915セブンス。そして、二歩目。

「あーウケたウケた!あの社長も、ヒゲの旦那も、思ったより楽しいじゃない。これは・・そうね「依頼」以上に楽しまないとね。」
少女のような、娘から言わせれば小悪魔のような笑顔で。

「さてと。こちらも取り掛かるか。相手は誰でもいいが・・・強欲な奴か、多少なりとも女王陛下に忠誠を持つものか。」思索に耽る。

翌日、二日酔いのCEOと莫迦妹、それに妹の親友を宿に連れ込んで(ワークスのミコッテの女性にも手伝っていただいた)
まーったく。迷惑ばっかりだ。
アリティア物産名目で借りている宿なので、賃金自体は気にしなくてもいい。経費で落ちるから。
問題はこの後。
後は・・・
「女子専用」と銘打ってあるこの宿に、男連中まで連れこんで・・「ワークス」の連中に貸しを作った、とでも言うべきか。いや、これは十分な貸しだ。
女の園に野郎共を連れ込んだ大罪に対して、十分な貸し。
もちろん、部屋は別で、かつ、適当に投げ入れておいたのだが、目覚めてからが面倒だ。
大声で怒鳴り散らされでもすれば、破綻もいいとこ。
「まいったわね。」
セネリオが溜息を一つこぼして、幸せの精霊を一つ消滅させた後。
「せんちゃん、ゆうべ、どうなったー?」CEOの声。続いて「せねっちー?」など
寝台からふたり揃って下着姿のまま。
「いいから、顔を洗って、ちゃんと衣服をつけてください!水浴びはこの街では有料、しかも高額です!体もしっかり拭いてくださいね!」
「はあい。」「もちろん~」
4人部屋に3人とは贅沢だが、いや。もう一人いた・・
「やー!おっはよー!」
ドアが無遠慮に開く。女子専用宿だけあって、この辺の錠前はあってないが如く。
自然ではそうそうないような、紫の髪のミコッテの女性。

「あの、カレンさん、でしたよね?」
「うん。そうよ。そちらさんはセネッチさんでしたっけ?」
「セネリオ、です。」
「ああ、そっかそっか、ゴメンね。」
4人目の同部屋の相手、カレン・ルイ。
黒髪に紫なんて、派手な染色をした髪だが、人懐っこい性格らしく、初対面でもいきなり抱きついてきた。一応、抱きしめ返す。
妹の親友もそれでヒドイ目にあっている。
あの・・・

「うちの親方に話するんでしょー?さっき起こしてきたから。」
「あのカオスに行ったのか・・」
「起きなかったらチューするゾ!って、耳元で言ったら、喚きながら水飲み場まで走っていったよ♪」
(ある意味、スゴイな・・)
「まあ、話はある程度進んでいる。あとは詰だけだな。ただし、その詰が厄介でね。先日の・・」
「ああ!あの女の子ね!あんな子使うなんて、犯罪だとおもうよ?」
「彼女は・・」
「天魔の魔女、でしょ?犯罪、反則、混沌もいいとこ。犯罪じゃないなら、どうなの?」
「Dead or Liveよ。あなたならわかるでしょ?」
「素敵。滾っちゃうわぁ。是非、仲間に入れてね!」


「あ、ちょっといい?」
グレイの髪を後ろに束ねた少女のような小柄な・・
「なんだ?お前!」不滅隊の隊員が少女の前に立ちふさがる。
「いや。いい。」「え?」隊員を退け、階級で言えば「大尉」クラスの隊員が。
「あ。ゴメンね。ラウバーン局長に話を通してもらいたいのだけど・・・直接会っちゃダメかしら?」
「いえ、レティシア様。お話は通しておきます。しかしながら、少しだけのお時間を・・お許しください。」
「だーいじょうぶ。問題ないわ。ナモモ様もできればお会いしたいのだけど・・いいかな?」
「・・・お気遣い、感謝いたします。しかしながら、女王陛下に謁見は、自分では判断がつきません。局長との会話にて、お願いたします。」
「そか。ムリ頼んじゃってごめん。」
「いえ!ご尊顔、お声を賜ることができて、恐悦です。」
「うーん、そこまで見世物になってるのかー、しばらくおとなしくしとかないとねー。」
「いえ、とんでもございません」「そか。」蒼い光に揺れながら、宙に浮き・・消えた。

「あの?さっきの小娘?」部下の声
「彼女が「天魔の魔女」だ。本気で怒らせたら、街一つ吹っ飛ばすくらいのチカラがあるんだぞ!」
「え!?」


「まーったく。ウワサに尾ひれが付くにも大概だって、ゆーか、背びれに、胸びれ、イロイロ付けて、あたしは伝説の「ヌシ」かよ!てんだっ!」
グレイの髪を揺らしながら。

そして「伝説のヌシ」は不滅隊隊長のもとに。

「おお。久しぶりだな、レティ殿。大戦からの武勇、聞き及んでいますぞ。何か相談がお在りか?」
「ああ。ラウバーン局長。僭越ながら、女王陛下に拝謁を申し上げたい。」
「・・・・・」
「無理な相談だったのは謝罪する。では、これにて。」魔女は膝まづいた姿勢から、振り向きもせず立ち去ろうと。
「い、いや、待ってくれ!」ハイランダーの偉丈夫
「わらわからも、お願い申し上げる。お待ちいただこうかの?」薄い桃色の髪のララフェル。
「陛下!」

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