48書き物~グリダニア編? さらに・・リムサ

海賊船、アスタリシア号は船籍を偽って、リムサ・ロミンサの港に立ち寄っていた。
補給と、船のダメージを直すべく資材の購入。

まさに天災そのものなダメージを、たった一人の少女から受けていた。

「船長」
青いジャケットを着たエレゼンの男、カルヴァランが問いかける。
「あの小娘、いったいなんなんですか?」
「あれは、まあ、人災としては一番わかりやすいヤツだな。」
キャプテン・フィルフルがぼやく。
「ご存知で?」
「話し程度にはな。」
はぁ・・?
「魔女、だそうだ。」
「魔女、ですか。」
並み居る船員をなぎ倒し、あまつさえ僚艦を一隻撃沈させる少女。たしかに魔女だ。

「あんなのアリですかね・・?どこの手のものです?」
「フリーらしいが。どうもグリダニアらしい。」
「いっそ、引き抜いちまいます?」
「単に金だけじゃ動かない、って話しだがな。」
「そいつをグリダニアで独占ってか。うらやましいですねー。」
「生まれがそうらしい。詳しくはわからんが。」
「魔女だけに、ですか。」


甲板の上では・・・
「あの女、いいとおもわねえか?バデロン?」
短く刈り込んだ頭には刺青のような紋様が施されている男は、向かいの無精ヒゲの男に問いかける。
「アンタさあ、あんだけボコられておいて、しかも、ガキ相手にそれはナイだろう?」
「いーや、ホレたね!」
「まあ、好きにしてくれ。おーい、ウルスリ!」
「はい!」
見習いのエレゼンの少女が小走りに駆けてくる。
「このバカに、気付けの水と、俺にワインだ。」
「はい!」
「誰がバカだ、このやろう。」
「で、殴り倒された後、寝っころがりながら「ホレた!」って叫んだんだろう?これがバカ以外の何モンだ!」
爆笑する無精ヒゲの青年。
「オノの染みになってみる?バデロン君」
「おおこわwマイスターにはかないませんって!」それでも顔にはニヤついた笑みが取れない。





一方。

「ミュー、ワインあるー?」
栗色の髪の少女は、包帯だらけの風体で(鎧はもう脱いで普段着)、エレゼンの少女にやつあたり気味に聞いている。
「スゥさん。お酒は傷に染みますよ?」
「いいの。ケアルもらってるから。」
「たしか、3回くらいレイズももらってましたよね?」
「あんな反則ヤロー、ほんと一回ぐらい、ぐぅの音もなく勝ってみたいモンだわ。」
「レティさんって、ほんと敵にまわすと天災ですからねー」
「ウチの隊員も、アレがいつ来るかわからないから緊張感たっぷりなんだけどね。」
「ひどい話w」





「さてと。」あたしは一人ごちる。楽しいひと時は終わり、次の依頼が。

クルザス地方のイシュガルドに帝国が侵攻準備をしているという話の信憑性を確かめに行ってくれ、たなコトだけど。

これは、黒。だなあ。

まず、確実に侵攻してくるだろう。イシュガルドの近くにある、ゼーメル要塞。なにやらあわただしい。
今すぐ、ってワケではなさそうだけど。
身分証を見せて、兵士に中に入れてもらう。
一礼をし、「グリダニアから来ました。司令官殿に率直にお伺いします。帝国の侵攻にどの程度対応できますでしょうか?」

司令官に問いかけてみる。
「君は誰かね?」
「申し遅れました。グリダニアにて、情報を集めています。レティシア・ヴィルトカッツェと申します。」
グリダニア式の敬礼をしながら応える。
「ふん、こんな小娘を使わないと何もできないとはな。底が知れているな。」

ムカ。(コレはダメだな。ここは墜ちるな・・)

「失礼ながら司令官殿。自分はグリダニアの名誉のために、今の発言をお取り消しいただきたいのですが。」

「黙れ、小娘!」
「・・・。」

「わかりました。勝手に滅べ、クソ野郎!」その場でデジョンをしてグリダニアに戻る。






「みゅー。ワインくれ。」
困り顔のエレゼンの少女に、もう何杯目かわからないオーダーをする。
隣には栗色の髪の少女が突っ伏している。
「飲みすぎですよー?レティさん。スゥさんはとっくにつぶれちゃってますが。」
「あー、もう。なんだ、密偵稼業ヤメよーかしら?主婦一筋ってのもいいかもしれない・・。」


「!」
目を輝かせるミューヌ。
「この前の?」
「うー。悪くはないんだけどねえ・・・。」
「スゥさん!スゥさん!!ってば!」
「んぎゅ?」
「こらまて、ミュー!」



「あー、なつかしいわねえ・・。」
あたしは思い出に浸りながら、パールを片手にミューヌと会話を続ける。
「たぶん、ウチの娘が遠からずソッチいくから。よろしく頼むわね。」
「はい、レティさん。まかせて。」










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マユの両親のお話でしたw
この後、ちゃんとグリ編かなw


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これは良い伏線でした…!
Alto Springday (Sargatanas) 2011年10月29日 15:30

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>アルトさん、いらっしゃい♪
ありがとうございますw伏線、全部回収できるかしら?w
Mayuri Rossana (Hyperion) 2011年10月30日 00:49

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