もう、お昼を少し回っている。
「お腹へったー・・・。」
だが。しかし。ここで安易にパンや干し肉でお腹を満たすわけには行かない。
カニの塩茹で。
コレを食さずして、何しに来たのか!(本来の目的は全く違うのですが。)
もはや食欲の権化と化して、やっと見つけた(あらかじめ聞けばいいのに、あえて地図にこだわった罰!の空腹!)
「見つけたわ。」
下り坂を勢いよく降りていく。見える砂浜。青い海。もうカニは目の前だ。
居た。かに。
「は?」
しばらく頭がついていかない。あれ?お酒って飲んでなかったよね?なんだかなあ。
ナニこのカニ。
下手すれば、こっちがエサにされそーです。
とにかくバカでかい。フェリードックで食べてたカニって、お皿の上に納まるくらいだったのにっ!
とにかく向うから襲ってくることはなさそうだけど。
もうちょっと行くと小さな門と護衛の方が。「ここがエールポートだよ。」
と、確認もらったんで問題なし。
入ってちょいっと見渡す。右手に大きな桟橋と、見上げるような切り立った断崖。静かな波打ち際。
左には漁師ギルドがある。商店も兼ねてるようだけど?
小麦色の肌のミコッテの少女が居たので、ちょっと聞いてみた。
「ここでご飯とか、食べれるのかな?」
「ああ、大歓迎だよ?」
近頃はサハギンの被害が多くて、港町としてはココが残ってるくらいかも?と、少し悲しげな表情を向けてくる。
ツィム、と名乗ったミコッテに言われて、取りあえず中で、カニの塩茹でを頂きました。
自分の足くらいのカニの足が丸々一本、出てきました。
アレ、か。
美味しかったです。・・・あ。仕事。・・・・まあ、明日・・・・、かなー。