541書き物。風見鶏

クライマックスを前に。
少しばかりのご猶予を。
短い時間を駆け抜けていった連中達のお話です。






昼下がり。
ルガディンの青年はアクビをしながら、傍らのヒューランの青年に声をかけた。
「おう。」
「なんだ?いっつも、おう。じゃわからないよ?」
「おう。」
「ああ、はいはい。で?」
「おう。LS、作らないか?」
「はあ?お前本気?」
「おう。」
黒髪の青年は、幼馴染みのこのルガディンの青年に。
「リンクシェル、ねえ。そうだなあ。いいかもな。」
だろ?と
おう。以外に言えたんだなお前。

二人は緑の街グリダニアに住んでいるが・・・。
「そういやお前、ウルダハに行くんだってな?」
「まあな。」
「何かあったの?」
「格闘術を身につけてな。やはり本場がいいだろう?」
「そういやそうだが。」
「お前こそ槍を習い始めたそうじゃないか。」
「ああ・・。今はまだ冒険者として、だけどな。」
「俺も誘え。」
「いや、鬼哭隊の入隊も考えてる。どうしたものかな?」
「ベル。いや、シュナーベル。リンクシェルの話は?」
「あ、そうだったなグリュック。よし!あれにしよう!」
「ん?」
風に吹かれクルクルと回る、風見鶏。
「お前。」
いつも二人で小さな公園で昼寝をしながら。
同じく小さな風見鶏を見ていた。
「わかった。」
「なかなかいいだろ?」
「悪くない。」
「じゃあ決定!リンクシェル・ウェッターハーン結成だ!」
「意外とすんなりだな?」
「お前が言い出したんだろう?」
もうすぐウルダハに行ってしまう友を見て。
「何情けない顔してる?」
「どうしようもない相棒の面構えが見納めかとおもうとな。」
ルガディンの青年は「ははは!」と笑った。
「じゃあ、風見鶏、始動だ!」「おう!」

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