「こんな。」こんな事になるなんて。
エレゼンの女騎士、ミーランは。
悲痛な表情を隠すことができない。
傍らの相棒、エレディタは慰めてくれたが・・・
それでも。
「ミー?」
「うん・・。」
手直に倒れている不滅隊のメンバーから、遺品(といっても、死んだわけではない・・)を探し、ちゃんと家族に届けるため。
「ごめんなさい・・・・。」と溢れる涙を拭うことすらできないでいて・・
そこに。
「しみったれてんなや、騎士様よぅ!」と、声が掛かる。
長いブロンド、ローブ姿の少女は。
「・・・・。」声がない。彼女は恐ろしくタフだとおもう。自分なんかよりも。
でも・・・「・・・生きながら骸にされてしまう方々を悼んで、何が悪いんですっ!」
やっと、言い返せた。
ブロンドの少女、ユーニは「阿呆か?お前。」
「な!その言葉、取り消してください!」
「だから、阿呆。だ。」
「その侮辱、看過できません。」
「やめとけ、ミー。」相棒から声が。
「でも!エリ!」顔が赤らんでいるのが自分でもわかる。
「お前なあ。」と妹のユーリが。
「言わんとわからへんのやったら、教えたる。お前の活躍があったからこそ、今4人は生きてケンカの一つもできるんやで?こいつらの遺品も届けてやれる。
自分を落とすような言い方しとったら、こいつら、浮かばれへんのちゃうか?」
「!」ユーリの言葉に声もない。
「わかったか?」姉。
「・・・・うん。ごめん・・。」うなだれる騎士。
「まあ、ミー。とりあえず安らかに眠れる場所に運んでやろう、な?」
「うん。エリ。ありがとう。」
4人でなんとか魔物の餌にならないような場所に運んでいき・・・
「じゃあ・・」
「ああ。帰るで。」
「ほんなら、・・あの女のとこか。」
「せやなあ。お姉ちゃん。」
「あ、そういえば後の3人は?」
「そういえば、そうやなあ、あの結界ブチ抜いた攻撃って、あの亡霊とか抜かすオッサンやろ?」
ミーランとエレディタは周囲を見渡すが・・・・
「ああ、それやったらさっき、弟子いうちびっ子がメモ投げてきとった。見てみるわ。」
ユーニがメモを広げる。
「お先にかえりまーす!おっつかれさまですぅ!」
・・・・・「なんぢゃ、そりゃあ!」
ユーニがキレて、メモを破り捨てる。
「ぷ・・・。」ミーランは。
「あはは、そりゃないでしょう!」と笑い声。
「あいつら、次見かけたらぶっ倒す。」ナックルを装備し直したヒューランの女性。
「なんや、騎士様。ちゃんとわらえるやんけ。」斧を背負った妹。
「ほんまやな。」姉が応える。
「なんだか、あんまりスッキリしなかった事件だけど。みんなの協力あっての事だよね。また何かあれば、一緒にがんばれそう。」
「せやな、ミー。」
「しゃあないなあ。おいユーリ。帰り道わかるか?」
「お姉ちゃん、うちの事どうおもってるん?」
一同に笑みが。
「まずはドライ・ボーン。そして、ベスパーベイの砂の家、ね。みんな、行こう!」
「ああ。」「シキんなや。でもまあ、ええわ。今回の殊勲賞はおまえや、ミーラン。」「お姉ちゃんがホメた!」
彼女達は、歩を進める。