156書き物。少しホラー。2

「あの。」

露店では、たいしたものは頼まなく。二人してフルーツジュースのみ。

「その、結局どうされたんです?」

エレゼンの女性は、年齢は分からないがひどく憔悴しているみたいだ。

あたしは、聞いてみた手前、最後まで面倒をみないと・・なぞとおもっていたんだけど・・。

(母さん、たしかリムサで「ナイトノッカー(迷惑来訪者)」って言われてたよなー。まさか・・。)

「実は、真夜中にドアがノックされるんです。」とエレノア。
「それは・・、ご存知の方からでは?」
「いえ・・。主人には先立たれ・・。夜中に訪れる方なんて。」
「知人の方とかは?」
「子供もいません。親戚も・・。」
「心当たりがない、ですか・・。」
「はい。ですのでアルダネス聖櫃堂に相談を。」

なるほどー。これは、確かにコワイわね。

「で、なんと言われました?」ここはちゃんと聞いておかないと。

「それが・・。」

彼女の話によると、ちょっと一般人にはムリな怪物の羽根を、それも8つも出せと。
でないと、この「問題」は後回しに。だと。
許せん。
「任せてください!」とあたしは胸を張る。

「え?」とエレゼンの女性。

「あたしが、まるーく解決!まーかせて!」「え、でも。」
「あたしに相談したのが運の尽き!」
「それは?ちがうんじゃ・・・?」
「気にしない!」

「ありがとうございます。」とエレゼンの女性。

ブルーグレイの髪を短め、肩あたりでそろえた少女は、満面の笑み。
「まーかせて!」




さて。ナナワ銀山か。

多分・・、大丈夫。

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