496書き物。とある一角にて。

「ねー、このパイ追加ー。」
「はあい、少しお待ちくださいねー!」
元気な声で返したのは、エレゼンの少女。薄い色の金髪を揺らし、あちこちのオーダーを取りに行っている。
反対にオーダーをした少女?
ララフェルの女性二人はテーブルにパイやケーキを展覧会のように敷き詰めつつ、香茶に舌鼓をうっている。

グリダニアのカフェ、カーライン。
冒険者が集い、任務を探しに、はたまた任務を終え。
その身を休め、また羽ばたくためのカフェ。

その一角、での・・・
「まなん。どう考えても多くない?」
「えらっちは、私達の胃袋の容量がわかっていない。」
「え?」
「このくらい食べないと、ダメなんだよ。」
「まなん。アタマおかしい。」
「ふふふ。頭を使えば甘みが必須。コレは最新の教授会で認証された事実だよ。えらっち。」
「まなんは教授会出れるけどサー。あたし出れないし。」
「もうちょっと、じゃない。」
「そうかもだけどー。今日はそうじゃないー。」
「帝国、ね。」
「うん。」
「まなんはどうするの?」
「もちろんぶっ放しに行く。」

「お待たせしましたー。」と元気な少女の声と共にパイが置いていかれる。

「スゲー。」
と、パイではなく、同席しているララフェルに向けた言葉。
「ふふ。pt戦じゃなく、これほど遠慮もナシに好き放題魔法撃てるなんて、滅多にないことよ。行かないと損。」言い切った。
「その行動力と、ブチキレにちょっと感激。あたしも行こうかなあー。」
「そのためにもよ。まずは甘いものが必須。でしょ?」
「いや。今から摂取してたらかなりマズイ状況じゃなーい?」
「えらっち、準備たりなすぎ。」
「まなんがオカシすぎ。まあ食べるけど。」
「じゃ、文句の出所がわかんない。」
「いくらなんでも早すぎー。」
「そうかなあ?」
「そう。」
「でも食べるんだ?」
「もちろん。」

「追加いる?」
「まなん?さすがにそれはムリ。」

<<前の話 目次 次の話>>

マユリさんの元ページ