407書き物。婚儀のあいだの一幕。番外。

深緑の森の街、グリダニア。

この街にはおおきなカフェがあるのだが。
カーラインカフェ。

仕事も済み、久しぶりに行ってみれば。

「すみません、本日は貸切りになってまして。」
薄い金色の髪のエレゼンの少女、たしか、カナルとか呼ばれていたか。
少女は綺麗なドレスに身を包み、頭を垂れる。

なんとなく理解した。
「そッカ。また来る。」

中からはバカ笑いや、なんやかんやが聞こえてくる。
確かにコレでは自分の居場所は無いだろう。

長い黒髪の少女はふいっと店から遠ざかる。
こうなれば。

パールを取り出し。
「ヲい、キーファー。ショコラどこダ?」
冴えない銀髪の青年に伝心を送る。

少し経ってから・・・。

「は?えーと、少し待ってくださいね。いきなりなんでビックリしました。アイツ・・。」

待つことしばし。

「いました。革ギルド、アトリエ・フェン・イルに居るみたいです。
なんだかバッグが欲しいらしく、物色してるみたいですね。呼びますか?」
「いやイイ。コッチから行く。」
黒髪をたなびかせ、人形のような美貌の少女は気配を消しながら店に向かう。


「ヲイ、ショコラ。」
褐色の肌のさらに茶色い髪のミコッテの少女が、バッグを物色している後ろから。
尻に蹴りを入れる。
「ひゃん!」
バッグに顔面を突っ込みながら、ミコッテの少女は何が起きたのか振り返る。
青い瞳がとらえたのは、「呪眼(オッドアイ)」ことフネラーレ。

「な、な、な、なにするんですかああああ!」と思わず叫ぶ。

「メシ食いに行こうぜ。」
いつもとは違う草色のチュニック、足元はサンダルという、オフまんまな彼女をついぞ見たことは最近ない。
普段は黒のチュニック、ブーツなのだが。

「へ?」

彼女の提案に?マークが満載だ。あ。この二日カフェが貸切だったな・・。

「ウマイとこ、教えろヨ。」
「ええええ。フネラーレさん、もう2年も居たら大体わかってるでしょー?」
「オマエの事だ、穴場、あるだろ。最近出したの、とカ。」
「えええ。ありますけど・・・。うう、あそこは隠しておきたかった・・・。」
「いいかラ案内しろヨ。」
黒髪の美少女は容赦が無い。
「はい・・・。」
茶色のミコッテの少女は、命の恩人でもあるこの少女の言いなりになりつつある。


ミコッテの少女が案内したのは小さな露店。
そして、売られていたのは、大き目の鉢になにやらスープと長いもの。

「ナニこれ。」
「らーめん、というらしいです。」
「ふうン。」

暖かい鉢と、食欲をそそる湯気。
見た目はなんだかショボイが、厚切りの煮込んだ肉と、香味野菜、あとなんだか。

「うー、香りはいいナ。」
近くにある席で、まずはスープをスプーンで一口。
「うマっ!」
そのままスープだけ飲み干しそうになり、慌てて具に取り掛かる。
「いいでしょー?」
ミコッテの少女は勝ち誇ったかのように自身も食べ始める。
「さすがだネ。どうやってこんなの見つけるノ?」
「それは秘密です。わっちの情報網は、常の研鑽から成り立っているんです。」
「ほう。」
ずるずると、麺をすすりながら。
「そういや、ショコラ。」
「はい?」
「なんかカフェが貸切なの、どうしテ?」
「ああ、二大巨頭のご子息、ご息女の婚儀の式で貸切だったみたいですね。
今もし中に入るとトンでもなく有名人のオンパレードだとおもいますよー。ずるずる」
「そっか。僕は ずるずる まあ、そういうのには確かに入れないナ。ずるずる」
「わっちもですね ずるずる 」
とか言いながら、実は大富豪の一人娘のショコラ。



「ぷはー。ウマかったヨ。ありがと、ショコラ。」
黒髪の少女は大絶賛。
「どうしたしましてー。お代だけど・・。」
「いいわヨ。払うワ。キーファーだとタカるけどネ。」
「ありがとうございますー、ごちそうさまでした。でも・・。」
「ナニ?」
「キーファーさんの、その、関係というか・・。」
「使いッパシリじゃなイ。それに、多分そういう事を聞いてくるとなるト、アノ話。聞いたネ?」
「はい。」
「アレはね、僕も痛恨事だったンだヨ。最初の仕事が仲間の家族の、それも嫁の殺害なんテ。
今までは敵、となル相手や船を相手に矢を撃ってきタ。でも・・。」
「はい、そうですよね・・。」
「散々悩んだ末に、矢を選んダ。そして、彼女が一番幸せそうな時間を選んで、幸せなまま逝けるように放っタ。後悔しないようニ。」

「そうですか。」聞いたことを、悔やむように唇を噛みしめるミコッテの少女。


「気にするナ。これは僕の仕事だ。できるものがやればイイ。
それにアイツ、泣きながら僕にお礼すら言ったんだ。どう返せばいいかワからなかったけド。」
「そうですか・・。わっちには・・。」


「クサイ時間になりそうだナ。飲みに行こう。どこかいいトコおしえろヨ。」
「それなら!」

ミコッテの少女は走り出す。


----------コメント----------

すみません。僕は小説買ってもほとんど読まない君なんです。
文才のある人はうらやましいなと思います。
基本は見るですね。
勉強するときは読むんですがね。ンや見てるのかなw
Jouram Monde (Sargatanas) 2012年11月09日 20:57

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フネラーレの方が年上?に見えてしまう・・w


オフレコでお願いします!
Jonathan Jones (Masamune) 2012年11月10日 00:58

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>ジョーラムさん、いらっしゃい♪
小説はあたしはかなり読んでますw
文才があるかどうかはともかく、楽しんでいただければw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年11月10日 05:32

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>ジョジョさん、やっほーw
フネラーレは19歳、ショコラは20歳ですw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年11月10日 05:33

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