リムサ・ロミンサは海洋貿易と、私掠船などで儲けている都市国家だが。
もちろん、前者の方が表向きなわけではあるが。
後者の方もそれなりには収益は挙げている。
そして、前者の方の一企業、アリティア産業は今日も忙しい。
「なあ?お姉?僕何すればいい?」
ピンクの髪のミコッテの青年、エレン。
そして、その姉であり、この企業を束ねるマルス。
姉弟だが、姉の髪は黒くしかも表情も引き締まっている。
「エレン、こっちの荷物をチョコボに載せて。あと、そっちは船便で出すから、手配した業者が来ればサインしておいて。」
「はあい。」
ふう。
弟が上京してきたので、とりあえずはウルダハにでも行って来い、とエリスに任せたのだが。
10日とおかずに戻ってきた。
「エリスめ、さすがに手を焼いたか・・・。」
この弟は、毒気が全く無い天真爛漫なのだが、それゆえにタチが悪いところが多々ある。
平たく言えば、遠慮というモノがカケラも無い。
欲しい物があれば気にせず「買って」と言い出すし、気に入った女性が居れば声をかける。
ミコッテの男性自体、マイノリティ(少数)なので、親には甘やかされてきたのが原因だとは思うのだが。
おそらく、エリスやエフィあたり口説かれたかもしれんな・・・などと思いつつ。
部下に指示を飛ばす。
「こんなところか。」社長あらため、CEOは一息。
午前中だけでこの搬入と搬出。昼食を挟んで、今度はエールポートまで商談に行かなければ。
弟を一人残していくと、とんでもなくイヤな予感がするので同伴させるとするか。「観光」と称して。
チョコボの手配を二羽分にしておかなければ。
そして昼食休憩。
マルスは弟に。
「ウルダハはどうだった?」
「うん、楽しかったよ。」
「お前、エリスにちょっかいかけなかったか?」
「え?今夜一緒に寝ない?って言ったら、怒られた。」
「お前というやつは・・・。」
「ダメかなあ?」
「いい加減、分別と言う物を身につけろ。この馬鹿者が。」
「う~ん・・。」
「そこは考えるところじゃない!」
「でも、お姉、まだ彼氏いないじゃない?」
「ソコはよろしい!」
「なぁ~んだ。てっきり結婚するから呼ばれたのかと思ったのに。」
「ちがーう!人手が足らなくなってき・た・か・ら!」
「へぇ~、儲かってるんだね。」
「事業拡大した事もあって、どうしても、ね。だからお前にはここでの仕事を覚えてもらうと共に、もう少し社会的になってもらう。」
「あ、そうなんだ。」
「ったく、お前というやつは・・・。」
「お姉、あんまり怒ると血管切れるよ?」
もぐもぐ、と魚のソテーを飲みくだす。
「人の説教をメシのんきに食いながら聞き流すなあ!」
「だから、血管切れるって。」
「もうキレとるわああっ!」
ダン!
テーブルを叩くと、食器が悲鳴をあげる。
はぁはぁ・・・・。
「とにかく、午後からは私について来い。観光も兼ねてエールポートまで連れて行ってやる。」
「わぉ!たのしみ。」にこにこ。
「いいか、あくまで仕事だぞ?」
「観光できるんだよね?」
「まあ、そうだ。それと、お前。幻術の修行の方は?」
「まあ、順調。斧もせっかくだし上げてるけど。」
「どっちつかずにならんようにな。」
「お姉、なんでもできるじゃないか。」
「私はそのどれもを使いこなす技術も得ているだけだ。本業は仕事、だ。」
「ふうん。」
(今度は暁一家にコイツを任してみるか。頭が痛くなってきた・・・。)
ナイフとフォークを置き、食事を終えた二人はチョコボ厩舎に赴き、予め予約しておいたチョコボにまたがる。
「へ~これがチョコボか~。」
「エレン、かなりの速度が出る。振り落とされるなよ?それと、手綱は持っているだけでいい。予め行き先は調整してある。乗ってるだけでいい。
ヘタなマネをすると振り落とされてしまうか、どこか違うところまで連れて行かれるぞ。」
「はあい。」
(大丈夫だろうな・・・。)
「よし。出発だ。」
「おー!」
そして、無事に姉弟エールポートまで・・・・。
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マユリさんがチョコボポーターに乗ったときの話が元かな?w
チョコボは時速35kmで走るらしいですねw
Marth Lowell (Durandal) 2013年10月09日 18:00
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>マルスCEO、そうですねw
あとは、エールポートみたいな町なら、商談はあるだろうと、「商売」に目を付けましたwあとは、エレン君のキャラ作りですねw
時速35キロ、って言えば、原付のレベルですけど、あの速度でも乗り物変えれば、かなり速い。人が走っても、いいとこ、時速20くらいだし。ママチャリでそんだけ出ればスゴイクラス。と、いうことでw(ちなみに、人が歩く速度は時速3~4キロ、マンションとかの「駅から徒歩3分」というのは、1分80メートル計算が基準です。)
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年10月10日 00:14