220書き物。ミッション・リトルアラミゴ2

吹きすさぶ風に、砂が混じる。

ザナラーンの中央近く。
簡単に言えば、ウルダハの東。

キャンプ・ドライボーン。
その名の通り、付近に乾いた骨が転がっていることも珍しくは無い。
この先には、また別にエーテライトやキャンプもある。
もちろん、魔物の格は跳ね上がるが。

「えーっとねえ・・。」乾いた風から髪を守るように頭を押さえながら地図を見る少女。
「なんか、見たようなところばっかりなのにゃ。」ミコッテの少女は周りを見渡す。
「このあたりは・・来た事ないなあ・・。」と槍を持つ少年。
「気をつけた方がいい。このあたりは色々とやっかいだ。」エレゼンのソーサラー。

「知ってるんですか?」と地図から振り向く少女。
「いや、なに、それほどでもない。噂程度さ。(たしかダイアマイトがいたような。)」
「ふうん。」

「まゆちゃん、この辺りってくわしいのかにゃ?」
「それほどでも。さっきのキャンプならよく使ってたけど、この先はもう少し腕を上げてからじゃないと難しい、って言われてた。まあ、一人だとね。」
「なるほどにゃあ。ネルケ君もここに篭って修行するといいにゃ。」
「え!なんで!?」突然の振りに驚く少年。

「さてさて、君たち。そろそろ静かにしたほうがいい。音に敏感な魔物もいるからね。」エレゼンの幻術士。

一同に沈黙が下りる。
「まず、会話はパールでしよう。」
「はいにゃ、まゆちゃん。」
「わかった。」
「うん。」
ネックレスに取り付けたパールから伝心をする。

「たしか・・。」パール越しの会話に、少し緊張が。
「ダイアマイト、だな。」
「そうね・・。しかも・・。ドワーフ種か・・。死ねそうね。」
「なんなのにゃ?」
「どうかしたの?」
「静かに。見た目もグロイけど、攻撃力もエグイから。音さえ立てなければ気がつかれない。」
「りょ、りょうかいにゃ。」
「うん。。。」

「迂回していこうかしら?」
「蛮族のキャンプもたしか近くにあるんだろう?」
「うーん、そっちは静かにすかしていけるか、ちょっとわかんないわね。」
「ここはゆっくりと音を立てずにすごすしかないか。」
「そうね。」
二人の伝心に、「あぶないにゃああ。」「うん、正直こわい・・。」

四人はゆっくりと歩を進め。

眼がいくつあるのだろう?8つか?黒い玉のような眼が、真っ黒な毛にびっしりと覆われた胴の前面に。
脚もいくつあるのだろう?少なくとも6本はある。そして、そのうちの1匹は後ろから大きく伸びた尻尾が体の前面まで来ている。
あんなのに刺されたらどうなるか・・・。

4体ほどいるその魔物を横に、そろりそろりと歩いて。

ドサッ

「あにゃあ!」

歩きなれていないミコッテの少女が石に足をとられてこけてしまう。


魔物の黒い玉のような眼が赤く光りだす・・。

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