「ねえ、母さん。」
「ん?」
親子は幻術士ギルド碩老樹瞑想窟に向かう。
時間は遡り、二人が少年の行方を捜しだすまで。
「ウルラ君、どっち行ったと思う?」
「ん?気になる?」
「いや、そういうのじゃなくて。捜索でしょ?」
「そんなの、決まりきってるじゃないの。」
「あ、やっぱり?」
「そうね。」
二人は談笑しながら幻術士ギルドへ。
「そういえば母さん、アラミゴからって話は?」
「んー、今?家に帰ってからでもよくない?」
そうかもだけど・・・・・やはり、気になる。
「聞きたいって顔のまんまね。いいわよ。着くまでにできるところまで。」
「うん。」
「あの時のアラミゴは、まだ戦火と言うほどには見舞われて無くってね。
それでも国境あたりはやっぱりイザコザがあって、そこで親父がケガして帰ってきてからが大変だった。」
「おじいちゃん?」
「そうだね、お前からすれば爺さんだ。そして母がそのことで気を揉むようになって、いつ逃げ出すかずっと考えてた。
あたしはそんな親を見てこっそり準備してたんだけどね。
親父は退役軍人って扱いだったせいで暮らしはそれほど悪くはなかったんだけど、
逃げ出したくって仕方の無い母は、昔のツテを頼ることにしたんだ。」
「それがここの幻術士?」
「ああ、お師さんの妹。なんでも以前から知り合いだったらしいんだけど、どういった関係かはきいてなかったなあ。」
「で?」
「途中で亡くなられたよ。あたしを逃がすために。」
「・・・・。」
「10やそこらの小娘にできることと言えば、逃げるだけだったし・・。逃げないと意味の無い死になっちゃうからね。
とはいえ必死で逃げてたからソコまで考えてたかどうか。」
「直接グリダニアに行ってなかったの?」
「ああ、近くのキャンプにそれぞれバラバラに運ぶって方法でね。」
「どうして?」
「どこの国でも時代でも、難民てのはやっかいなもんでね。
勝手に流れ着いてくるだけでも問題なのに、
ましてや国家機関のひとつが難民受け入れの手助けを勝手にやったとなったら、それはいろいろと問題なんだよ。」
「ふうん・・。」
「ウルダハの路地裏とかのストリートチルドレン、いただろ?あの子たちのほとんどがアラミゴ難民だ。あとはコロセウムの剣闘士とかね。」
「なるほど・・・。」
「ま、そういうわけでウルダハじゃなく、グリダニアを頼ったってわけ。」
「ん・・・。 あ。そろそろギルド。」
「よーし。あの坊やが来なかったらどうしようかしらね。」
「そんときゃ、笑ってごまかすんじゃないの?」
「バレてたか。」ははは。
待つことしばし。
「ほら来た。」「ね。」
二人は広場の入り口に立つ少年の方に歩み寄る。
----------コメント----------
そういえばグリダニアにアラミゴの難民って少ないですね
やっぱりよそ者に厳しいのか
Miyavi Ozzy (Hyperion) 2012年06月26日 03:39
----------------------------
>みやびたん、いらっしゃい♪
そうねえ、むしろ居ないような気もするけど・・。
侵攻された国民って、やっぱりどうやっても不幸になるのよね・・。
現代ですら厳しいのに、このくらいの文明だとなおさらでしょうね・・。
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年06月26日 03:48
----------------------------
立地的には アラミゴに近いはずなんですけどね。
あまり 余所者が来ないという設定だったはず・・・なのに冒険者がいるというのも ちょっと不思議
Teo Dora (Excalibur) 2012年07月05日 12:32
----------------------------
>テオドラさん、おっひさー♪
森の選定、ですかね。あたしの解釈として、受け入れられない方がトレントさんに連れて行かれる、という・・。結果よそ者は少なく、かしら。冒険者さんの方々は、課題はクリアってことでw
うろついてるトレントさんは、誰でも容赦しませんがw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年07月06日 08:00