261書き物。とある双子の日記XVII

エーテライトと呼ばれるそれは、青い光を宿し。

(そなたは我と契約を求めるか?)

キャンプ・ナインアイビー。
森林の先にあるキャンプの中でも、それなりに力が無ければたどり着けない。
「やったあ・・・。」
なんとかたどり着けた達成感で、その場で腰をつけてしまう。

ふわふわした金髪は、ここ2,3日ですっかりしおれてしまい、できれば湯浴みをしたいところだが。

「ああ。そこの君。冒険者かね?」
いきなりの声に。

「うぇええ?あ、その。」
「今から、周辺の魔物の駆除をする。よければ参加しないかね?」

甲冑に身を纏い、いかにもな警備(隊長だろうか?)員は、少し表情を緩ませ。
「ああ、そうか。ここに来たのは初めてか。それは失礼した。」
と、去っていく。

遠のいた警備隊員の声がさらに呼びかけをする声が耳につくが、自分はおそらく「部外者」なのだろう。
ちょっとばっかりへこんでみるが、実際はそうなのだから仕方ない。
そんなことより、へこまないように力をつけなければ。

「うん。」

ふわふわした金髪を支えるアイテム、カチューシャに手をやる。
「お兄ちゃん。」
真っ赤なカチューシャは、兄が買ってくれたものだ。
とりたてて、何かの魔力がこもっているわけでもない。しかし。
気持ちを落ち着かせてくれる。
母からもらったものは、大事にカバンにしまいこんである。

改めて、キャンプを見渡す。先ほどの警備員らしき人影はもういない。
そして、先ほどまで居たはずの冒険者達も。

目の前の青い石。

エーテライト、と呼ばれるこの石。
不思議なことに宙に浮き、周りにも青い石が浮かんでいる。
さらに不思議なことに、この石に近づくと、頭の中に「声」が届く。
キャンプ・ベントブランチで一度体験したが、やはり違和感は否めない。

深緑の街、グリダニアにも同じくエーテライトはある。
ついでに言えば、この「契約」らしきものも交わした。

が・・・・。

「うーん・・。やっぱり慣れないかも・・。」
人生の半分近くを、岩窟の中で過ごしてきた少女は、かざした手を引っ込める。
この「契約」さえすれば、頼まれた、というか、やらなければ、というか。
その「依頼」が終わるのだが。

「なにしてんだよ。こんなの。ちゃっちゃ!で終わらせちゃおうぜ。」
かざしたけれど、引っ込めた手をもう一度。青い石にかざし、というか、手を持たれ。

ヒューランの長い黒髪の、おそらく自分よりは年下の少女が。
「え?」
「いいから。どうせ、初心者なんだろ?よくもまあここまで来たね。僕が居なければそれこそ死んでいるね。」

契約を終える。

「あの?」
「あ?」

沈黙。


自身の。ふわふわした金髪は、少しくたびれているが。
向かいにいる少女の黒髪は、長いくせにそんなこともなく、つやつやしている。
さらに、その髪にはいろんな花飾りがつけられている。到底、走り回ることなどできないだろう。
だが、現にここに居るということは、つまりは。
「どうしたの?僕がどっかヘン?」
こういう格好でも、このキャンプまでどうともない、ということだ。
「ううん。その。言葉使いがね。少し・・その。」
「あー。やっぱりそーっかあ。皆言うんだよなあ。でもまあ、あれだ。そうそうあれ。コセイってやつだよ!」
それこそ黙って立っていれば、おそらくは誰も放ってはおかないだろう黒髪の少女は。

「ま。コイツがあれば、今のところ問題ない。」
背中から、というか、見えてはいたが。大きな弓。
あらためて取り出されると、目を見張る。どこから見ても業物だ。
「あ。そうだ忘れてた。僕の名前はフネラーレ。リムサから来たんだけどね、リムサってわかるよね?」

一方的な自己紹介。

「あ。その。私は、マルグリット・コリーナ。ええと、よろしくね。」
年下の少女?についお辞儀。

「ん。気にすんな。僕だってこれは本名じゃない。そんなものは親と一緒に捨ててきた。海賊稼業も楽じゃないってね。」

あっけらかんとした黒髪の少女に、声もない。

「ああ。そうだあんた・・ああ。マルグリット?だっけか。その訛り、名前、アラミゴか。大変だな。まあ、こちらも大変だけどなあ。」

「えっと?」
赤い、真っ赤なカチューシャに手をあてるが、答えはない。


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一人前になったらカチューシャ触る癖もなくなるんじゃろか~?w
Syakunage Ise (Hyperion) 2012年07月30日 19:17

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>しゃくなげたん、いらっさいww
そうね~wたぶんw彼女にとってのひとつの「逃げ道」だから、案外いつまでもなおらないかも。
そして、まさかの新キャラ登場!
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年07月30日 20:46

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