209書き物。カンパニー。作戦終了。

「報告にもどりました!」
細面、茶色の髪の少年は、カウンター越しにそう言った。

「うむ、パールで連絡は受けていたが。」
「はい!」少年は意気揚々だ。

「で。何故帝国兵がいない?」
この質問に。

「え?なんのことでしょうか?」と少年。
「縛っておけと言っただろう?」と、双蛇党の仕官。

いきなりのことに。
「ええええ!」と、取り乱す少年。
「まあいい。伏兵が居たのだろう。今回はお手柄だったな。」
「ありがとうございます。」
「ただな。少しややこしい案件としてだ。」
「はい?」
「例の書簡。アレはアラミゴのものだ。少し調べておく。追って連絡する。しばらく待機しておいてくれ。」
「分かりました。」
そう言ってシーロ中牙士に敬礼をし、部屋を退出する。


合流してくる少年に。
「どうだったにゃー?」とは、明るいオレンジ色の髪のミコッテ。最近、髪飾りを変えたらしい。
「どうにゃ?」髪飾りをアピールする。「あ、の。その、似合ってますよ。」「嬉しいニャ!」
満面の笑みを少年に向ける。
(なに、この空気。)ブルーグレイの髪をかき上げながら、ジュースに口をつける少女。

「気になるのか?」とエレゼンの男性、アルフレート。少女に尋ねる。
グリダニアのカフェ、カーライン。冒険者が集う店。
もうすぐ夜もふける時間、一般よりも冒険者が多い。
その中で4人は祝勝会をしていた。
「そんなこと!」少女は否定がちな態度。
「なるほどな。」と納得顔なエレゼンの男性。
「そういえば、アルフレートさんって、どうなんです?その、失礼ですけど。」
「妻はいる。あと娘もな。二人ともこんな世界に踏み込んで欲しくはないな。
君を見てその思いが増したよ。」長身のエレゼンは目を瞑る。

「あたしは!」  他の二人が目を向ける。
「マユちゃん?」「まゆちゃん?」

「お待たせしましたー!カララントパイでーっす。」と給仕のミコッテ。


パイを前に。
「まず、パイを食べてから!」
「あ、それ!あたいもほしいにゃ!」
「ホント、女の子ってこういうの好きですよね?」
「そうだな。うちの娘も目が無い。」
「そうなんですか。」
「もし、君があの娘を幸せにしたいのなら、もう少し考えて話をするといい。」
「え?」
「言葉の通りだよ。少年。」

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