大きなステンドグラス、高い屋根。そしてカフェだというのに、
この熱気みたいなものは冒険者が多いからだろうか?併設と言うよりは、カウンターを分けているだけで、すぐ隣りを冒険者達が歩いている。
「すごいね、兄さん。」「ああ、マリー。」食事を終えて、少し休憩がてら回りを見回す金髪の兄妹。
「おれたちは、小さいがきのころに避難してきたから・・・。
あまりおぼえてないんだが、綺麗な聖堂があったとおもう。ここはカフェなのになんだか威厳があるな?・・マリー。」
「兄さん、なにいってんの?」
「だまれ。筋肉娘。」
妹の顔が引きつり、佩剣に手が伸びる。
「はいはい、ストップ。君たちはいつもこんななのかね?」とアルフレート。
(こわ・・・・。マリーに逆らったら斬られる・・)
(同感にゃぁ。)
「あら、大丈夫ですよ?兄さんにしかしませんから。」とにっこり。
(さらにコワい・・(にゃ。)
ふと、兄のウルラを見ると、複雑そうな顔でもごもごと「腕力で勝てないからな・・・。せめてもの攻撃だ・・・。」
「ソレはそれでどうかしらー」と笑いが起こる。
「さて、それでは行くとしようか。」入り口に向かうアルフレートだったが、急に足を止める。
「どうかしたんですか?」「い、いや。人違いのようだ。」
「アルフレート!?」一人の女性が抱きついてくる。「逢いたかった。」
「え、いや。人違い・・・。」「違わない。あたしは覚えてるから。」
「あの・・・・?」 マユ
「この展開?」 マリー
「まさかの修羅場かにゃ?」シャン
「どうした?これは?」ウルラ
それぞれの反応。
エレゼンの術士の体の横から髪が振り出たのが見えた。
そして・・・・「えーーー!!!!母さん!!!!!」グレイの髪、声おおよその背丈
間違いなさそうだ・・。
さらに「ええええええええええええええええええええっっっ!!!!」
残り3人。
「あ、そのこれはだな・・・。」うろたえるアルフレート。
「ん?」グレイの髪をまとめた女性は抱きついた腕を離し、顔を体の横から見せる。
間違いなく・・・「かあさん・・?」呆然としている娘に、あっけらかんと。
「幼馴染み。」「ああ。幻術士ギルドのね。まあ、細かい話は歩きながら話そう。
レティ、俺たちは少し用事がある。名残惜しいところだが、先に行かせてもらうよ。」
「む?どこに?」「いや、グリダニアの案内をするんだ。その後で鬼哭隊には行くから。そこで積もる話でも。」
「ついていく。」「なっ、何でだ?」「ヘンな話を吹き込まれないように。」「しないよ。」
「いいじゃない、アルフレートさん。あたし達もアルフレートさんの話、聞きたいし。」げんなりするアルフレート。
そこらじゅうの水車や、大樹、流れる川にアラミゴの二人はもう夢中だ。
「とまあ、そういうわけでカンパニーの依頼でアラミゴのコミュニティに行った際に留学したいとこの二人がね。」「そう。」
「で、お二人はどういう関係だったのにゃ?」「うんうん」
「同じ師に就いた兄妹弟子、といったところか。」「そうね・・・。」
「ふうん。で、どれ位一緒にいたの?」
「たったの1年半かそこらだよ。しかも俺は掛け持ちで教えてもらっていたから、
そういう意味では、本当の師事を受けたのはレティシアだけだろう。」
「住み込みだったしね。」
「でも、どうして?連絡をくれなかったの?」
「実は、師から君には絶対に逢うな、といわれてしまってね。冒険者になってから3年くらいかの頃か。
リムサで師にたまたま逢ってね。コトの経緯を聞いてなるほど、と納得してしまった。」
「へー・・・・。」聞いている二人は真剣に聞きすぎていたため、コメントがそれしかでてこない。
残る二人は・・・・「兄さん!あの水車!さっきのより大きい!」「見ればわかる。そんなことよりこの様式だ。自然と調和して・・・」平和だ。
「で、なんで冒険者になったの?アル。」かつての呼び名。
「今なら言えるが、才能が無かったのさ。
なので俺は、こんなところにいては腐ってしまう、なんぞと呪術士を目指してウルダハに。まあ、後はは大体わかるだろう?」
「そこでもダメだったか・・・。」「レティ?」「いや、こっちの方がしっくりきたよ」あはは。
う~ん、大人の会話だなあ・・・。二人はうんうんと頷きあっている。
「ところで、あの二人はどうした?マユ。」「へ?」今まで真剣に聞いていたのでうっかり失念していた。
そういえば、なにかとはしゃいでいたな・・。しまったー!
「いっそのこと鬼哭隊まで行って捜索しもらうかにゃ?」
「やめて。スゥに貸しなんてまっぴら。探そう。じゃあ、二手にわかれて。マユおいで。」「はあい」
「では、シャンちゃん。」「あいにゃあ!」
「そういえば母さん、幻術士ギルドに入る前は何してたの?」
「ん、アラミゴから脱出するところだった。」
「え!?え?えええええ?????母さん、アラミゴ生まれだったの?」
「そうよ。言ってなかったっけ?」あっけらかんとした答えがまたも。
「知らなかった・・・。どうりで・・、あの時・・他人の空似みたいなことが・・。」
「まあ、今度ゆっくり話すとしよう。」「うん。」