季節は初秋だったか・・・。
朝の空気も少しひんやりし始めている。ウルダハとは違う、少し涼しげな野営の朝。
毛布にくるまり、荷袋を枕にしてた寝床もじんわりと冷えているのがわかる。
「ん。。ん。」
装備も装備だけに、ちょっと肌寒い。
塔の中は窓がないけど、今から寝なおすには少し寒すぎるかも。
とりあえず周りを見ても暗がりでよくわからないので、近くの戸をあけてみる。
かがり火はまだついていたが、誰もいない。
そして、空はまだ少し夜明けには遠いよう。
かがり火の前で暖をとる。
「はー。さむ。」息を吐くと少し白い。
さて。荷物を畳む。荷袋を抱えて。
上を見る。空。真っ黒い空に満天の星。月はもう見えない。
東の方から真っ黒い空が駆逐されていく、だんだん黒から藍、青、黄、橙の色がグラデーションを作っていく。
東の山間から太陽が見え始める。
それじゃあ、行こうかしら。
北を目指す。
「!」
遥か向うに、こう、何かを削り取ったかのような、大きな山の輪郭が見える。
すごー・・。声には出さず、ただただ、ため息みたいな。息が抜けていく。
朝日が完全に昇るころには、キャンプ・スカルバレーに着いていた。
「えーっと、なにかおいしいものありますか?」と、聞いてみたところ。
「そうだな。カニのボイルがウマいぞ?」と。
「ありがとう!あと、朝ごはんにはスープが好きです!!」
「ああ、あっちで売ってるな。」
まずは、そっちでスープをゲッツ。パンは手持ち。
さてと。聞いた話だと目当てのエールポートはもう目の前らしい。
さらに南西に走っていく。
地図だと海岸沿いみたいだし。
「何で崖ーーーーっ!!!!」
崖の下にたしかに港町があるのは見える。
どうやって行けと!!!
入り口までの下り坂を見つけるまで、スカルバレーに戻るか、自分で探すかで悩んだあげく、お昼ご飯を棒に振って、なんとか崖を下る道を見つけたのでした・・・。