297書き物。少年と少女の始点。4

「ん・・。」

少女の目の前にはリンクパールのついたブレスレットがある。

「んー。。」

枕元にあるそのアクセサリを見て。

「んー。。?」

夕べの、というか深夜の会話が思い出される。

「ん!!」

眠気も吹っ飛ぶ内容に。

「んんんぐぐぐぐぐぐ!!!!」
シーツを跳ね除け、寝台から飛び起きる。

時間帯、としてはまだ朝方。夜明けの遅いグリダニアとしては、まだまだ早い方だろうか。

「あ、あたし・・。あ・・・。」
ブルーグレイの髪の少女は、自分の失態に気が付く。

リンクパール。
真珠を模したこの宝珠は、意思の疎通を可能にする。
各自、好きな(例えばリング)物につけて、各々所属するメンバーとどこにいてもやり取りができる、そういったものだ。

そして。
「やっちゃったああああああ!!!!」
宿屋の一室で叫ぶ。

コンコン

ドアがノックされ。

「あ、はいいい!」
と、カギを開け、ドアを開け。
「あ?」
目の前に居たのは、ふわふわした金髪の少女。普段着で廊下に立っている。
「おはよう。マユちゃん。」
「あ、おはよう!」
「マユちゃん?」
「はい?」
「もし私じゃなかったら、また悲鳴が出るんじゃない?」

「へ?」

自分を観てみる。
視界の中、まずは胸>お腹>腰>脚・・・・。
見事なまでに下着姿。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!!!!」
「ほら、早く部屋に入れて。でないと誰か来ちゃうよ。」

寝台に飛び込むように突撃。その後に金髪の少女が入り、ドアをロックする。

「あいかわらずね・・。」
「む。そうかもだけど。パールで爆弾だしたの、マリーじゃない・・。」
寝台からもそもそと出てくる。

「そうだっけ?」
「そうよ!」
「あんな深夜にパール使うほうが悪い。」
「・・。はい・・。」
「で?」
「いや、その・・。やっぱりこのパール持ってるメンバーには筒抜けだよね・・・。」
「そうじゃない?私はこのリンクパール自体、馴染みがなかったから。兄さんくらいかな?共有してるのは。
後はグリダニアに入った時のメンバーだし・・。ネルケ君、シャンちゃん、アルフレートさん、マユちゃんかな?」

「ってことは、ネルケくらいか・・・。シャンちゃんあたりだと、まあいいというか・・。って、ウルラももちろんだよね?」
「・・・・・何を今更・・・・・。」
「ぬおおおおおおお!!!」少女らしくない悲鳴とも雄叫びともつかない声を上げ、再び寝台に突っ伏す。

「まあ、兄さんの場合、よっぽどの事が無い限り聞いてる、とは思うけど・・。」

はふー、はふー。と息を整えながら。
「フォローになってないし。」ともう一回突っ伏す。

「でもまあマユちゃん。」
「うん・・。」
「兄さんの好みでいえば、たぶん、だけど。十分じゃないかなあ?とか言ってみる。」
「マリー、ありがと。でもそれがトドメだったりした日には、あたし何処かでゾンビになってる。」
「その時は兄さんに退治してもらってw」
「ソコ、もうちょっと慰めるトコでしょ?」
「そんなこと言うけれど、私なんてまだ相手すら見つからないのよ?」
「う・・。」

ふわふわした金髪、蒼い眼、顔立ちも愛嬌あるし、スタイルも悪くない。少なくともモテそうではあるのだが・・。
いかんせん、人慣れしていない・・。小さなキャンプ暮らしだった彼女は人見知りが激しい。
「マリーはさ。こう、ウルダハ辺りに行ったらダメだと思う・・。」
「なんで?」
「次の日には、こう、誰だか知らない人の部屋で寝てそう。」
「マユちゃん?ウルダハには行ったことあるの?」
「そりゃ・・。根城でしたよ・・。」
「そんな経験が?」
「あるわけないでしょっ!」
「まあいいわ。朝御飯、食べに行きましょ。」
「うん。ちょっと待ってね。」







カン!

キン!

「おいおい、冗談だろ・・・。」
金髪の少年の剣は一太刀すら受け付けられない。

白銀の甲冑の将軍は、鼻で笑うかのようにその場に立っている。
特に防御、といった行動すら見せず、単に剣を。それも適当に。
それだけで少年の剣戟は跳ね返されている。

「おい、コイツなんだよ?オカシイだろ?」
黒髪の少女に背中越しに問いかける。

「お前、それだけ耐えたンだ。殊勲賞モノだナ。」
矢を放つ。

斬。

数本目の矢が目の前で散らされる。

「なぁ。もうコイツ放っておいて、どこかにお茶でも飲みにいかないか?」
「すばらしい提案だナ。どうせならソイツも誘ってやれヨ。」
「・・・、付き合うぞ?」
意外なひと言。

そして。

斬撃。

吹き飛ばされる少年。

袈裟斬りにされ、おびただしい赤色があふれる。

「こン野郎!」
矢を放ちつつ、少年のもとに。

「やあ。天使かとおもったよ。」
薄く笑う。
「そう呼ンでくれて正解だ。」

移動術式。蒼い光に包まれる。

「誰か!蘇生術式できるのはいないか!」
黒髪の少女は、リムサ・ロミンサのエーテライトの前で瀕死の少年を抱え、叫ぶ。


----------コメント----------

弟子の敵はワシが討つ!
ってながれではないんじゃろな~?w
Syakunage Ise (Hyperion) 2012年09月01日 10:28

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>しゃくなげさん、特攻します?w
かなりの相手ですがwww
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年09月02日 04:05

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