510書き物。二人。

「なあ?」
「はい?」

グリダニアにあるカフェ、カーライン。
そして、その階下にある飛空挺乗り場。

こげ茶色の髪を長く伸ばした青年と、ふわふわした金髪の少女。
「以外と高いよな?」
「うん・・・というか、わたし乗るの初めてなんだけど?」
「これ、チケットの払い戻しとかできないよな?」
「わかんないってば。そもそもなんでチケット買っちゃったの?」
「いやあ、前はなあ。勝手にチケットが手元に来るような生活だったし・・。」
「この成金め。」じろりと睨む。
「はは。でもまあ、なんだ。あんな生活してたら腐るよ。人として。
俺のスピーチ聞かせたかったぜ。1分くらい?「後はよろしく!」だしな。」
「それはそれでどうかと思うわ。責任感ゼロでしょ?」
「ものは言いようだな。自由に活きたい。コイツは我がままだが、縛られまくった人生からの開放という意味では、途轍もなく素敵な未来ではあるんだ。」
「うわー、わたしだとそんな自由は無いけどね。」
「ものは言いよう、だろ?」
「貴方のそのステキすぎる考えに・・あ。」
「来たね。」

ごうん。

大きな船が。
着水、でもなく。ふわりと。
「すご・・・。」金髪の少女は口元を押さえ、感嘆している。
「あ、初めてなんだよな?」とこげ茶色の髪の青年。
「あ、うん。さっき言ったよ?」
「しっかり掴まっておけよ。離したら落ちるからな。落ちたらバイバイそれまでよ、ってことになるからな。」
「え!」
手を差し出される。
「あ、あの。はい。」
おずおずと手を握る。

「ウルダハ行き、ただいまから出航いたします。お手元の荷物など、ご確認よろしいでしょうか?間もなくウルダハ行き、出航いたします。」
ガイダンスが流れ。

「甲板がいいよ。」と。
「え?落ちないんですか?」と震えながら。
「だから手を握ってる、だろ?」
「ええええ????」

ふわ。

かつて無い感覚。

空を浮く

光に塗れ

風に揺さぶられる

「わあ!」ふわふわした金髪を風に、高く高い風に。
「すごーい!」
握り締めた手をもう一度。ぎゅっと。
「すごいすごい!これ、すごーい!」
「いいね。喜んでもらえれば言う事ないね。」ニッと笑顔。
「ウルダハまではもう少し時間があるから、甲板を適当に遊んでおいで。」
「いや。コワい。落ちる。手は離さないで。いいよね?」
「しょうがないなあ。」と言いながら、パッと手を離し。
「きゃああああああああ!!!!!!!!」
少女の反応を楽しんでみる。
「あほばかもうくそみそのあかんたれでもうこの!」
「はいはい。大丈夫だよ。」
「面白いね。君は。」
「うー・・・。」
「っとそろそろウルダハだ。ここの入港はなかなか面白い、ちゃんと見ておくといい。」
「そうなの?」
「ああ。」
しかしながら、少女は入港の一部始終を見る事無く。

青年に唇を奪われ、ほわん、としたまま着いてしまった。


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○ンサム現象ですね。ワカリマス。

@吊り橋効果+不意のキス。この男・・・デキる。
Fizz Delight (Hyperion) 2013年03月17日 19:54

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>フィズさん。ハンサムw
結構やり手だとおもわれますw彼はw
1分スピーチでハイサイナラ、あたり男前度は高いかとw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年03月18日 02:28

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サドいwwww
乗る時はいつも5000ギルあればこれが買えるあれが買えるといつもチロル算してたなぁ
Bob Dalus (Hyperion) 2013年03月18日 02:40

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>ぼびー、佐渡だねえw
たらい船とか・・いやいやw
5000ってかなりの出費なので、乗るの敬遠してたなあw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年03月18日 02:57

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もうすこし空の旅が面白ければなぁ・・・

きっと赤字経営だろうなぁ・・・
Miyavi Ozzy (Hyperion) 2013年03月24日 18:05

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>みやびたん、そうねw
11の船はテレポ岩とが見えたり、ジュノが4層になってるのが見えたり、ウィンの樹が見えたりと、かなり芸が細かかったんだけどねえw

まあ、おそらくは赤字?だろうとは思うけどw多分一般客よりも富裕層が常用してるんじゃないかしら?冒険者はテレポやデジョンがあるし。と想像してみるw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年03月24日 19:37

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