853セブンス。冒険者達の日常の3

「よっし、次!」
エレゼンの女騎士が宣言する。

ここ、カルン寺院遺跡には魔物が跳梁跋扈すると評判で。
冒険者ギルドのリーヴ(依頼)や、最近始まったコンテンツファインダー(冒険者收集)でも、それなりの依頼が届く。

「元気だね、君。あ、ミーって呼んでもいいかい?」薄桃色の髪のミコッテの青年。
「ううぇあ、ええええE?」剣聖は顔を真っ赤にしながら、走る速度が落ちる。
「走れや。ミー。」相棒のヒューランの女性。せっつかす。
(仲がよくって、羨ましいこと。)白魔道士のミコッテの少女。

2回目以降ともなると、「コツ」みたいなものがわかってくる。
とりあえず、雑魚の始末と、トラップを回避しながら。

「本番、だね。」
エレゼンの女騎士、ミーランが声を。
「せやな。」
相棒の格闘家、エレディタが応える。
「まあ、雑魚は抑えるよ。」
召喚士のミコッテの青年リガルド。
「がんばってね、私ちゃんと回復に専念するから!」
白魔道士の少女リトリー。


「よっし。行こうか!」愛剣ジュワユースを掲げ
走り出す女騎士。

巨大な石像が動き出す。
「ほんっと、誰が修理してんのか、ちょっと考えちゃうわよね。」
魔力の灯を秘めた盾で大きな石像の攻撃を受け止め。
「これ、キツイわね・・」
背後で湧き出た敵に対処をしている仲間にも気を配るが、なかなか、敵が許してくれない。
「エリ!リガルドさん!がんばって!コイツはわたしが押さえておくからっ!」
「任せときなって、ミー!」相棒が。
「大丈夫だよ。」青年。
「あ、私も!」回復術式で支える白魔道士。

「じゃあ。わたしもがんばらなくっちゃね。」
踊り始める舞姫。

「喜ばしきもの」が振るわれ、盾を使い、攻撃を防ぎながら注意を惹きつけ
さらに斬撃を。

恐ろしいくらいのバランスで鍛え上げられた剣は、普通なら一度の斬撃を二度三度の回数に増やす。そして、それを使いこなす腕前。
「剣聖」
さらに、刃のついた盾もでもって、さらに。
二刀流。

かつてこの「喜ばしきもの」の所有者であった少女、アイ・クオーレの再現、と。
右手に愛剣、左手には短剣。
短剣は盾の代わりに、相手の剣を受け止め、断ち折る「ソードブレイカー」
その2剣を変幻自在に操った「剣聖」
その再現が今ここに。
師、ユパはそう言った。

「アイ師。おいらは、見つけてしまいました。往く道を。この子を育てる。」

ジュワユースを振るいながら「まだまだ!」ミーランは。
巨大な石像に、不敵な笑みを。


戦闘の後。
せっかくだし、とばかりに酒場に。
「おいおい・・またこの展開?」
酒場のマスターがボヤく。
「なんだ?あたしがいるのが不満か?」魔女が。
「レティ、ちょっとは。」鬼哭隊隊長。
「マスター。さすがに失礼ですよ?頭の中の菌が増えましたか?」とエレゼンの女性。
「お前なあ・・・」パートナーの毒舌にさすがに辟易とはするが・・可愛いのでつい。

「それにしてもさすがの「剣聖」ですね!感動しちゃいました!」
白魔道士のミコッテ。
「ま、コイツが本気出すのって、ホント、タイミング遅すぎやな。」
モンクの女性がワインを煽りながら。
「あ、リトリーさん、ありがとうって、エリ!」
「剣聖」ことミーランが。
「毎度やろ?(恋愛もな。と心の中で追加する)」と、にべもない。
「いやあ、さすが、ですね。賞賛させていただきますよ。」にっこりなミコッテの青年。

(今度は飲みすぎんなや?)(え?)(ええ機会や。解かれ?)(え?)
耳打ちはそれで終わり・・
(やっぱ、ストレートがええか)
エレディタは召喚士に期待を。

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