「ようこそ!グリダニアへ!」
元気いっぱいの少女の声に、兄妹は唖然と・・。
「どうかした?」さらに、その声に。
「どこだ?ここ。」「これ、全部、木?」
金髪の兄妹はさらにキョロキョロと辺りを見渡している。
「あ。この青い石に触っておいてね。」ブルーグレイの髪の少女。
「エーテライト、と言ってだな。触れておくと移動術式の基点になってくれる。」
「へー。」「へぇ。」
「知らなかったか?」幻術士。
「いえ、見たことは・・。まさか、そういう使い方だったなんて・・。」
「そうね、兄さん、触りそうになってはよく叱られていたから・・。」
「言うな。」
はは、と笑って「触っておけ。いつでもここに来れる。」
幻術士のエレゼンはそう言うと「俺は報告に行ってくる。皆はグリダニアを紹介してやったらどうだ。」と言って去っていく。
「あ、僕もついていきます!」と槍使いの少年。
「空気読んでないにゃあ。」呆れた声のミコッテ。
沈痛な表情の少女、マユは「じゃあ、とりあえずお昼にしようっか。」と。
「わあ、すごい。」「ふーむ。」と反応の違う兄妹と一緒にカフェに向かう。
「ここは、あたい達と、」「あたし達が根城にしてるカフェでーっす。」「にゃ。」
二人でカフェの玄関でアピールをする。
「おおおおおお。。。。」兄妹は声もない。
「でね、ここには冒険者ギルドっていうのもあって、お仕事の斡旋もしてくれるんだよ。」
「あたいはたまに魚釣りの依頼うけたりしてるんだにゃ。」
「で、必要以上に釣って食べてると。」
「そ。そ、そんな、そんなこと・・。多分ないはずにゃ・・。」
「今、かなり怪しい答えが・・。」
「気のせい、だにゃ・・・。」「ウソだ!」「あはは!」と二人からも笑い声が。
「まあ、中に。」と案内して、エレゼンの少女を見つける。「カナル!テーブル空いてる?」「うん。大丈夫。」
接客をしていた少女は「こちらへどうぞ。」と案内してくれた。
席に座ると女主人、ミューヌがにっこりとこちらを見ている。
「あ、あの人がここの主人、ミューヌさん。で、こっちの真ん中のカウンターが冒険者ギルドの窓口ね。」と軽く案内。
「カナル、あたしいつもので!」「はあい。」「あたいは・・オレンジジュースと、野菜サンドで。」「では、おれたちも同じものをふたつ。」
しばらくして料理が運ばれてくる。
「あ、カナル、紹介しておくね。こちらの二人はなんと双子の兄妹で、お兄ちゃんがウルラ、妹さんがマルグリット。」
「あら、よろしく。わたしはカナーリエンフォーゲル。ちょっと長いんでカナーリって呼んでね。」
「え、カナルじゃないんだ?」「今まで本気でそうおもってたんですか?マユさん?」
「うん。」「にゃ。」
「オーアのやつ・・・。」とぶつぶつ聞こえたが・・。「まあ、とりあえずゆっくりしていってね。」
「いただきまーす。」と言ってから手を振る。
「で、まあ今後の方針としては、ここに宿があるから予約しておくくらいかしら。」
「そうにゃ。あたいは実家が近くだからいいけどにゃ。」
「ふむ。」「兄さん。路銀、あるかな?」
「あ、それはなんとかなると思うよ。冒険者だって言えば。多少は家賃待ってくれるよ。」
「それなら、俺のとこに来るか?」
いきなりの声。
「アルフレートさん?」
後ろからの声に一同振り向く。
「いいんですか?」金髪の少年に「野宿したいのなら止めないがね。」
「いえ、もしよろしければ・・。妹もいますし。」「すみません。」
「では決まりだ。」椅子に納まると振り返り「ああ、カナーリ。俺にもサンドと茶を頼む。」「はあい!」
「それとだ。今報告してきたんだが、やはり面倒な事らしい。ただ面倒すぎて我々はしばらくは待機だそうだ。」
「それってつまり・・・。」「ああ、仕事が無い。」「鬼哭隊で槍の練習するにゃ・・・。」
「あ、ネルケは?」「彼は一度家に戻ったよ。報告にね。」「ふうん。」
「あ、そうだ。明日さ、マリーとウルラさん、鬼哭隊行かない?」
「なにそれ?」と少女。
「この街の自警と槍術の鍛錬してるところ。」
「そうにゃ。あたいもそこで修行してたのにゃ。」
「道場もあって、練習できるんだよ。」
「ほう。」「いいわね。兄さん、行ってみよ。」
「まあ、おれは頭脳労働がメインだから、幻術士ギルドに行くがな。」
「え?」
「お前が行って来い。」
「えー・・・。」
「まあまあ、とりあえずご飯済んだら案内するから。」
「「ああ、よろしく」」