「ン・・。」
目覚めて。
恋人の寝顔を見る。
満足に足る一夜だったけど・・・
少し・・・
ちょっとした決意を。
「よし。」
パールで呼びかける。
(ショコラ!?いる?)
(はあい?フネラーレ?彼氏との逢瀬は満足できたかにゃ?)
(なんデそれを!)
(わっちにソレを聞くこと自体まちがいでしょ?)
ぐ・・・
(わかっタ。少し相談ガ。)
(ありゃ、珍しい。どうしたの?美味しいお土産?リムサならお魚のフライがいいにゃあ。)
(フィッシュ&チップスならウルダハだろーが!)
(あんなの到底食べ物扱いできないなー。やっぱリムサなら捕れたてを丸揚げしてくれるし。)
(どんだケ食い意地張ってンだよ。)
(そんなことより、今リムサなんでしょ?)
(そうだけド。)
(今ね、リゼットちゃんとか名乗ってるヴァレンティオン家の子がいて、なんかしてるみたいだよ。)
(ああ・・ベッキィがそレに・・)
(各下の家が生意気にって、それはおいといて。服とかはもらった?)
(エ?僕にアレ着ろ、ッテ?)
エレゼンの給仕が着ていた服を思い返す。
。。。。カルヴァラン、喜ぶかナ・・・・
(うん、喜ぶと思うよ!)
「ナ!」声が出る。
「ん。?リッラ?」隣の恋人が。
「いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや!!!!」
「ヘンな奴だな。確かに昨夜は誤解を招いて悪かった、って。謝ったじゃないか?」
「そそそそそそそそそそうじゃなくっててええええ!」
「?」
恥ずかしくなってシーツを身に纏う。
(おイ!ショコラ!)
(はいにゃ?)
(そノ、あれダ。男の人って、そういうノ好きなノか?)
(っさあ?試せば?)
(・・・・・。)
顔が完全に赤くなっているのがわかる。
もうどうにもならない。
でも、
「僕、用事ができた。」と、寝台を降り、服を。
「また仕事か?」エレゼンの彼が心配げに。
「大丈夫。今夜。また来るから。」
黒い髪を踊らせながら・・
淡い光に包まれ、空を飛ぶ彼女を見ながら・・・
「さてと。俺もどうしたものかな。」
まずは百鬼夜行の面々に昨日の事を説明せねばなるまい。
当面は紅血聖女団と事を構える事も控えなければ。
あの箱がなんだったのか、知らないフリはしたものの・・・
彼女の真意はつかめない。
ましてや、最愛の女性に見つけられてしまって・・・立場が無いにも程がある。
「まいったな。」
額を押さえる。
ウルダハ、グリダニアと。各地を周る前に。
「あの女、アタマおかしイ。」
フネラーレは、とりあえず「家」に帰り。
「何ガ、リゼットちゃんは~、ダ。」
毒もしっかり吐いてやがるクセに「偶像(アイドル)」だ?
許せないのが、糞田舎の出身のクセに、故郷リムサ・ロミンサをド田舎だと?
イシュガルド出身ごときが、何を!
しかしながら、あの服は欲しい。悔しいが仕方ない。
「カルヴァランのため、だもン。」
そして。
「お前の人生、変えてやるぜ?」と。
桃色の髪に、少し色を入れたエレゼンの男性。
ハサミとクシを持ち。
「家」ではなく、ミコッテの宿の一室にて。
「うわあ!」と、茶色のミコッテ。
「さっすがお兄様のチョイス!」
「あー?ショコラ?」
「大丈夫。わっちがちゃんとドレスアップしてあげる。」
「お嬢さん?このジャンドゥレーヌが、貴女を最高にしてあげましょう!」
シャキシャキ!っとハサミを鳴らす。
そして・・・・ツインテールというのだろう。これは。髪を二つに結い上げ。
黒髪にも少し銀色を。
元々あった銀髪に合わせたのだろうが・・・
目元には青い★マークまでメイキングされて・・・
鏡を見たときに、これが誰なのかわからなかった・・・・(金の眼は隠されていたが)
「じゃあ、お嬢さん。俺はこれにて。素敵な人生を。」
「なア?ショコラ?」
「どうしたの?すごく似合ってると思うけど?」
「あのサ?」
「ん?」
「彼女・・・救われるのかナ?」
「鬼哭隊に引き渡したの、ダメ?」
「僕の仕事、じゃナイ?」
「あんなザコ、フネラーレが気にすることじゃないって。」
「後はウルダハ、か。」
「ソッチもおもしろおかしい相手だから。楽しんでくれば?」
「ショコラ、お前相変わらず面白いナ。」
「そう?」
少し面はゆい感じで・・・
移動術式を。