133書き物。ウルダハにて。の3

賑やかな店内、ちょっとしたケンカや、騒動すらも日常な酒場。
クイックサンド。

ウルダハのほぼ中心に位置するこの酒場には、冒険者以外にも一般人や、商人、その他、たまに魔女など、客はいろいろ。


その酒場の女将、モモディの一言は小さかったがとある人物には爆弾級だった。
「え?」
グリダニアからやって来た、鬼哭隊の青年。
「だーかーらー、あっちにマユちゃん居るのよー。」と奥の方を指差す女将。
指された方向を見ようとして、隣にいる母の顔が視界に入る。


ああ、鬼というのは本当にいるのか?

ギギギと、首をモトに戻す。
「ネルケ?」
恐ろしくて、顔を見ることが出来ない。
正面にいる女将のほうを見る。

「あ、ウソ。」


「あの?」と青年。

「いや、だからー。ウ・ソ。」と女将。
母は無言である。


「・・・・・・。・・・・?」どうしたものか?というか、何故にあの子の名前が?

「モモディさん?」母の声は、どこかひび割れているかのようだ。

「あー、うん。噂はなんでもはいってくるのよー。」
「ウワサ?」
「・・・。」
「二人で冒険にいったんですってねー?泊りがけでー。」
「どこでそれを?」
「・・・・・・・・・・・。」
「ナイショ。」
「・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。何もナカッタヨ?」
「あー、やっぱりホントだったのねー。情報ありがとー。本人から聞けたからまちがいないわー。」


「ネルケ?」「ええと?かあさん?」「お母さんに隠し事はしちゃダメよー?」
「ネルケ、今日は自分ひとりで宿を取りなさいね?」「えー?」


その時。
「あれ?スウェシーナさん?と、ネルケも?こんばんは。」
ブルーグレイの髪を肩の辺りで切りそろえた少女が後ろから声をかけてくる。
「あ、ももでぃー。いつものパイちょーだい。」

「ん?」ただならぬ空気に少し?マークの顔の少女。「どうかしたの?」
「マユ、いいタイミングだわー。」「へ?ウルダハの案内?」

「前言撤回。今日は一緒にいなさい。ココで飲み明かすわよ。」「ぇー・・。」

「ん?お隣いいかしら?満席みたいだし・・。」
少女の問いに、副隊長は「ここも満席ですし。」とニッコリ。

「マユ、残念だったわねー。」「???????」
不穏な空気に少し怯んでいると、
「マユ、お待たせー!」とグレイの髪を後ろに束ねた女性がやって来る。
「母さん。おそい!」と口を尖らせる少女。
「お。スゥじゃない?それと・・ネルケ君だっけ?」と、隣りに座る。
「あ、母さん。」空気の重さと暗さがさらに増した気がする。
「まあ、マユも座れって。こっちに。」と自分の横の席に誘う。
「えぇと・・その?」「いいから。」
ネルケ、スウェシーナ・レティシア・マユの順で座る。




(ヤバーいー!おもしろすぎるー!今日はコレだけでも収穫だわー。)
目の前では表面上はニコニコした世間話を二人の母が繰り広げている。
かたや、青年はビクビクして料理をもそもそと食べるだけで、ときおりビクっと反応している。
少女のほうはというと、料理が来るまでの間居心地の悪さを隠しようも無い。


できれば、今すぐに逃げ出したいな・・と青年。

ヤな展開になるまでに、さっさとご飯食べてどこかに行こう・・・と思う少女。



ニヤニヤ笑いが止まらない女将の店は今日も大繁盛だ。


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おかん同士は事この件に関しては仲悪いですね~
なまものは楽しそうだけどw
Eraru Control (Hyperion) 2012年01月21日 12:34

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>えらるちゃん、いらっしゃい♪
スゥは勝てないライバル、それも親子そろって!この尻に敷かれる図だけは避けたいというw
レティは、軟弱な男に持っていかれたくないというwせめて、もっといいのが居るだろう。と二人は共通の認識だけど・・。
まあ、マユに勝てるくらいならかなり年上にならないと居ないかな?w
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年01月21日 12:54

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すげえw
あの空気に正面から切り込んでったw
Bob Dalus (Hyperion) 2012年01月21日 22:25

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>ぼびー、いらはい。
うむ。そこらへんはヒエラルキーの最上位。引かぬ、媚びぬ、省みぬw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年01月22日 00:11

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