるってば。」
「ミーは甘すぎやねん。」「エリはキツ過ぎ。」
「ひ・・と。当時・・」
「なんや?」
「当時と同じ場所に住んでるなら、ヴェイスケート元団長の居場所ならわかる、はずだ。」
「おい?オッサン、ほんまやろな?」
「ああ・・コスタ・デル・ソル、ここからそう離れた場所でもない。チョコボでもいればすぐに行けるだろう。
ゼーヴォルフ族で、片目の偉丈夫がいるはずだ。そのお方がヴェイスケート旅団元団長殿だ。」
「うん、ありがとう!じゃあ、行ってくるね。早く傷が治るといいね!」
「・・・ああ・・」頬が赤くなるルガディン。
(一応、断っておくが、ミーには恋人がおるで?)こっそり後ろのミコッテを指差すエレディタ。
(が~ん)
「よし。じゃあ行くか。」「ですね!」
4人は風車小屋を後にする。
「で、コスタ・デル・ソルって、どんな場所?」
エレゼンの女性は眩しそうに太陽を見る。日差しが段々と強まっている。おそらくは氷の精霊力が弱いのだろう。オレンジ色に映える髪を揺らしながら。
「ああ、そうか。ミーはリムサ・ロミンサにはそれほど詳しくはないんだったね。」
「ミーランさん、水着持ってる?」
「リトリーはん、は?」
「乙女の嗜みですよ、エレディタさん。」「せやな。」「え?」「まあ、目の保養とか言うと怒られそうなのでやめとくよ。」
そして、夕暮れどきには件の集落?町に。
「うっわー。」ミーランはその景色に目を奪われ。そして、なぜに水着が話題に上がったのかを知らされた。
住人のほとんどが水着なのだ。
普通、露出の高い衣装を着ていれば、目立つ上に肌を晒すこと自体に羞恥を覚えるものだが、ここではまるで逆。
自分のように鎧をしっかり着込んでいる方が恥ずかしく思えるくらいに開放感タップリ。
「その・・・やっぱ、水着?」振り返ると、女性陣二人はお互いの水着を見せ合っている。いつの間にか着替えていたようだ。いや、中に着込んでいたらしい。
「うーん、そのストライプええな。」「エレディタさんも大胆な色使いだと思う。」
その手前に立っているミコッテの青年は目のやり場に困ったらしく、サングラスをかけていた。こちらもしっかり水着を着込んでいたらしく、手にはローブを。
「う!」
「まあ、ミー。心配せんでも町で売ってるって。」
「そうですよ。ミーランさんだとどんな水着が似合うかなあ?」
「俺は・・・なんでもいい。(何着ても似合うだろうし・・・)」
「と、とりあえずですね、まずは宿を取りましょう!その後夕食に・・」
「その前に水着やろ。」「ですよねー。」「・・・」
「で・・・コレ?」宿を取り、近くの衣装店(とは名ばかりの水着専門店)に。
陽は既に落ち。
篝火や魔力の灯、果てはボム?までと明かりには不足がない。
そんな一角で羞恥に顔を赤らめるミーラン。
うんうん、と相棒の黒髪の女性とミコッテの少女がうなづきあっている。その少し向こうではミコッテの青年が目のやり場に困り、海際を見ている。
今、自分のつけている布の表面積は一体どのくらいなのか・・・下着の方がまだ面積では多いのでは?と思ってしまう・・・・
目の前の二人もさほど面積のある布地ではないが・・・もう少し少ないように思えて、胸元と腰をつい手で覆ってしまう。が。
「リガルドさん!こっち見て!」ミコッテの少女、リトリーがついに引き金を。
不意に名前を呼ばれ、つい振り返って・・・(ぅぉ!)
篝火の明かりで赤く萌える髪の恋人は「え?ちょっと!」と。両手を二人がかりで掴まれ、隠しようのないスタイルを・・・
引き締まった腰に、小ぶりながらも形のいい胸、スタイルのいい体型を覆う赤いセパレートの水着。そして羞恥の表情。
「くらった・・・」クラッとする青年。「おし、クリティカルヒットや。」「成功ですね!」
「・・・・・・・。」もはや声すらでない剣聖。
「じゃあ、明日は海辺でゆっくりしましょうか。」「ええな。」「・・・・・その・・旅団は?」
「リガルドさん、彼女の晴れやかな姿、目に焼き付けなくっていいんですか?」
「今晩あたり、二人で部屋に押し込んだらええやろ。」「・・・・。」「あの・・・?」
「壁薄いからな、ココ。なんもなかったら、男としてどうなんか問いただしたるわ。」「ですよねー。「・・・・・・・。」
「ちゃんとした手続きを踏んでから、そうさせていただきます。」「おう、ここで式か。ええな!リトリー!」
「ですよね!夢ですよね、こんなリゾートで!」「・・・・。(いかん。早く旅団の人探さないと)」
ミーランは決してイヤでもないのだが、こんな流れは勘弁して欲しいと切実に・・