585外伝。コロセウム建設

書記官に拠る会議の進行を書き留めたもの より抜粋。

某年、某場所において。

「それでは、今回のプランニングについて説明を。ナルディク&ヴィメリー社代表ミミドア殿。」
「うむ。まずは外貨獲得と復興とを第一の目的とし、ラノシアの海に娯楽施設を建設しようというものだな。
とりあえずは、冒険者をターゲットとし、遊興にいそしんでいただく、ということだ。」
「具体的には?」
「うむ。彼等は日々魔物などの相手をして、戦闘技術を常に磨いておる。
だが、いかに磨こうともでは、自分はどれだけの技量があるのか?という疑問もあるやもしれぬ。
または、自分こそが最強だと自負したい者も居よう。そこで、コロセウムだ。
つまり、対人戦で己の腕前を量る、という事にすれば皆が納得しようて。」
「ほほう、人対人ですか。しかしながら、それでは怪我人や、ヘタをすれば死者がでてしまいませんかな?もしそうなれば、責任の所在はどうなります?」
「そこも手は打ってある。」
「ほう!?」
「儀式様防御術式だ。」
「はぁ。それはいったい?」
「コロセウム自体を巨大な陣として要石を12箇所に配置、12神の加護と共に防御術式を会場全体に展開させる、というものだ。」
「ほほう。それはもう設計図などはできているのですか?」
「うむ。とはいえ、細かい施設の設備などはこれから詰めていくところだがの。」
「なるほど。そして一つ疑問なのですが。それほどの大規模な儀式を伴う術式ですが、魔力の供給源はどうされるので?」
「そこも抜かりは無い。地脈、というのをご存知か?」
「聞いた事は・・・ないですね。」
「ふむ。このエオルゼアや、他の大地にも、地脈、もしくは龍脈と呼ばれる膨大なエネルギーの流れる網目状の流れがあるのが最近わかってな。
そこの上に建造することによって、エネルギーを魔力に、というかこのエネルギーはこの星の魔力だとおもっとるんだが。
これを少しばかり頂いて使おうと。そういうことだな。」
「ほう!そんなコトが可能で?」
「そのための12神の儀式様術式なのだよ。この結界を用いれば、並みの防御術式など比べ物にはならん個人結界が張れよう。
そして暴れすぎて会場を壊す、などというアクシデントも防げるということだ。」
「すばらしい。」
「次に外貨獲得の件だがな。これには観客席を設け、入場料金を頂くことで賄えよう。
さらに賭け場も併設すればさらに収益は上がり、賞金をそこから出せば、参加者も常に呼び込めよう。いかがかな?」
「すばらしいプランです。では、実務的な話に移りますね。」
「どうぞ。」
「まずは建設候補地は決まってるんですか?」
「うむ。幻術士ギルドの協力もあって、ラノシア海沖に大きな地脈があるのを確認しておる。」
「資材の方は?かなり膨大な量になるかと。」
「それも手筈はついておる。ファルベ商社とアリティア産業が名乗りを挙げ、両方ともに取引の段取りはついておるでな。」
「ほう!ファルベ商社ですか。さすがですな。アリティア産業の方は貴社と以前から懇意にされていたようですしね。」
「うむ。おふた方共にミコッテゆえか、こちらのハ・ナンザとも仲がよくてな。それで今回の件も快く承諾となったわけだよ。」
「なるほど。」
「それでは、次の議題に移りたいとおもいます。」





「ねえ、センちゃん。この件どうおもう?」黒髪のミコッテはデスクから一枚の紙を取り出し、秘書に渡す。
「社長、どういったリアクションをお求めで?」
「そりゃあ、ね。ファルベのトコがライバルになるからさ。どういった根回ししてるのかわかんないけど。この大仕事、獲られるワケにはいかないでしょ?」
「協力、共同歩調、仕事の棲み分け、等、いろいろ方策はあるのでは?何故にそう相手を飲み込もうとされるのかが、よくわかりません。」
「センちゃんったら・・。だって、ファルベってアレだよ?クォがいるんだよ?あのハラ黒。見た目も黒い、中身も黒い真っ黒けのアイツが。」
「相当嫌ってますね、社長。」
「アイツの横に1分でも立ってたら瘴気に当てられて死んでしまう。」
「相当なトラウマをお持ちですね・・。」
「という事で、なんとかアイツを出し抜いてやる・・・。」
「ご随意に。」(ムキになるところはホント子供みたいですねぇ・・。)



クシュッ
「クォ様。お風邪ですか?お薬をお持ちいたしましょう。」
「いや、それには及ばないよ。セラータ。」
「しかし、お体に障る事がございましては・・。」
「いや、これは・・・・そうだな、ジンクス?いや、オカルトの類だろう。」
「は?」
「いや、噂をされるとクシャミをする、っていうね。」くすくす。
「さようでございますか。」エレゼンの女性の給仕長は納得がいかないようだが。
「ああ、恐らくだが・・・アリティアの女社長あたりじゃないかな?先日のコロセウム建設のプレゼンでファルベの名前が出たからね。
それまではナルディク&ヴィメリー社とは専属ではないにせよ、かなりのシェアだったようだからね。
ウチが割り込むことでマージンが減るのを危惧してるんだろうね。」
「そのような・・。」
「まあ、ファルベ商社、という名前だけしか出ていないから。僕の名前を知ってる者はそんなに多くないんじゃないかな?」
「ですが、次期総裁としてそろそろ表にもお顔をお出しになられては?」
「セラータ。どんな時にも「機」というものがある。今ではないよ。」
「出すぎた事を申しました。申し訳ございません。」
「気にするな。これはこれで結構楽しみにもなる。」
「はい。クォ様。」
「さて、マルス社長のお手並み拝見、か。」




クチュン!
「マルス社長?お風邪ですか?」
「ちがふ。」ぐずずず
「どうぞ。」ハンカチを渡す
「あぢがど、センぢゃん。」ち-ん。
「噂、よ・・。」
「は?」
「悪い噂されたー!」
「やはり熱がおありのようですね。 おい!誰ぞ!社長を仮眠室にお運びしろ!」
「あ、まってまってセンちゃん!ホントだいじゅぶ!」
「噛みましたね?やはり。」
「はい、セネリオ女史、どうされましたか!」
「社長を仮眠室までお連れしろ。少し気が立っておられる。暴れてケガでもされてはかなわん。羽交い絞めにしてお連れしろ。」
「ちょっとお!センちゃん!!ってばー!!」
「行け。」「はいっ!」男の社員3人に連れて行かれる社長。なにやら悲鳴めいたものが遠ざかっていくが、いつものことではある。気にするほどでもない。
「ファルベ、ね・・。手を打つなら後手には回りたくないしね。」
デスクに手を乗せもたれるように体重をかける。
このポーズにアンニュイな表情を浮かべるところを男性社員が見かけたことがあり、かなりのポイントの高さを誇るが、それは置いておいて。
頭はフル回転中のセネリオだった。


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コロセウムに釣られてきたら。

社長の鼻声に萌。いかんいかん。
Fizz Delight (Hyperion) 2013年05月14日 10:53

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>フィズさんwさすがw
このお話は、フィズさんと、アルフレートさんが一戦やる前のまさしく建設前なお話ですねwもう少し建設前の腹黒い展開があるかもしれませんけどw
プレオープン戦での対戦メンバーを考えておかねばw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年05月14日 10:57

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誤字とかの指摘です。
「相当なトラウマをお持ちですね・・。」
「という事で、なんとかアイツを出し抜いてやる・・・。  ←”」”が抜けてる?
「ご随意に。」(ムキになるところはホント子供みたいですねぇ・・。)

http://lodestone.finalfantasyxiv.com/rc/diary/entry?e=447920
の話で”そして、センチネル。皆の防御を底上げする剣術の技。”
範囲はランパートでは?

http://lodestone.finalfantasyxiv.com/rc/diary/entry?e=448540
の話の”ルーの術で火を入れる”白魔なのにどんな術をつかったのか?

以上が読み返して気がついた点です。
Marth Lowell (Durandal) 2013年05月14日 17:51

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セネリオは強いなぁw

セネリオの名前の元キャラって参謀だから作中のポジションはあってるかもしれないw
Marth Lowell (Durandal) 2013年05月14日 18:27

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>マルスCEO、ご指摘ありがっつ!
」 ←脱字ですたね。けあれすみす・・・。

ランパート <直して来たけど、ぶっちゃけセンチとの違いを忘れてましたw
ランパって、ヘイト↑と防御↑だけだとおもってたwセンチが範囲だと勘違い?してたかな。半年以上もデータ見てないからうろ覚えでやるとこうなるw
ルーの術だけど、白のアイテム外して幻術でやってる・・・まあ攻撃用じゃないから。
基礎的な術だし誰でも使える感じで。(いいわけ?w)セネリオ女史は確かに参謀のポジションですねwその対比としてエリス嬢が少しオトボケキャラに甘んじていますがw
レイちゃんは、真面目だけど貧乏くじ的なw 
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年05月15日 07:20

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