砂漠と荒涼とした風。
ウルダハはそんな只中にある都市。
しかし。
人々の活気だけは、他の都市を上回る。
商業と冒険の一大都市。
その露店があるルビーロードでは。
「下着屋」を名乗る店があり、その前で一組の男女が。
「うーん、やっぱりリテイナーだネ。」
腰まで届く長い黒髪は、さらりと風に揺れている。
時折前髪が風になぶられ、一房の銀髪と。
金色の瞳が現われる。
斜めに切り取られた不自然な前髪は、この眼をかくすように元に戻っては、また巻き上げられる。
「・・・・。」
対して無言の男性。
褐色の肌のエレゼンは、少女より頭二つ分高い。
肌よりも若干色の薄いブラウンのシャツを着ているが、体格もあってよく目立つ。
傍らの白いドレスがよく似合う少女の恋人の男性は、じつは海賊である。
その彼氏を振り返りながら、
リテイナー街に行こうと手を繋いでくる少女。
「むう・・。」
（大体・・。なんでこんな事に・・。）エレゼンの男性はなすがままに小柄な少女に連れて行かれる。
石でできたアーケードのなか、数多くのリテイナー（代理出品者）達が居る。
彼らの仕事は、冒険者になり替わって品物を売りさばくことだ。
そして、カテゴリによって、いろいろと通りがある。
ここはミドルファッション街。主に衣服や、甲冑以外の防具などがメインの通り。
あらかじめ「リスト」で目当ての物を見つけてから買い物するのが常なのだが、あえてぶらぶらしながら。
「ね？カール？」少女は無邪気な笑みで男性に話しかける。
「ん？」
「こンなの、どうかナ？」
リテイナーから借り受けたのは、深紅の下着。上下セットでそれなりの値段がするが。
ニコニコと見せ付ける。
「・・・・・。いいんじゃないか？」
「そう？もう少し違うの探してみよう。」
（これは一体、どういう状況なんだ・・。）周りには当然リテイナー達が居るし、もちろん売り子の目の前で、下着選びをする。
周囲の視線が痛い。
もう、「いいんじゃないか」としか言えないし、そうして早くこの苦行を終わらせる為には、そう言って買ってやるしかない。
（ふふ。困ってる、困ってる。）
黒髪の少女リッラは、内心ほくそえみながら。リストを見ずに買いに来た理由はコレである。
すなわち、早く終わらせない。
リストを見てしまえば、ほんのわずかで買い物が終わってしまう。
それではダメなのだ。この悪戯のためには。
「コッチの人も売ってるンだって！」
ミコッテの女性の所に手を引っ張りながら連れて行く。
今度は・・。
どう見ても布の量が足りないような。
「ふーン。タンガって言うンだって。いいかも。」
少女はソレを手に取り、またしても見せびらかす。
緑色のソレは、少女の腰用の下着としてはいささか過激だ。
ミコッテは「いかがですか？」とにっこり。
「う・・。」声がでない。
「どうしたのサ？」と横が紐になっている三角形をした下着をほれほれ、とちらつかせる。
「・・・。イインジャナイカ？」
「色がちょっとネー。他のはある？」
「いえ、そちらだけです。」
「あ、そ。もうちょっと他も見てくるネ。」
「ありがとうございました。」
「まだ見るのか？」
「そりゃあネ。僕だけ気に入ってもダメだし。」
「・・・・。」
少女は表情を見られないように（ニヤニヤしているため）、長い黒髪を翻しながら、次のリテイナーを捜しに行く。
「お。コレ、いいんじゃなイ？」
今度は同じくタンガだが、胸用もワンセット。色は濃いグレー。
腰にはひらひらとした布がつけてあり、こちらは取り外しも出来る。
夜着にも使えますよと、上着にも取り付けできるケープが。
「コレどうサ？」
「いいんじゃないか。」もはや反応だけで答える。
「いくら？」
買う気まんまんだが。
「えーーー！！！」
さすがにセットで数百万となるとあきらめるしかない。
結局、買ったのは赤いタンガと、そのおそろいのブラ。
「なあ、宿とってさっそく着たいンだけど。」
「宿を取るのには賛成だが。まだ夕方にもなってない。まずはメシだろう？」
買い物にかまけて、昼食を抜いてしかも歩きっぱなしだった。
昼下がり、二人は露店で小腹を満たす。
（よしよし。まずは成功かナ。）ニヤける。
「なァ。夜はやっぱりコレ着たほうがいいよナ？」
「ああ。楽しみにしている。」
（む。アピールがあればイイんだけど・・。）
宿を取り、適当に散策に戻る二人。
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デートデート(●´ω｀●)
Kuma Chacha (Hyperion) 2012年09月17日 11:56
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>クマさん、いらっしゃい♪
はいｗでーとですｗ
実は、昔の彼としたデートをモトに書いていますｗ
ランジェリーショップに連れ込んだ時の彼の表情と、態度がすごくわらえましたねーｗもちろん、色々と選ばせましたｗ
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年09月17日 12:01