なんだか、池の？上っぽい通路を歩きつつ。
そのまま進んでいくと、チョコボ厩舎が。
「ドコだろう？」さっき、大きな建物があったから、そこかなあ？
「すみませーん、カーラインカフェってどこですか？」
厩舎の人に声をかける。
「ドッチから来たんだい？お嬢さん？」
アッチ。南（たぶん）の方を指差す。
「ああ、それならちょっと戻った大きなトコだよ。」
あ、やっぱり。
「ありがとうございます！」ぺこり、と頭を下げて道を戻る。そろそろ宿も気にしないと暗くなってきてる。
「ここか・・。」
誰かが出た後なのか、ドアが開いていて中に入ったはいいけど、気づいてもらえない。
「すみませーん」
中は半分以上の席が埋まっていて、かなりの広さなのに盛況そうだ。
あ、夕食時か。
向かいにはカウンターが３つ並んでいて、それぞれ冒険の斡旋や、カフェやなんやあるみたい。その一番左に、女性のエレゼンが。
あの人かな？
そっちに向かって行き、エレゼンの主人と目があう。
固まる女主人。
「？」
「？？」
「あのー。リムサの酒場のマスターから、預かり物を。。。」
固まったままの女主人。
「あの・・・？」
「あ、ええ。ありがとう。」
なんだろう？なにかおかしかったかなあ?
（ブーーーーーーーーーーっっっ！！！！！、なにこの不意打ち！！！！！ダメよ、ダメダメ！！）
「ええと？」あたしは不安になって聞いてみる。
女主人は、仮面のような表情で聞いてくる。
「あなたは？僕はミューヌ、見ての通りカフェの主人だよ。」
ボーイッシュな銀髪の女性は、努めて無表情に見える。なにか気まずい。
「えーっと。マユ、といいます。」ぺこり、とお辞儀をする。
「そう。食事は摂ったの？」
「いえ、それが・・・もう、ぺこぺこ・・・なんです。。。」
「何か用意してあげるから、まってて。」
裏にキッチンがあるのだろう、そっちに向かっていく。
（あーーーーっはっはは！）て笑い声のようなものが・・・あたしなにかしたかしら？
キッチンにて。
「ちょっと、アレはだめでしょーｗまんまじゃない！違うのって髪形くらいじゃないの？当時のレティが髪短くしただけじゃない！」
シェフが「本当ですか？レティ嬢ちゃんの娘さんなんですよね？」
「他に誰がいるっての？もう、似すぎててマトモに顔あわすのがムズかしすぎるよ！」
パールを取り出して。
「ちょっと、レティさん！不意打ちにもほどがありますってばっ！」
「。。。えー？」
「いや、いまマユって子が来たんですけど、レティさんの子でしょっ？」
「あれ、今行ってるの？」
「さすが・・・親子ですね・・・。」
「ところで、今、「僕っこ」なんですって？」
「ぐああああああ！誰から聞いたんですか？もしかして、スゥさん？」
「爆笑してたわよ？」
「・・・・・・。冒険者相手に、ナメられないようにクールっぽくしてるんです。。。。（スゥさん来たら、ボッタくろう・・。）」
「ああ、あの子に遠慮しなくていいわよ。ついでにスゥんとこに案内してやって。たしかあっちもボンが同い年くらいでしょ？ケンカ相手に丁度いいかも。」
「レティさん、いきなりお見合いですか？わたし、まだ未婚なんですが？」
「従妹のウルスリもまだじゃない？」
「あの子は、オッサン趣味だからいいんです！」
シェフが「料理、できましたよ？」「あ、はいはい」
「では、また後で！」パールの連絡を切り、できあがったシチューをもってカウンターに。
「あの・・・。あたし、なにかマズいことしちゃいました？」
キッチンから、なにやらモメ事っぽい会話が少し聞こえていた。
（これは、あたしが原因かも・・？）なんて考えでオドオドしていると。
「大丈夫。気にしないで。それより、宿は？」
「いえ、ついたばっかりで・・。どこかありますか？」
「そうね、ココから少し北にいったところに、槍術士のギルド「鬼哭隊屯所」があるわ。そこの宿舎かしら。（うちも宿の施設はあるけど・・ｗ）それと、指示にもソコに行くようにってあるから。」
「ありがとうございます！」とりあえず、食事を終えて。
もう暗くなった道を教えてもらったとおりに行ってみる。なんだかジャバジャバと水の音がすごい。ウルダハあたりじゃまず聞けない。なんだか道の隅々に小さい石の明かり？があるおかげで落ちたりはしないだろうケド・・。
ばしゃばしゃばしゃ！と、ヨコあいからこれまたすごい音が。見るとなんかでっかい丸いものが回っている。（後で、あれは水車だと教えてもらった。）
星明りと、足元の石の灯、街の燈に照らされた水車はとても幻想的で、少し見とれてしまった。
いかんいかん。急がないと。なんだかオカタイ所らしいから、遅れたら何いわれるかわかったもんじゃない。
で。
「遅いっ！」
ひぃっ
「連絡を受けてから、いつまで待たせるつもりだっ！」
「すみませーん、あの・・」と、ドアを開けた瞬間、怒声が飛んできた。
仮面をつけた栗色の髪の女性がずかずかとやってくる。
（ぶはっ！！！！ミューめ、やってくれる！仮面がなかったら、これは確かにやばい！）
「で？」
「えーっと。そのう・・。ココで宿を用意してもらえって、カフェから伺ったんですが。」
「そんなものはない。」
「えー？」マヂですか？どうしたら？
「しかし。そうだな。実力を示してくれれば、宿舎の空きを貸してやらんでもない。」
「へ？」
「ここの道場で、実力のホドをみせてみろ。」
え？え？えええ？
「わたしが相手をしたのでは、それこそ可哀相だだからな。オイ、誰か相手をしてやれ。」
「ハイ！」一人のミコッテがやってくる「よろしくですニャ。」
うーわ、一日走った後にご飯食べてスグこの仕打ち。
吐いたらゴメンなさいで済むかなあ・・?
一礼して、道場に。
構える。
あ。
「あの。ちょっと待ってください。魔法ってアリですか？」
「実戦と同じに思え。」
「はい。」
無言でうなずくミコッテ。
まずは・・
思った瞬間、ミコッテがすでに唱えていたスカージが飛んでくる。いったああ！
ギシギシと引きつるような痛みに耐えて、まずは殴りにかかる。長い得物には間合いを詰めるのが鉄則だ。
寄らせまいとして、槍で牽制してくるがその時には今度はあたしの呪文が完成している。
「にゃっ！」水の球が顔を撃つ。ドラウン。さらにウォータ、ウォータIIを叩き込む。
幻術士の奥義（母さん仕込ｗ）、ファストキャストの賜物。あくまで、格闘は牽制。フェイクともいう。
ミコッテの少女は、たまらずケアルを唱えだす。
遅い。
すばやく近寄って、数発拳を連発で叩き込んで、ケアルの詠唱を止めてそのままくるりと一回転、裏拳をわき腹に。（同じ女性として、できるだけ顔は・・）
ふらり、としたところに、アゴに拳を入れる。コンカシブブロー。
手加減はしたものの、くたっ。と崩れてしまうミコッテ。
「はい、勝負あり。」
さっきの女性の声
「お見事。」
「ありがとうございます。」一礼して、先の対戦相手のミコッテに手を貸す。
「さすがニャー・・。」
「？知ってたの？あたしのこと？」
「天魔の魔女の娘だニャ?」
（うわー、なんかヘンな名前で売れちゃってるの?）
「マユ、あたしのことは覚えてない？」
栗色の髪の女性がやってくる。
「はい？」
仮面をはずす。
・・・・・・・どっかで見たことあるような?あ？
「すーおばさん？」
「道場で相手したろーか？」
いや、絶対ムリ。勝てるわけない。
仮面をはずして、おもわず舌をまく。
（しかし、血は争えないわねえ。戦い方がまったくソックリじゃないの。
接近とアウトレンジを上手に使い分けて、かつ破綻してない戦術の組み立てとか。こりゃ、魔女の再来かも。）
「とりあえず、宿は用意してあげるわ。」
そのとき。
「待った。僕が相手になる！」
一人の少年が声を上げる。
「「へ？」」
「いざ。参ります。」
ベコボコにされた少年。（男の子だし、顔には遠慮なく叩き込みました。）
「あの？」
「ああ、ウチの息子。たぶん、あなたと同い年。」
「うあ、ごめんなさい・・・やりすぎちゃいました？」
「いいのよ、あのくらい。精進するきっかけになるでしょ。そんなことより。」
「はい？」
「ミューんとこに行くから。あんたも来なさい！」
「へ？」
「あなたのお母さんと、ミューも知り合いなんだから。」
「ええええええ！！！？？？？」
「来る前にパールで連絡あったから。待ち構えてたんだ。」
なんてこったい！
「あはははは！！！、そう、やっぱり血はあらそえないんですね！」
「そーなのよ！ウチの息子をボッコボコにしちゃってねえ！」
「すみません・・・」
「気にスンナー！どーせ修行が足らないだけなんだから。」
「「「！！！！！」」」
三人そろって、声の方を向く。
「どっから出てきた！！！！！この魔女！」
「母さん？」
「レティさん！！！」
「あら、同窓会でしょ？」
ニヤリ、としてポニーテールを揺らす女性が居た。
----------コメント----------
コンカシブって確か頭部破壊・・・・。
遠慮してもこの仕打ちさすがです＾＾ｂｗ
Bob Dalus (Hyperion) 2011年10月29日 02:25
----------------------------
>ぼびー、いらっさいｗ
コンカ２だとさらに上から振り下ろすからツッコミにいいかもｗ
Mayuri Rossana (Hyperion) 2011年10月29日 02:37
----------------------------
三人の友情が偲ばれるドッキリでしたね。（笑）
戦闘シーン上手いなー！ちゃんと頭に映像が浮かんできました。
僕もファストキャストとろうかなとか思ってしまった！
Alto Springday (Sargatanas) 2011年10月29日 15:42
----------------------------
>アルトさん、いらっしゃい♪
そうですね、そのための過去編でしたｗ
伏線張りまくりなので、どうやって落しどころを作って行くかがキーですねｗ
戦闘シーンはもともと、ファンタジー系やなんやと小説をよく読んでいますし。テンポを重視しながら、余分な部分を削りながら、ですｗ
あと、ファストキャストは本当はそれほど体感できないかもですｗ
Mayuri Rossana (Hyperion) 2011年10月30日 00:32
----------------------------
格闘バカじゃなかったのか・・・・（どこを読んでたんだｗ）
Miyavi Ozzy (Hyperion) 2011年11月02日 03:22
----------------------------
>みやびたん、いらっしゃい♪
はい、親子そろって、格闘と魔法をコンボするのですｗ
魔女はともかく、マユは話の途中で幻術修行させてるんですけどねｗ
ただ、戦術の組み方が親子で似てる、って話ですｗグレードはさておきｗ
Mayuri Rossana (Hyperion) 2011年11月02日 04:27