420書き物。少女の剣

いつものたまり場、カーラインカフェ。
このグリダニアで、冒険者がたまり場にする率ナンバーワンのカフェにて、男女の会話。
「ねえ。マリー達、大丈夫かな?」ブルーグレイの髪を肩のあたりで切りそろえた少女。
近頃はすっかり女らしさが出てきている。
「ん?アイツなあ。スジはいいんだけどな。やらかすときはかなりヘボだからな。」
クセっ気のある短めの金髪の少年・・もう少しで青年といえるか。
やや皮肉っぽい表情だが、なぜかそれが似合うという稀有な存在。

そして、その話題の主、マリーだが、この少年の双子の妹で、
今現在、新たに入ったLSで狩りに行っているはずだ。
「そっかあ。ウルラは憎たらしいほど冷静なのにねー。」
「マユの突撃精神には感服するしかないけどね。」
うふふふふふ 二人はにこやかににらみ合う。
そして、あははは!と笑いあい、マリーの健闘を祈る。




くしゅん。
「マリー、大丈夫かにゃ?」長めの銀髪を後ろに流したミコッテの白魔道士
「うん。大丈夫。」ふわふわした金髪を真っ赤なカチューシャで留めた少女剣士
「ここらは少し寒いからね。風邪には気をつけないと。」短めの黒髪を少し蒼く染めた青年。Ptリーダーでもある。
「オレは風邪なんてひいたことが無いぜ。」赤い髪のルガディンの青年。腰にはナックルがぶら下がっている。
「誰かが噂してたのかも・・・。」
噂をされると、くしゃみが出る、という言い伝えがあるが・・そんなオカルトを間に受ける、というか。
そんなのは皆、洒落で言っているはずだが。なんとなく、今のは本当に噂されていたような気がする。
「まあ、風邪じゃなければそれはそれでいいじゃないか。それに、噂といえば兄君じゃないのかい?」リーダーの槍使いシュナーベル。
「ですよねー。」
「マリーのお兄ちゃん、なかなかカッコよかったにゃ。ベルの方がカッコいいけどにゃ。」
「ルー・・・。」ルガディンの青年はあきれ返っている。
このミコッテの白魔道士はリーダーのベルに一目惚れして以来、この手のアプローチを繰り返しているが、
朴念仁を絵に書いて動き出したかの様な青年は、気がついているのかいないのか。ほとんど取り合わない。
「じゃあ、行こうか。」
「おう。」「はい。」「にゃ。」
黒衣森の西。キャンプ・エメラルドモスから、ひそひそ木立まで。そしてクルザスに。

森の切れ間から、高原のいかにもな草原が広がる。
「わあ。」金髪の少女、マリーは少しばかりの驚きと、初めて見る光景に感動している。
「マリーは初めてだったかな?」ベルの問いかけも耳に届いているかわからない。
「ココはあたしは3回目にゃ。」ルーもわくわくした目をしている。
「オレとベルはそこそこ来てるけどな。」がはは。
「よし、まずは移動だけど、注意点はオオカミが居ること。それ以外は基本的にこっちから手を出さない限り、襲ってこない。
あとは、山賊のアジトがあるみたいだから、それも注意かな。」
「了解!」みなの声がハモる。
「じゃあ、出発!」

しばらく進むと。
「きゃあああ!!!」とマリーとルー。

「ああ、またか・・・。」ベルが目頭を押さえる。
白くてもこもこした動物。シープの群れを見つけて突撃する女性陣。
超イヤがるシープを抱きしめ、そのもこもこした毛に顔を埋めるマリーとルー。
「よくコレで襲い掛かってこないよな?」
「だよな。グリュック、お前も中に入ってくれば?」
「おいおい。さすがにオレがやるとNMが飛んで来そうだぜ?」
「ならなおさらだな。」笑うベル。

パンパン。手を鳴らす。
「はっ!」
マリーとルーが我に帰る。
「そろそろ、その辺にしておかないと日が暮れてしまうよ。」
「あ。ごめんなさい・・。つい・・。」
「あう、ごめんにゃ。」
「じゃあ、行こう。」
牧歌的な草原を涼しい風が吹く。

「よし。ここらあたりかな。」岩山のふもと。木々が少しばかりと、腰ほどまでの茂みがある。
陽はすでに中天からかげり気味。ここで休憩という事で遅めの昼食を取る。
「君らが羊と戯れてなかったら、もう少し早くご飯にできたんだぞ?」とグリュック。
「まあまあ。トラブルもなく来れたんだ。いいじゃないか。」ベル。
しゅん、としている女性陣。
「じゃあ、食事をしながら聞いてくれ。今回の的はアプカル。
少々厄介な技も使ってくるけど、十分対応できると思う。いつも通り、グリュックが引き寄せて、マリーが受ける。
この戦術で。もし、敵が複数絡んできたら、俺とグリュックで抑えにかかる。ルーはマリーのサポートよろしく。以上。」
「はあい。」「おう。」「にゃ。」
食事を終え、いざ。

「うわ・・なにコレ。」マリーはげんなりとした表情でベルを見る。
「アプカル、だよ。」
ミドリ色のけったいな、なんとも言えない鳥モドキ。
「ははは、コレは最初見たら誰でもこう言うな。「コレなに?」ってな。」
「食べれるかにゃ?」
「食べれるの?」
「さあ?食べてみたら?」
「遠慮します。」
「よし、じゃあスタート!」

グリュックが戦輪で一羽?を攻撃。
グワッ!突然の痛みにこちらに目を向けるアプカル。
羽根らしきものをバタつかせ、猛進してくる。ソレを盾を打ち鳴らし、注意をこちらに向ける。
クエッ!嘴で猛然と突きかかってくるが、盾で受け流す。
(よし、いける。)
受けの後、剣を振り下ろし、確実にダメージを与える。このスキにグリュックがアプカルの後ろに位置を取る。
さらに剣戟。横に凪いだ剣がアプカルの羽毛を散らす。
もうしばらくは自分の方に向いているだろう。
そこに横手からの槍。クワアア!
しかし、そっちよりも自分の方が憎いらしく、向きは変らない。
「ナイスセーヴィング!」
ウインク一つで返事を返すと、さらに挑発する。
クエクエッ!
そこに後ろに周っていたグリュックがトドメと言わんばかりに大技を繰り出す。
グワッ・・・。

まずは一匹。
「いいね。この調子。」
続いて、2匹、3匹と狩りは続く。

そして、夕闇も迫る頃、いったん休憩に。
「なかなかいいペースだね。」
「おう。」
「初めての敵だったから、緊張しちゃった。」
「マリー、盾役上手だったにゃ。あたし、出番がなかったにゃ。」
「ルーの出番が多すぎるのは、かなりヤバイんだけどな。」
ははは と笑いが起こる。
「さて。今日は野営して、明日の夕暮れには帰ろうか。それでいいかな?」
「おう。」「はい。」「にゃ。」
「じゃあ、もう一仕事やってから野営の準備をしようか。」
「はい!」

しばらく狩りを続けて、夜の帳が下りる頃、野営の準備に取り掛かる。
各自、毛布を取り出し、見張りの順番を決める。
最初の見張りはルー。後でゆっくり寝かせてあげたいとのことで。魔力の回復も必要だし。次いで私。そしてグリュック、ベルの順番。
見張りをルーから引継ぎ、少しばかりぼぅっとした意識の中。
満天の星空を見上げる。
「綺麗・・・。」
が。

ゾワ。
背すじに、嫌な緊張が走る。周りを見る。暗闇に溶け込むような影があるような気がする。
星明りでうっすらと周りが見えるが、何が悪寒を招いたのか、その正体はわからない。
だが・・。これは。剣士としてのカンが危険だと判断させる。
「みんな、起きて!」
「どうした!」
「なんか変。危険な感じ。」

ヴルルル・・・。

黒い影が視界に入る。オオカミ。
「ち。寝かせてくれよ。オオカミちゃん。」グリュックの意見には賛同しきりだ。
「にゅう。」ルーもせっかく寝れるのにと憤懣やるかた無しだ。
「1,2、・・4匹か。ルー、頼む。」
「あいにゃあ。」
「せいれいさんせいれいさん、ちょっと寄り道してくださいにゃあ。」
その精霊への呼びかけに、一瞬小石が寄り集まって壁になったイメージが。
次いで、「せいれいさん、守ってくださいにゃ。」
蒼い防壁が皆を包む。

「よっし。いくわよ。」
盾を構え、まず一匹めに挑発する。「かかっておいで!」まあ、言葉は通じないだろうケド。
ただ、寝るときまで金属鎧は着れないので、厚手のチュニックという、少しばかり防護が頼りない。となれば、盾に頼らなければ。緊張する。
二人の男性陣はもともと革鎧なので、そのままだが。
「セイッ!」剣を振り下ろし、オオカミに打撃を与える。
そして、センチネル。皆の防御を底上げする剣術の技。

しばらくして、オオカミ達を撃退、というか退治して。
「さすがにココで寝るのはイヤだな。」オオカミの死体と一緒に寝るのは、さすがにゴメンだ。
少し移動して、もう一度休息。
「マリー、ありがとう。よく気づいてくれた。」
「いえいえ、見張りだし。」
「じゃあ、次はオレが見張りをするから、ルーとマリーはゆっくり寝てくれ。」
「うん、じゃあお願い。」「にゃ。」


まどろみに落ちていく・・。


----------コメント----------

今回はマリーが主役じゃな~w
久々で気合いが入りすぎたんじゃろか~?w
いきなりの長文じゃったが読み応えたっぷりじゃったよ~w
Syakunage Ise (Hyperion) 2012年11月30日 14:53

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小説総初期の話思い出す戦闘描写だったね~
Eraru Control (Hyperion) 2012年11月30日 15:04

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>王様、ひゃっほいw
うにゅwたまりに溜めてましたw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年12月01日 03:29

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>えらっち、おひさ?w
もうちょい細かい戦闘描写がしたひw
初期は確かに戦闘描写多かったかもw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年12月01日 04:09

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3次創作その1
ルー「ちょっと間が空いたし、お花摘んでくるにゃー」
ベル「魔物が出たら危ないからついていくよ~」
ルー「ついてくるにゃ!!」

3次創作その2
ルー「ちょっと間が空いたからお花摘んでくるにゃー」
ベル「僕も手伝ってくるよ」
・・・5分後
マリー「2人とも遅いから心配だし見てくるね」
・・・
マリー「2人ともそんな所で何いちゃついてんの!!」
2人「!!!!」
Sanshi Katsula (Hyperion) 2012年12月02日 19:40

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全くこの文章(短編小説)とは関係ないですが、『ナインスゲート』という映画をテレビの再放送で観ました。映画館でも見たのですが。
やっぱり面白いというか、悪魔が絡んでくる映画は実に面白いです。『エクソシスト』とか、つい最近では『RITE』とか。もし暇があったらご覧ください。
全然、日記の内容と違っててすみませんでしたー。
Jouram Monde (Sargatanas) 2012年12月03日 02:49

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>三枝師匠w
もういっそ、うちの作品でパロ書いたらどーですかw
公認しますよwwwww
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年12月03日 03:02

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>ジョーラムさん、いらっさい。
ナインスゲート、ですか・・知らなかったにゃ・。
書き物の内容のコメントがあれば嬉しいですけどwそれ以外の情報も嬉しいので、またお願いしますw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年12月03日 03:04

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ちなみにナインスゲートという映画はちゃんと原作の本が存在します。
映画見るより良いかもですね。書き物の内容のコメントは…
後で読んでみます。
Jouram Monde (Sargatanas) 2012年12月03日 13:13

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まゆさんの書いた膨大な小説全部読みきるまでその資格はありません!!w
Sanshi Katsula (Hyperion) 2012年12月03日 23:09

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>ジョーラムさん、おっけーw
原作探してみます。あと、書き物はいろいろあるので・・今回はマリーが主役ですがね!ぜひどうぞ。
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年12月04日 00:10

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>三枝ししょーw
そこは崩しながらw
腕の見せ所ですw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年12月04日 00:25

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