ふうう。
いろんな意味で危なかった。
ウルダハから少し出たところ、北に行く街道の右側には、たまに凶悪な魔物が出る。
ペイスト。
ありていに言えば、でっかいトカゲだが、その強さたるやハンパではない。
街から出たとこの冒険者あたりが到底太刀打ちできるものでもなく、過去にはウルダハの門に居座って、かなりの犠牲をだしたとか。
最近でこそ手練の冒険者も増えてきて、安全はそれなりに確立されてはきたんだけど。
前に、あの影を一度だけ見たことがあったけど、さて、今だと勝てるだろうか?
当時は、名うて?の方が退治してくださったんだけど・・。
「で、なにしてるの?」
あたしは、目の前にしりもちをついている、茶色い毛の青年を見ていた。
「いや、それは。隊の都合で。」と少ししどろもどろな青年。
「で。マユ。父さんとしてはだな。」
バカ親父。
目の前に、でっかいトカゲのなれの果てが居て、その横で会話するモンでもないだろう。
「もういいから。ネルケもウルダハ来るんだったら、先に言ってくれれば。」
「で、えーと。こちらは、その、お父さん?」
「坊主。誰が おとうさん、だ?」
「あー、めんどくさい!さっさと帰れ!」
「マユ。相手は選ばないと!俺は認めないぞ!」
「ええと・・。そのマユちゃん?」
「お前らまとめてどっかいけっ!」
坊主頭の父と、茶髪の青年の二人を蹴りだして、ウルダハに戻る。
「ねー、ちゃんと来たでしょー?」
ウルダハの最大の酒場であり、冒険者ギルドであり、情報の集まる場所。
クイックサンド。
「まさか、お迎えに行くなんてねー。」とは、濃いピンクの髪のおさげ、モモディ。
「成り行き、よ。」
「ホントに?」
「父さんがウルダハに来るっていうから。迎えにいこうとしたら、母さんのパールから悲鳴が聞こえたから。まさかのアイツ。」
「騎士が逆転しちゃったわねー。」
「なにを!」
「まあまあ。でもマイスターとはひさしぶりだわー。おもしろい話が聞けそう。」
「そうなの?」意外。
「うん、昔ちょっとねー。」
へぇ。
「マユも、彼氏と楽しんできたらー?」
「必殺と書いて、必ず殺す。って知ってます?」
「またまたー。」
「マユちゃん、ごめ・・まじ・・む・・リ・・シ。。。ヌ」
「坊主。スウェシーナの子とはおもえんくらい軟弱だな!」
自身が坊主頭だが。貫禄はさすがで、一言も言い返せない。
「はぁ、すみません。」
「なっとらんっ!」大声ではないが、腹に響く声。
「あの、その。助けていただいてありがたいんですが。なんで?」
少しオドオドしながら聞いてみる。
「そりゃお前。頼まれたからだ。スウェシーナにな。」
「え、おかあさんが!」
「鍛えてやってくれ、とな。」
「あちゃあ・・。」
「ばかもん!」と、ビンタ一発。
吹っ飛ばされるネルケ。
「ばかもん!」と聞こえて・・、あーぁ・・と、いきなりやられちゃったか・・。
「マユ、あなたも経験あるのー?」
「ううん、あたしは、ゲンコツが頭に落ちてくるパターン。兄ちゃんがビンタで吹っ飛ばされてるのはよく見たけど。」
「バイオレンスな家族ねー。」
「一番バイオレンスなのは、母さんなんだけど・・・。」
「・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「聞きたくないかもー。」
「父さん、毎日吹っ飛ばされてるシー。」
「平和ねー。」
「そうですよね。」
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ついにマイスターに日の目がw
Eraru Control (Hyperion) 2012年01月08日 15:02
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父ちゃんすごい上り調子・・・・。
オチたときがすごいことになりそうだ・・・。
Bob Dalus (Hyperion) 2012年01月08日 21:49
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>えらるちゃん、いらっしゃい♪
マイスター、もともとは強いハズなんだけどねw
見た目もイカツイ(と描写してるけどw)オノ職人としてがんばってくれないとwママがエグすぎて、影薄いのは否めないw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年01月09日 01:33
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>ぼびー、ソレはいわないお約束w
上り調子というか、なんというかw
いちおう、今回の話的にはネルケが主役のつもりなんだけどw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年01月09日 01:34