6そして書き物。

お使い?お試し?
なんだかよくわからないけれど、きっとお試しのキャンプ訪問。

とある理由ですっ飛んで走って帰ろうとしたところ、悲しいことに雨が。砂漠のクセにけっこう降ってくる。わかっちゃいたけど雨具なんて、持ち合わせがない。時間でいえば昼前か。お腹も減ってきたし(帰らないと、お金もご飯にもありつけない!)

山?というか丘というか、岩のカタマリというか。ザナラーンではよくある、岩石の山(小さめ)のトコ向かって左?そこらへんからガイんガチん!!ドカっ!ガチっ!!って音が。
コレってもしかしてヤバい?
見上げてみたら。
降りしきる雨の中、でっかいトカゲと冒険者がやり合ってる。
マジで?
あんなのと一人で渡り合えるんだ。すごい。

あたしもあんな風になれるのかなあ?

雨が降り止むまで、びしょ濡れなんか気にもならず、戦いを見ていた。
冒険者はあっさり、とは行かなかったようだけど勝利を収め、じっと見ているあたしに気がついたようだった。
ただ、ただ、ぼーっと見ていたあたしに。
冒険者「よう、お嬢ちゃん。こんなのに見つからないようになっ!」と、さらっと一言を残してどっかに走り去ってしまった。

すごい。

雨で重くなった服とか関係ない。もう、走らずにはいられなかった。

あたしも、あんなになってみたい!

ただそれだけだった。

うろ覚えの街中を、酒場目指して走る。走る。

ドアを開けて、自分の予感だけだった「冒険」に確信を、この場で実現してみよう。
そうやって、「クイックサンド」のドアを開けた。

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