404書き物。もう一つのパレード。

グリダニアのカフェ、カーライン。
この大きなカフェでは、先日一組のカップルがめでたく婚儀の式をあげた。

そして。

「ねえ、ウルラ?今日って、面子が昨日と同じなのはわかるけど、シャンとネルケが見えないんだけど。」
ブルーグレイの髪を肩までで切りそろえ、今は黄色いドレスに身を包み。
先日の花嫁だった少女、マユは。
隣にいる礼服の金髪の男性、ウルラに声をかける。
「さあてね?」と。
絶対、何か知ってる・・・・。
ジト目でにらみつける。
この夫はヘンにカンが鋭いうえに、常に裏をかいて来る。
結ばれておいてなんだが、今更ながらに母の「アイツは気をつけろ。」の言葉が蘇ってくる。
逆に言えば、これほど頼りになる男もいないわけで。
もういちど。
「本当?」と聞いてみる。
「おれにわかる事と言えば、二人がそろって居ない。それだけだよ。」
優しい笑みを返されると、もうなんとも反論ができない。
「むーー。」と渋面をつくると、オデコを指ではじかれた。
「いった!なにするのよ!」
「かわいい顔が台無しだ。そんな顔するなよ。」
と、言われましても。
今度は顔が真っ赤になっていく。
「まあ、テーブルにつこう。おれ達のは奥の階段付近だそうだ。」
「はあい。」
あたしは夫の後をしぶしぶとついていく。

そして、料理が運ばれてきて、飲み物がいきわたると
女主人ミューヌさんが声を高らかに。

「さて、お集まりの皆様。今日の宴は、先日婚儀を挙げられた二人、ウルラ氏とマユちゃんの二次会でもありますが!」
「が?」それだけじゃなく?
「こちらのお二人の婚儀の式でもあります!」
え?
居なかった二人が階段から降りて来る。
オレンジの髪をケープで覆い、ミニスカートみたいな純白のドレス。尻尾も同じくオレンジ色がものすごく映える。ミコッテの少女シャン。
そして、横には見慣れた茶色い髪の少年。
ネルケ。礼服が昨日と同じ、というあたりはさすがだと思う。

「ちょっ!」
思わず声が出る。そして、周りからはサプライズが成功したのと、お祝いと、両方の拍手。
隣を見れば、夫も拍手している。
やっぱり、知ってたな・・・。
あたし一人だけが驚かされたワケか・・。
「むー。」
くちびるを尖らせながらも、二人に祝福の拍手をする。
「では、かんぱーい!」と締めくくられる。

この後、当然のようにスピーチをやらされ・・。
「ええと。本日は晴天なり。・・・・いやその・・。ええと、おめでとう。二人とも。
で、その・。。でもいつのまに?っていうか、このムチャ振りスピーチ、聞いてませんよー!もう、以上ってことど、よろしく!」かんだ。

「なんだソレ、スピーチじゃねえぞー!」と母から野次が飛んだ。じゃあ、母さんやれよ。

ここでシャンが抱きついてきた。
「おめでとう。シャンちゃん。」
「マユちゃんもにゃ。」
二人で抱き合いながら、お互いを祝う。

あたしは、あらためてシャンちゃんを見ると、まあ、なんとも大胆なドレスで。
「マユちゃんみたいな失敗はしたくなかったにゃ。」
と、あたしの言わんとしている事を悟られた。
「う、あ、あれは・・。そう、ウルラが悪いのよ。ロングドレスにしろって言うから。」
「本当にそうかにゃあ?」
ぐ。
ドレス選びに悩みに悩みまくって、結局3着全部着ようとしたのは、確かにあたしです。
「まあ、いいにゃ。今日はいい日なのにゃ。楽しむにゃ。」
「うん、そうだね。」
さっきまで夫同士で語り合っていたのだが、気が付けばすぐ横に。
「ネルケ、なんで昨日と同じ礼服なの?」
「う、マユちゃん。ソコをつくとは・・。まあ、いろいろと・・。」
「時間が無かったんだよね?ネルケ君。」こっちはしっかりと違うスーツを着ている。
「あたいのネルケにケチつけないでくれるにゃ?マユちゃん。」
クチでは怒っているが、ものすごい笑顔でネルケの腕にしがみつく。
「うちのウルラも相当なツワモノですぞ?」と夫の腕にしがみつく。
二人揃って笑う。

今日はとんでもなくいい日になりそうだ。


----------コメント----------

結婚式の友人スピーチでカム奴はよくいるんじゃが
ワシの友達は友達でもある新郎の名前をカンでいたんじゃよ~w
カンだら「そんなやつはここにはいねーぞ!」って野次が飛んでたんじゃよ~w
Syakunage Ise (Hyperion) 2012年11月06日 15:29

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>王様、それw
オモロすぎw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年11月07日 01:40

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