298書き物。少年と少女の始点。5

「おい!誰かいねェのかよ!」

海の街、リムサ・ロミンサ。
そのエーテライトには、常に人が溢れる。
しかしながら・・。

少女の叫びには誰も応えない。

「おい!金ならいくらでもいい!お願いだ!蘇生術式ができるならなんでもいい。コイツを助けてやってくれっ!」
黒髪の少女は血まみれの少年を抱えて、エーテライトで絶叫する。

「お願いだ・・・。」
涙が右目から滴り落ちるが気にしない。

「あ・・んた・・。」
「黙ッてろ。」金髪の少年を膝に抱えて、叫び続ける。
「いや・・予想外だな。」
「黙ッてろってンだろ・・。」
「・・・。」目を瞑る少年。
「こらッ!黙るのはいいけど、死んでるンじゃねえよ!」
膝の上の少年を抱きしめる。
「ああ・・。」弱い息を・・。




白い光が少年を包む。

蘇生術式レイズ。

ララフェルの女性。額に宝石をつけた少女のような・・。
「あらまあ。間に合った?かな?」
金髪、ポニーテール。
「えらっち、次の攻略行くよ。」淡い金髪をツインテールに。ピンクのリボンが目を引くララフェルの少女。
実際の年齢は分からないが、威厳というか。
「はいはい。マナナ。」
「まなん、と呼びなさい。」
「ありがとうございます・・。」黒髪の少女は、顔を伏せ涙声で感謝を述べる。
「いいってことよ!」ララフェルの少女二人は大きく胸を張る。



「でさ。その・・。」
グリダニアのカフェ、カーライン。
ブルーグレイの髪の少女、マユは目の前のふわふわした金髪の少女マルグリットに。
「どうなの?」
朝方のカフェは、それほど来客も無く。
「おまたせしましたー。」と。
赤毛の少女、イーリスが野菜サンドを置いていく。
「そう、ね。逆に聞きたいんだけどさ。マユちゃんって、お兄ちゃんの事、どのくらい?」
「う・・・・・、そうきますか・・。」
「そりゃ、そうでしょ。」
「うー。」
「聞くまでも無いか。」ふわふわした金髪を押さえて。
「陥落・・。」

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