「うワ・・・。」
砂嵐もかくや、といわんばかりの盛況な街。
ウルダハ。
ほとんど行くことはないが・・・
「ほんト、こんな街おかしすぎル。」
黒髪を少し銀色に染め、二つにくくっている。
昼過ぎに「美容師」とかいったか。髪型とメイクを整えてもらい。
なんだか落ち着かない。
しかし・・・
鏡を見れば、普段メイクをしていない自分とは別人のような自分が居たわけで。
ちょっと奮発した甲斐もあったのかもしれない。
とりあえず、この街での依頼もこなさなくては。
フネラーレはとりあえず「リゼットちゃん」とか抜かす女の依頼を進めるべく・・・
「確カ・・・こっちだったナ。」
裁縫ギルドの女性の依頼だが・・・またしてもロクでもない話だろう、と。
とりあえず今夜までにはリムサ・ロミンサに帰らなければ。
そのための依頼だ。他人に先を越されては意味がない。
強弓、コフィンメイカーの弦を鳴らす。
びん。
「疾く駆けよう♪」自己暗示をかける。
こころもち、足が軽くなった。
そろそろ陽も傾いている。急がなければ。
結局のところ、やはり、というか。
チョコの材料調達だというが・・・・大体、なんだ?
「オロボンの肝」だ?何を作る気だ、あの女・・・・
「ファン」とかいたが・・・バカ集団か・・・・
結局のところ、材料の調達だけでよかったワケだが、そのためだけに足を運んだ、というのはなんとも。
「時間、かかりスぎ・・・・。」
一応これで3つの国のクエストは終わったわけだ。
リムサに帰れば、後は・・・・・
移動術式を展開する。
淡い光から抜け出すと、例の「アイドル」に会いにいく。
「あら~がんばったのね~。でも~リゼットちゃんは~2種類のチョコが欲しいの~。」
(殺ス。)
「デ?」
「アイドルとかしてるとさー、実績いるじゃん?実績って、モノだし。さっさと用意しな。」
「死ヌ?」
「あ、リゼットちゃんったら、少し言葉まちがえちゃった!てへ♪」
このクソ女め・・・・
それに、2種?どういう・・・・
「ビターがいるのよお?アタマ大丈夫?」
エレゼンの少女?はニッコリと。
「お前。死にタいらしいナ?」
「あら?リゼットちゃんに手を出したらタイヘンよ~?わかってる?この腐れ女。」
「・・・・・僕の機嫌を損ねたナ。スタッブしてやるから覚えとケ。クソ。」
「暗殺者風情が上級貴族に手を出せるワケないじゃん。ボケ。」
「ほウ。」
悔しいが・・・今は確かに手を出せない。でも・・・・
「わかったらさっさと仕事しな。」
「・・・・。」
何が目的かは知らないが・・・おそらくは、ヴァレンティオン卿の名誉回復か。
しかも今頃になって。
「ベッキィ、よくあんなの相手にできたナ・・・。」
とりあえず、「ビターチョコ」なるものを用意しないと。
「スイートチョコ?」なるものは、なんとか入手できたのだが・・・
ビターの方は男性から入手、ということになっているらしい・・・
「う・・・カルヴァランから欲しいけど・・・」
どうにも難しい。
彼自身、この祭りには参加どころか巻き込まれた感じで。
なるほど、あのグリダニアでの喧騒もこのチョコの交換か。
「・・・・仕方なイ。」
声を大に。
「僕のチョコ、誰か交換しテ!」
恥ずかしいうえに、彼を裏切ってる気が・・・いや、彼のためだ。言い聞かせる。
「おねがいします!」
意外と早く返事がきた。
ヒューランの青年が交換に応じてくれ・・・「その、できればこの後食事でも?」と。
「ゴメンなさい。先約があッテ。」と断り、青年は心底残念そうに。
「ふう。」
後はあのクソ女に渡すだけ。
「おっそ。おそすぎ。まあ、服は準備してあるしさあ?いいよ。」
「テメエ、このイージスの眼、ナメてンじゃねえゾ?」さっと前髪をかきあげ、左目の金色を晒す。
「そんな骨董品、いつまで使えるのか教えてね♪」
「ふン、もうターゲットはした。いつでモぶっ殺せル。」
「イシュガルドに入る事ができればね。芋女。」
「・・・・・・気がついたラ、あの世ダッタ、て笑い話にしてやるヨ。」
とりあえずは、目的の服は手に入れた。
あとは・・・
「リッラ?」
百鬼夜行の頭領は、あんまりというか・・・
赤いエプロンドレスの恋人が部屋で待っていて「おかえりなさいませ、ご主人様」などと。
ぶ!
鼻血が出た。