862セブンス。青年と女性が・・・了

(ふぅ・・まさか、お母さん達も来てるなんて・・)
エレゼンの女性、ミーランはこっそりため息と、ばくばくする心臓の両方でやや疲れ気味。
「ミー?」
傍らに立つミコッテの青年、リガルドが心配そうに尋ねてくる。
「え?あ。うん。大丈夫。」
「そうかい?少し顔色が悪い。どこかでゆっくりしよう。」
散歩の途中ではあったが、其の辺にベンチの一つくらいはあるだろう。
(顔に出ちゃってたか・・)ミーランは自分でも少し情けなく・・・
(ちょっとムリさせすぎたかな?)リガルドは少しの反省を。

適当なベンチを見つけ、二人で腰掛ける。
「ミー、無理してない?」声をかけてみる。
「うん。ありがとう、リガルドさん。大丈夫。」にっこり。
「そっか。少しゆっくりしたら、宿まで送るよ。ミズンマストでよかったのかな?」
「うん。」
「でも、さっきはビックリしたね。まさかご母堂にお会いできるとは。」
「ああ・・そうね。母さん、グリダニアから滅多に出ないから。しかもこのタイミング。出来すぎよ。」苦笑い。
「そうなんだ。でも俺としてはご挨拶もできたし、良かったよ。」微笑むと
ミーランはまともにその微笑を見てしまい、顔が火照りだすのがわかってしまう。
「あ、あっわわ・・」
「ん?どうかした?」
「あ、ああ、んーん、でも。あ、いや、なんで・・いやちが・・なんでもあります・・じゃない・・ないです。」
「ぷっ。あははははは。おもしろいな、ミーは。でもそこが可愛いよ。」
ボムッ!
今度こそ完全に破裂した。

魔物ボムさながらに、てっぺんから湯気が吹き出して、さらにどんどん加熱、止めに自爆とくれば、まさにボムだ。
今のミーランは、かの魔物はこうやって爆発をするのだと。なんとなくわかった。
隣で湯気を吹いている恋人をしげしげと見ながらミコッテの青年は(やっぱ、可愛いな)なんて。
しかし、いつまでもこの至福の時間を過ごすわけにも行くまい。
「じゃあ、そろそろ宿まで送るよ。立てるかい?」
先に立ち上がると手を。
「う・・うん。」出された手を取る。
ぐいっと引っ張られ、勢いで彼の胸に飛び込む形に。
「あっ!」
「おっと。大丈夫?」背に片手が回される。もう完全に夢見心地に・・・
抱き返し、「うん・・・」
「じゃあ、行こうか。」
「や。もうちょっと・・・」
「ああ。ただ・・人目があるからさ・・・」
「!」そうだった!街中なのだ。ここは。
「よし、行こう。」「・・・・・・」

酒場「溺れた海豚亭」から宿へ。
「いよう!坊主。お泊りか?」ヒゲのマスターがからかいに。
「いえ、送りに来ただけですよ。」
「根性見せろや。」
「それは、別の機会でお見せしますので。」
「つまんねーなあ。」「マスターは肝心な時に役立たずなので人の事を言う前に、まずご自身から。かと。」「ウルスリ・・・」
「特に寝台では役立たずもいいところですし。」「待て!なんつーことを!」「知り合いの錬金術師にお願いしてみます。」「だから、待て!」

「相変わらず、だな。」
「バデロンさんとウルスリさんって、そういう仲だったんだ?」
「公然の秘密ってやつかな。」
「ふうん。」
「じゃあ、この辺で。」
「あ。・・・・・うん。今日はありがと。」
「どういたしまして。今度またゆっくりと食事でも。それじゃ。」ミーランの頭を引き寄せると、おでこに軽いくちづけを。
「また、今度。」
青年が去っていく。

ぼ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「お。ミー。早いやんけ?」黒髪の女性。
「。。。。。。」
「どないしたんや?」
「・・・・・・」
「ミー?おい、ミー?」
「゜゜゜゜゜゜」
「ミー?」

ぶふっ!

鼻血を吹いて、直立不動の体制のまま後ろ向けにぶっ倒れる「剣聖」
「ちょっ!」
慌てて抱きとめるが、相棒は目の焦点が定まらずに、夢見心地なまま・・・・
「あちゃあ。あの兄ちゃん、ちょっと効きすぎやなあ・・・」
とりあえず、部屋まで引きずっていくしか・・・
「手伝いましょう。」とウルスリが。
「あ、おおきに。」
(ほんまに、世話のかかるやっちゃで・・・)

部屋に着き、ウルスリに礼を述べ、相棒の服を脱がし、寝台に寝かしつける。顔の鼻血はあえて拭かずに後で笑いのタネにとっておこうと。
「あー、うちもそろそろ相手探そうっかな。」
エレディタは晩ご飯をどうしようかと考えながら。

<<前の話 目次 次の話>>

マユリさんの元ページ