704セブンス。女子会としては。

「あっれぇ?」
素っ頓狂な声をあげたのは。
赤い髪のエレゼンの女性で。
目にしたのは恐ろしく珍妙なグループだったワケで。


森の都。静謐な森林「黒衣森」が霊災で焼け爛れた後にも、精霊達と一緒になんとか復興に力を入れている。
その中でも冒険者達の憩いの場。
カーラインカフェ。
そこに立ち寄ったのは、偶然ではなく。
癒し、を求めた、でもなく。
絵を描く「素材」がちょっと少ない。と。
そういう時に息抜きとしてお茶なんかを。

が。
とんでもない物、いや、者に遭遇してしまった。
どうしたものだろうか?
有名人としては、ほぼナンバー1な「天魔の魔女」に、「鬼哭隊隊長」さらに前にスケッチのモデルになってもらった二人のエレゼンとヒューラン。さらにハイランダー二人。
絵描きとして。
こんなにトキメイタ事は無い。
ナルヴィはちょっとばっかし妄想モードに突入しかけて。
「あの?」
と、エレゼンの女性。髪は赤いが、陽光の下オレンジに輝くのがとてもイイ!
そんなエレゼンの女性が声を。
「ナルさん、でしたっけ?もしよければご一緒に?」
「もちろーん!」
即答。

「面白い面子を抱えてるな、お前達。」と魔女の一言。
「うぇ?いや、そんな。こう、なんていうか!」
ミーランはうろたえるが。
「大事にしろ。」魔女はそう言ってワインを一口。
「はい。」教訓に・・・・

「それで?お前は?」魔女は興味深々に。
「あ、はい。紹介が遅れましたね。ボクはナルヴィ。ナルヴィ・グローリャ。絵描きが趣味なんですよ。」
「ほう。あたしは、レティシア・ノース・ヴィルトカッツェ。隣のオマケはスゥだ。」
「ちょっと!その紹介はおかしい!」
スウェシーナは問題提起する。が、取り合わない魔女。
「って、あなた。」鬼哭隊隊長。
「はい。槍術士ギルドに名を連ねている者です。隊長、無礼がありまして、申し訳ありません。」
頭をたれる女性に。
「まあ、いいわよ。無礼講だし。それに。」横を見て。
「こんなのが居ればしょうがないし。」と、ふぅとアキラメの溜め息。

「あ、そういえば。こういうのが。」
とりだしたのは画材。
赤毛のエレゼンはスケッチした絵を。
「ふーむ。」一人を除き、皆で。

「何かご注文はございませんか?」とミコッテの少女に「エール」と注文して。

「どうでしょう?」
描いてあるのは。

このテーブルに座っている少女。いや、いまは女性、か。
ただ。
デッサンというか、ちゃんと色彩はつけていない。
それでもその「絵の中の少女」は活き活きとしていて、彼女の腕前が相当なのだ、と思わせる。
そして、「絵」のモデルとなった女性は「やめてえええ!」と叫び、かえって注意を引く。
ミーランは自分がスケッチのモデル、しかも全裸。いわゆる裸婦像、なのだが。
少しの布以外、丸見え。とてもではないが男性には見せれない。
「この続きが描きたい。」
などと言われれば、見たい気もするが、見られるのはちょっと勘弁、か。
「いいんじゃねえ?オトコできる。」
小柄なハイランダーの少女は軽く。
「ユーニさん!?」と抗議。
「ミー、まあ、ええやんか。描くのが男やないんやさけ。」
相棒のヒューランの女性。こちらのデッサンは革鎧を着こなした戦士の絵。
それがまた、様になっている。
「エリはいいわよっ!綺麗だもん!わたしなんて、素っ裸なのよっ!」
「そりゃ逆。素肌が綺麗だから裸婦なんだよ。」と相棒は少しの羨望を。
「うちらなんて・・」とユーリがしょんぼり。
「ま、気にすんな、ユーリ。うちよりはお前、スタイルええからな。」姉、ユーニ。
そこに。
「まあいいんじゃない?まずはこの絵で一杯。」ワインを掲げる魔女。
「そうですね。」と。皆が。
「乾杯!」
杯を鳴らす。



「この年頃が一番かわいいわね。」魔女が囁き
「レティが一番危険人物だったころかしら・・・。」隊長。

<<前の話 目次 次の話>>

マユリさんの元ページ