クライマックスを前に。
少しばかりのご猶予を。
短い時間を駆け抜けていった連中達のお話です。
昼下がり。
ルガディンの青年はアクビをしながら、傍らのヒューランの青年に声をかけた。
「おう。」
「なんだ?いっつも、おう。じゃわからないよ?」
「おう。」
「ああ、はいはい。で?」
「おう。LS、作らないか?」
「はあ?お前本気?」
「おう。」
黒髪の青年は、幼馴染みのこのルガディンの青年に。
「リンクシェル、ねえ。そうだなあ。いいかもな。」
だろ?と
おう。以外に言えたんだなお前。
二人は緑の街グリダニアに住んでいるが・・・。
「そういやお前、ウルダハに行くんだってな?」
「まあな。」
「何かあったの?」
「格闘術を身につけてな。やはり本場がいいだろう?」
「そういやそうだが。」
「お前こそ槍を習い始めたそうじゃないか。」
「ああ・・。今はまだ冒険者として、だけどな。」
「俺も誘え。」
「いや、鬼哭隊の入隊も考えてる。どうしたものかな?」
「ベル。いや、シュナーベル。リンクシェルの話は?」
「あ、そうだったなグリュック。よし!あれにしよう!」
「ん?」
風に吹かれクルクルと回る、風見鶏。
「お前。」
いつも二人で小さな公園で昼寝をしながら。
同じく小さな風見鶏を見ていた。
「わかった。」
「なかなかいいだろ?」
「悪くない。」
「じゃあ決定!リンクシェル・ウェッターハーン結成だ!」
「意外とすんなりだな?」
「お前が言い出したんだろう?」
もうすぐウルダハに行ってしまう友を見て。
「何情けない顔してる?」
「どうしようもない相棒の面構えが見納めかとおもうとな。」
ルガディンの青年は「ははは!」と笑った。
「じゃあ、風見鶏、始動だ!」「おう!」