446書き物。それからの・・3

「グーテンモルゲン、フロイライン。グッドモーニン、マイフェアレディ。スプレンティドフィーリャ?かな?」
こげ茶色の髪の青年はいきなり、というか。もういきなり。目の前に居た。
3カ国語でいきなり話しかけ、共通語で〆るあたりはいっぱしの色男であろう。
まあ、ぶっちゃけ。
あたしに声をかけるとは。
「あー、色男さん?」
「うん。多分。」と、くだけた返事。そしてこいつはあたしをナメている。

朝方のバー。親友はすでにカウンターに突っ伏して寝ている。
その向うには、すなわちカウンターにいるマスターであるところのヒゲ。
ものすごくイヤな顔で「やめて」と、表情には出ているものの、声には出さない。
相方であるところのエレゼンの女性はかなり前に部屋に戻ったらしいが・・。
居ればおそらく、それなりにこの場を納めたかもしれない。が、居ないものは仕様が無い。

ニコニコしながら。
「あたしは既婚者ですよ。他をあたれば?」と。平和的解決を望んだが。
「ウィッチケイオスさん、ですよね?」ニコニコ。
「どなたかとお間違えなのでは?」と聞いてみて。
「いえ。天魔の魔女、ですよね。もしくはナイトノッカー(迷惑来訪者)。」
「ケンカ売りにきたのかな?」優しく問いかける。
「とんでもない。じつは・・。」
「いや。」とにべも無く。
「まあ、そう言わず。そっちの隊長さんにでもお話をできれば早いのですが。」
と、突っ伏したままの親友を見る。突っ伏したままだ。
娘夫婦達は寝室に行っているし、何よりこんな話だと巻き込みたくはない。
ヒゲのマスターも、どちらかと言えば聞きたくない話ぽい。
「おい、バデロン。」
「お。」
「このガキ、知ってるよな?」
「聞くなよ・・・。はぁ。知ってるよ。名前まで言ってもいいのか?」と青年に。
「ええ。」
「そこまで言うなら、自分で名乗りな。あたしの名は知ってるだろう?」
もう一度青年をよく見る。こげ茶色の髪のヒューラン、仕立てのいい白い服に整った顔。
ウルラよりも男前だが、マユならウルラだろうな、という感じ。
「ファーネ、と言います。」
「へえ。グリダニア出身か。あっちもややこしいらしいな?」
「そうですね。少しばかり面倒な・・。迷惑をおかけして、というのはダメですか?」
「イヤ、って言えば、この隊長にすがるんだろ?逃げれない手を使って。」
「お話が早い。さすがですね。なに、簡単というか。この数日・・3日ほどで構いません。護衛をお願いしたいのです。」
「相手の戦力は?」普通の相手ならナンとでもなる。
「はい・・。もしかすれば・・呪眼あたりが・・。」
「待て!おいっ!アイツを呼べるようなら相当だぞ?ち。隊長あたりだと危ないな・・。
あたしの娘には一切手を出すな。出したらあたしがお前を始末する。」本気で睨む。
「はい。なので魔女、貴女を探していました。」
「確信犯、か。困ったヤツだな。その分ペイはもらうぞ?」ニヤリ。
「もちろんですとも。」
「仕方ない・・ね。おいバデロン?」
「あいよ。」
「そういうことだ。マユ達にはヨロシク言っといて。」
「ああ。いつもの通り、さね。」ヒゲをしごく。
「んで?何処に潜伏するのかな?」
「とりあえずは市街、だね。」
「お前、正気か?」
「一応・・。顔をアチコチにだすのも作戦なんだ。」
「はいはい、いいですよ。っと。言い訳考えるコッチの身にもなれ。まったく。」
「それはすみません。素敵な言い訳をよろしく、です。」
「アホか。」 やれやれ・・。ね。


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フロイラインっていう名前には意味があるのかな?自分の中学生の頃の記憶を探ると見かけた覚えがある。
Jouram Monde (Sargatanas) 2013年01月09日 17:03

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>じょーらむさん。フフ。
フロイライン、はドイツ語で「お嬢様」かな。
グリダニアはドイツ語、という個人的な設定ゆえ、いきなりドイツ語になり、素性がばれた、といいますか。伏線ですw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年01月10日 01:11

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