377書き物。Leave a light on me(輝きのままに)

「ねえ?どうしよう?」

カーラインカフェ。


グリダニア最大の施設と言ってもいいカフェの給仕の少女。

正しくは少女達。

昼当番のエレゼンの少女と、夜番のヒューランとミコッテの少女達は、珍しく3人そろってカフェに居る。

今はカフェが臨時で準備中となっているため、3人がそろって会議をしていても問題ない。
昼を過ぎて、そろそろ営業に戻らなければいけないのだが、少女達の議題は尽きない。

「ミューヌさんは?」
と、エレゼンの少女カナーリエンフォーゲル。
薄い色の金髪は彼女の色白の肌とあいまって、どこか妖精めいて見える。
3人のなかでは年長者で、実は隠れファンもかなり居る。

「わたしは・・。」女主人のエレゼン。普段はボーイッシュな喋り方だが、仲間内だと普通の女性らしい物腰だ。
「こういうのがあるから・・。」と、いつのまに用意したのか、一着のドレスが出てくる。
「え!」「にゃ!」「えええ!!!」
3人共に驚きの声が。

「うそ・・・。」「準備はやすぎにゃ・・。」「いいなー・・。」

つまるところ、この臨時会議は、この数日以内、早ければ明日にでもされようかという、婚儀のパーティに何を着るか、だ。

主賓の二人はまだリムサ・ロミンサに居るらしいので、おそらく2,3日くらいは準備期間があるだろう。
が。

逆に言えばそれだけしか時間が無い。
一般客は入れないようにするが、それでも少なからず来客もあるわけで。
そこで殿方に見初められる、などということも考慮すれば、必死に考えるしかない。

まず、ドレスの値段選考から始まり、色がかぶらないように、とか、デザインとか。
ランチタイムを終えてから数時間、ああだこうだと3人で頭をつつき合わせている。
ミューヌのドレスはシックなオフホワイトだったので、白はボツということで3人はさらに頭を悩ませる。
赤い髪の少女イーリスは。「あ、わたし赤にしよう!」と切り出す。
「いーけど・・。赤いドレスか・・。狙ってたんだけど・・。」
カナルがどうしようかとうつむく・・。
「ただ、あなた、そのドレス、新調する資金があるの?」
「ぐ!」
こうして会議は煮詰まっていく。



結局のところ、自前で買う資金を持ち合わす事ができない、ということだけがはっきりとした。

「うーん。残念。」カナルの言葉に。
「カナル、お金もってるでしょ?」とミコッテの少女オーア。
「無くはないけど・・。」堅実な少女はしっかりと先を見て貯めている。
「わたし、全然なーい。」と赤毛の少女。
「アンタは使いすぎ。」エレゼンの少女は遠慮なくツッコミを入れる。
「オーアはどうなの?そういえば。」と黒髪のミコッテを見つめる。
「んー・・あるはず、なんだけど・・。」
「知っとけ!」
カナルが珍しく叫ぶ。

そこに。
「おーい、そろそろ開店時間だよ。それに資金というか、ドレスのレンタルなら手配はできるけど?」

「先に言ってください!」x3
「まあ、そういうなって。」と苦笑いの女主人。言葉使いが既に仕事モードだ。
もう。とふくれっ面の3人に。

「ああ、レンタルなら僕がお金の面倒をみるよ。好きなのを選ぶといい。」

「うわ!」「まじですかにゃー!!!!」「え、すご!」


「まあ、君たちも輝きたい年頃だからね。」

「ありがとうございまーす!!!!」

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