511書き物。二人の関係。

飛空挺。
大空を翔る船は、時間という概念を覆すべく。
本当なら数日はかかるであろう日程を一日にしてしまう。
移動手段としては、チョコボという騎乗用の大型の鳥類がいるのだが、やはり陸を駆けるためどうしても制約がある。
例えば峡谷であったり、例えば岩山であったり。
だが、空を駆け抜ける船にはそういう制約は皆無だ。
つまりはそういう船に乗れるのは、限られた人間だけなのだが。

「ちょ!」
ふわふわした金髪の少女。
いきなり抱きしめられ・・・・。

唇を。
反射的に手が出ていた。

パシン!
「あ。」
平手でぶっておいて、本人が一番驚いている。
「あ、その。」
「いい返事だね。」とこげ茶色の髪の青年はぶたれた頬をさすりながら笑顔で返す。
「あ、その・・・ごめんなさい・・。」しゅんとうなだれる少女だが。
「いや、俺の方が唐突だったね。君の気持ちもわからないまま、軽はずみな事をしてすまない。」
「うぇ!いや!その!あの!その!」うろたえる少女に。
「いや、改めて。俺の恋人になってくれないかな?」
「えええええ!!!!!」
「だめかな?」
「いや、その、あの。だから。ええっと。その。え?ちょっと。ああ、ええっと、ええ?ちょっと、その。ええええ?ほ、本当ですかあ?」
「ああ、本気、だ。」
青年は真摯な笑みを返す。
飛空挺乗り場での突然の告白に、少女は完全にパニックに。
「ダメかい?」トドメのひと言。

「わたしでよければ・・・お願いします・・。」
「ありがとう。」と、もう一度キスを。

そして乗り場に居合わせた幾人もが祝福の拍手を。
「幸せにしろよー!」「やるな!にーちゃん!」「ひゅーひゅー!」

「めっちゃ恥ずかしい!!!」青年の手を引っ張って、何処に行こうかとしてたら、逆に連れられて。
リフトに乗り込む。
二人しか。誰も居ないリフトの中で、もう一度口づけを。

「マリー。この先はどうなるか分からないけれど。君を愛することを誓うよ。」
「どうなるかわからないって、どうなの?」
「ああ、災厄が来る。その時までは分からないが・・。死が二人を分かつまで、一緒に居たい。ダメかい?」
「ううん。こちらこそ・・ふつつか者ですけど・・。」
そっと抱きしめる。

リフトが階下に到着する。
「じゃあ、とりあえずはウルダハの案内でもするか、な。」
「なんかいきなり軽くなった!」
はは!と笑いながら。
「明日にはマユちゃんだっけ?実家の方にお邪魔させてもらおう。
彼女は聞き及ぶにかなり自由だしね。居てくれればいいんだけど。場所わかる?」
「あ。そういえば・・・お兄ちゃんに聞けばすぐ分かるから。チョコボ使えば1日かからない、と思うけど・・場所がわからないとねえ。」
「だよな。」
「美味しい露店されてるって話だし。楽しみ!」
「そりゃ素敵な話だな。まあ、まずは・・酒場に行くか。クイックサンド。女将がとんでもなく面白いんだ。
つまらないウワサ話から、100万ギルのネタまで各種持ってるんだよ。」
「えー。100万って、意味わかんない・・。」
「マリーだとハッキリ言えば使いこなせない情報だよ。」
「ぶー!」
「でもまあ・・。今回に限り、弟におねだりするか。」
「え?」
「ヴァッペン、にね。」
「あの?」
「ウェッターハーンの情報、かな。より正確に言えば、彼らの近況と所属。
戦地における役割、といえばわかりやすいかな?」
「んー。わたしそこまでよく分からない・・。」
「分かれたあの3人が何処で何をしているのか?ってことかな。
この位の情報なら買えるはずだけど、お金がね。
飛空挺で使っちゃったし。ヴァッペンから少しもらおうかと。」
「おさいふー。」
「まあ、この際だ。必要経費じゃないかな?」
「難しい単語、わかんなーい。」
「ベルやルー、グリュックの事が心配じゃないのかい?」
「いわれなくっても!」
「というわけで、クイックサンドの主、千里耳モモディ女史を訪ねるとしよう。」
「はあい。」


「あら。一分当主(ワンミニッツオフ)どうかしたのかしら~?」
「ああ。久しぶりだねえ。サウザンキーパー。買いたい情報がある。」
「いいわよ~?どのくらいのお値段かしら?」濃いピンクの髪をツインテールにした女将はニコニコと。
「値段は問わない。まあ、支払いは弟に任せるけどね。「LS風見鳥」の「大戦」での位置が知りたい。どういう役割なんだ?」
「まってね~。テージ、アレ持ってきて。」「はい。」
「人が多すぎてリストするのが大変なのよ~。」
「それはそれは・・。」

「遊撃隊、ね。黒魔道士主体の部隊の護衛役。全部で10名程登録されてるけど、そのメンバーね。お友達?」
「ああ。仲間だ。」
「じゃあお気の毒。少数精鋭なんて、言葉は綺麗だけど、死ぬための部隊ね。」
「なんとかならないの!」少女は声を。
「無理、よ~。だってアタシは情報を売るだけだしね~。そうねえ。作戦とかが上手だと、あながち死なないかも?」
「そんな!ダメよ!なんとかならないの!」
「無理。」
「マリー。もう決まった事なら仕方ない。俺らは俺らのできる事をしよう。」
「できる事ですって?ベル達を!」
「落ち着け。マユちゃんのサポートを頼まれたんじゃないのか?夫を死地に連れて行ったんだ。彼女のサポートが何よりじゃないのか?」
「・・・・うん・・・。」
「まずはゆっくり休むといい。モモディ、部屋を。」
「はいよ。」
「俺は少し飲んでいくよ。」
「まいどあり。」


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なんてやつだ・・・。
勝てる気がしない; おめでとう!ムキー!

ヴィソトニキヴィソトニキ
Fizz Delight (Hyperion) 2013年03月19日 03:59

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>フィズ大尉!状況を開始します!

カピタン!相手はかなりの強敵であります!
がっ!ぐぁっ!

フライフェイスかっちょええ。(`・ω・´)
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年03月19日 06:48

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あれ?
モモディさんってそんな話かただったっけ?w
Miyavi Ozzy (Hyperion) 2013年03月24日 18:08

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>みやびたんwじつはw
FF内だともう少しオカタイ口調ですねw
ただ、過去作中でマユをイジり倒すあたりからこういうキャラになっちゃいましたw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年03月24日 19:30

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モモディさんを小動物って言ってたマユが懐かしいw
Marth Lowell (Durandal) 2013年03月24日 20:03

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>マルスCEO、そうですねw
あの頃はかなりお笑いに話をふってたからねーw
そんなマユももう一児の母として、この先を生きていくんでしょう。
一人の少女の物語、まだ少し続きます。お楽しみに。
Marth Lowell (Durandal) 2013年03月24日 23:12

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>マルスCEO、そこはw
まあ、お楽しみってことでw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年03月24日 23:35

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