バンダナにヒゲのマスター、バデロンは横にいるエレゼンの女性にさらっと尋ねた。
「どう思う?」
「なるようにしか、と。」
「相変わらず、お堅いな。ウルスリは。そんなんじゃ、ヨメの貰い手ができないぜ?」
「マスターがいますから。」
お、言うじゃないか・・・。ふとニヤけた目から、ちょっと本気っぽくなる。
「今夜、泊まって行くか?」
エレゼンの女性の目はとても真摯だ。
「マスター、ついに頭の中にムシでも飼いだしたか、キノコでも生えてるんですか?」
「お前、マスターとか言っておいて・・・。」
「はい。わたしは本気で頭の中身を案じております。マスター。」
もういいや。。。とりあえず、帰る前に酒につきあえ。とボヤいて、外に出て行ってしまった。
やれやれ、誰彼かまわず声をかけたりしなければ・・・、とこっそりため息をつくウルスリだった。
「おおおっ!」あたしはつい大声をあげてしまった。
辺り一面の草原。ウルダハじゃあ、まずお目にかかれない。しかも、橋を渡って丘を駆け上ったら、いきなりこの風景。
たしかに、遠目に緑があったのはわかったけど、実際に手で触れるのとは少し違う。
「わーおー・・・」
ザナラーンだと、緑といえばポツンポツンとある、カサカサの木か、ジメっとした崖下のコケくらいか。
気がついたら、そこらの草むらをごろごろしていた。んー、気持ちいいー!
「あ。」
いかんいかん、ついつい仕事を忘れて寝そうになったわ・・・w
と。
しばらく風景を楽しみながら鼻歌フンフフ~ン♪と歩いていくと、なんだかマルっこい白いのがトコトコと動いてる。あれはナニ?
近づいてみると「めぇ~」って鳴き声が。
ぐああああ!!!!なんだこの超かわいすぎる生き物はっ!!!
「くぁわいいいいぃぃーーーー!!!」おもわず抱きしめてしまう!
しばらく、抱きしめた後(全然、反抗しない)、本来の仕事を思い出す。
恐るべし。ラノシア。なんというコンボ。
結局、キャンプ・ビアデッドロックに着いたのは太陽が少し傾きだしたお昼過ぎだった・・。
昼前には着く、って言われたのに・・・・。
キャンプでお昼のパイを食べました・・・。