「はぁはぁ。」
「おかえりー。」給仕のミコッテ、愛称オーアが迎えてくれる。
「ただいまー。」
走ってきたのはいいけれど、全力疾走はなかなか疲れる。
カーラインカフェに併設されている宿に荷物を取りに来たのだが。
「あ、マユちゃん、お弁当あるから!行くときに取りに来て!」
「ありがとー!」と着替えに行く。
革のベルトを繋げたような装備や、無骨なブーツや手甲とかに着替えていくたびに、
そろそろ戦いの準備だな、といつも覚悟するが・・。(もうちょっと反応あってもいいのに。)と口がツンとしている。
「今回はお使いだしね・・。たぶん、大丈夫。」と少し冷静に。
「おまたせー!」エーテライトにはいつものメンバーが揃い。
(ほら、ネルケ君)と肘を少年に入れるミコッテ。
「あ、ああ、さっきの服、似合ってたよ。マユちゃん。」
「ありがとう。」とそっけない少女。
(だめにゃー?この子)(そうだね)視線で会話するミコッテとエレゼン。
「では、飛ぶよ。」
移動術式、テレポ。一般人には使えないが、冒険者登録をすれば魔力供給をエーテライトから受けられる。
時間と共に回復していく「アニマ」というものを消費して、各地、契約したエーテライトに移動できるシステム。
同じくデジョンという術式もあるのだが、こちらは個人で契約したエーテライトに飛ぶものだ。
青い光りが4人を包み・・・・・。
「わああ、すごいにゃあ!」
まず、声を上げたのはミコッテの少女シャン。
「へーえ、グリダニアの外ってこうなってるのにゃあ・・。」
「あたしはむしろ、グリダニアの木が多すぎだとおもう・・。」
ブルーグレイの髪のマユ。
「僕はどっちかといえば、グリダニアかなあ。」
少年の台詞に(はあ。だめにゃ)(やっぱりだめか)二人はこっそりため息。
「まあ、いいや。ホコリっぽいのがナンだけど、とにかく行こう。」と少女。
「ああ、此処から先は彼女に従おう。俺も実をいえば詳しくない。(ということにしておこう。)」
「じゃ、しゅっぱーつ!」元気よく手を挙げる少女。
荒野の先、リトルアラミゴに。