もうじき船がやってくる。
兄貴はその準備のために、あれこれしなくちゃいけないらしい。
久しぶりに逢った家族なのに、あいかわらず空気が読めてない。(そんなの、代わってもらえよー、せっかく母さんまで来てるんだから。)
その母さん。
「マユ、女の子なんだから、お父さんみたいにならないでね?」と過激な単語をさらっとニコニコ笑顔で言い出し。
そして、親父。
「なんだと、お前!俺の冒険譚が大好きだと言ってたのはウソだったのかぁっ!」と。
いつものケンカが始まる。ちなみに母さんは防御魔法となんだかよくわかんない技術でよけまくる。
フェザーとなんとか・・・って、フェザーステップと他に組み合わせてんのか!
オノ(刃のついてない、しかし全力で当たれば、シャレにならない)一点張りの親父と。
(また持ち出したのか)・・・「なに、コレをまたしてもよけるかああっ!」定番だけど、
スカスカよけまくって「ふふふ、あなたって、太刀筋が目線で追えますもの」、随所に魔法で息詰まらせたり(チョーク2)
「ぐふっ!」「しばらくしたら、息ができますからって、何度説明がいるんです?」なんかで牽制をかける両親を見て。
さらに。「この上は!」とオノを大振りに構えようとして、先に。
「あなた、せっかく娘に会えると思ってしつらえた服をボロボロになさるつもりなんですの?」
勝敗は決したも同然だった・・・・・。(後で聞いた話だと、お互いベストでやって、母さんの圧勝だったらしい。ま、いつものコトだけど。)
あー、空気読まない兄貴と、スグ頭に血が昇る血統は、十分、引き継がれてますよ。ご両親。
周りのお客(冒険者も、あまりのハイレベルなバトルにお皿を持って避難状態・・・。)
そりゃそーだわなー・・・あんな最高レベルの技と魔法で夫婦喧嘩してんだから・・・。
まさか、あたしの居ない間に名物にしてんじゃないですよねー・・・?
で、
「おーい、マユ。なにしてんの?もうスグ船くるぞー!」
さすが兄貴。
その一言でバトルが終わると思ってるのか・・?
終わるわけないだろw
「んじゃ、ちょっくら行ってきます。」と、
軽く手を挙げると、二人とも。「「もう?」」って、コッチに顔が向いている。
方や、オノを振り下ろして、袈裟斬りの手前。方や、手にでっかい魔力のカタマリを出す直前。
うん、だって
「ありがとう。一旗、あげてくるわね」
小さい勇気と、大きな決意。
なんとか、つたわってくれたらいいな。
だったら、うれしいな。
行ってきます。
そして、航海に乗り出した。
あえて見なかったその背後で爆音が聞こえた気がするけど多分、問題ないだろう・・・とおもいたい。
後悔でありませんように。
「あははw」ってバカ兄貴の笑い声が出発の汽笛と重なる。
あー、それでも世界は回ってる、のね。
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マユさんは前衛と後衛のエキスパートの両親のハイブリッドなんですね。(笑)
今回が、ホントの意味での旅立ちですねー!
兄貴の登場も嬉しかったです。これはリムサへの船旅編へ繋がるのでしょうか。(無茶フリ?!)
Alto Springday (Sargatanas) 2011年10月17日 01:43
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>アルトさん、いらっしゃい♪
まあ、両親がアレなのはお約束?w
11と違って雨しかアクシデントないですからねー、こっちの船はw
その辺を楽しませてもらわないとw
そして、無茶振りOKですよw
バカ兄貴と過ごす、船ですねw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2011年10月17日 03:47