405書き物。婚儀のあいだの一幕。

ミコッテと少年の婚儀の式の最中、他のテーブルでは。。。

「ぽか~ん、ってなってるよ。マリー?」
ふわふわした金髪に赤いカチューシャ、そして今日はそれに花飾りも足してある。
若干胸元が大胆な、シルバーっぽい素地のドレスで、今はLSメンバーと席を共にしている。
そして、向かいに座るリーダー、ベルことシュナーベルが突っ込みをいれた。
「そ、そんなに?」
事実、新婦の姿をぼけーっと見とれていたのは間違いない。
「おう。」グリュック。赤毛のルガディンもうなづいている。
しかし、「おう。」以外の台詞はあまり聞かないが。

「マリーの気持ちもわかるにゃー。」とこちらはミコッテの白魔道士ルー。
草色のタイトなドレスで、どうみても愛らしい。長めの銀髪とも相性は抜群だ。
本当にミコッテという種族は何を着ても様になる。
そして、新婦もミコッテだけに、ウェディングドレスも当然似合っていた。
オレンジの髪に、純白のミニスカートのドレス。
もはや、反則としかいいようがない。フリルがたくさんついて、どこかお花畑にでも飾っておきたくなる愛らしさだ。
「いいなあ・・・・。わたしもいつかは着るんだ。」と決意。
「そうだにゃ。あたしもにゃ。」隣に座るルーも同意。
二日連続で兄と親友、そして親友カップルと、どうにも見せつけてくれる。
そこに。

「それでは、この幸せな二組に、誓いのくちづけをしてもらいましょう!」
とカフェの女主人ミューヌから。

ブルーグレイの髪の少女は「うぇえええ!」と少女らしくない悲鳴をあげ。
オレンジの髪のミコッテは「はいにゃ。」と神妙にうなづいた。
ちなみに兄は至極、冷静で、茶色の髪の少年は完全に凍りついていた。
「では!」

兄のほうはというと、少女の腰をさらうように抱きしめると、まだ驚き覚めやらぬ顔の少女の唇に己のを重ねた。
このヘンのキザっぷりは確かに兄らしい。

もう片方はといえば、完全に凍りついた少年の首に手をまわし、新婦のミコッテが抱きしめるように唇を合わせにいく。

おおおおおおお!!!!パチパチパチパチ!!!!!!!
おめでとー!末永く!おめでとう!!・・・・・・・・・・・・・・!!!!

拍手と賛辞の言葉が飛び交う。自分も拍手などしながら、いいなあ。と思う。
「ところで、みんなは相手とかいるの?」と、少し空気を読まない質問に。
「俺は今のところいないよ。結婚歴もないしね。」
黒髪を短めに刈った青年、LSリーダーのベルは嫌な顔一つせずに応えた。
基本的にいい人過ぎる彼は、おそらく女性からの好意に気が付かない、いわゆる朴念仁だと思われる。
「あたしは、ベルだにゃ。」ル・シュペヒト。愛称ルー。このミコッテの少女は事あるごとにベルの彼女を主張しているが、もちろんベルは気づいていない。
「おう。俺か、今は言えない。」巨漢のグリュックだが、意外と年が近くてビックリしたものだが・・。
なんとも言えない表情をしている。ルガディンならではのいかめしい顔だが、心なしか頬が赤い。
へぇ・・。片思い、かな?
「わたしは、言わずもがな、現在募集中ね。」
「なんだ、誰も居ないのか。」とベル。
「あたしはベル!」とルーが食い下がるが、恋人認定はされていない。
そんな中、パーティは佳境を向かえ、席に付いた両カップルにみんなが襲い掛かる。

「俺たちも祝福しにいこうじゃないか。新婦の花の髪飾りを一本でももらえば、恋人ができるってジンクスもあるらしいしね。」
「ほんと!?行こう!」
「マリーは現金だにゃー。」とルーの突っ込みはあえて聞かなかったことにする。
グリュックはというと、じつは我先にと飛び込んでいった。

「あれ、凶器じゃないの?」
「そうかもね。」
「グリュックは生きる爆弾なのだにゃー。」
格闘士の巨漢が突入したため、場が混沌としたが、いきなりはじき出されて転がった。
見るとグレイの髪を後ろに束ねた少女のような美女が華麗な蹴りを繰り出し、フッ飛ばしたようだ。
「すごいな・・。」
「すげー・・・にゃ。」
「あ、あれは・・。マユちゃんのお母さん・・・。レティシアさんだよ・・。」


「ひどい・・・。」と倒れたルガディン。



3人で笑いあう。とりあえず、4人を祝福しにいこう。


----------コメント----------

泥沼の四角関係の予感・・・・!
Jonathan Jones (Masamune) 2012年11月10日 01:01



>ジョジョさん、返事おくれましたw
さあて、ソイツはどうかなあ?w
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年11月11日 08:09

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