333書き物。金髪の少女の・・

青い石。
それがいくつか。
大きいものを中心に、小さいものが三つほど。

くるくる。

落ちることなく。

支えも無く。

宙に浮いたその石達は、誰の意思でもなく、ただ浮き、回り続ける。

青い輝きを示しながら。

エーテライト。


「あー・・・。」

キャンプに着いた少女は、改まってこの移動術式の便利さに驚いていた。

朝食をとってすぐ、自身では数回目の移動術式。この、テレポというのにはなかなか馴れない。
ふわふわした金髪を押さえて・・カチューシャに触れる。

「まずは・・・。」
カードを取り出し、目の前の青い石を見る。

「こうするんだっけ・・。」そのカードをかざすと、頭の中に声が・・・。
「なるほど・・。このナット、とかいうのを倒せばいいのね。」

ナット・・・?なんだろう?とりあえず、行けばわかるだろう。
簡略されたマップが、ふわりと手に落ちてくる。カードが変化したらしい。

「ほうほう。」
いちいち、目新しいコトに驚きながらも。

「まあ、行ってみないとね。」
腰に吊るした剣と、背中に抱えた盾。
そして、ポーチに入れたポーションや、装備を確認する。

目的の場所まではマップが指示してくれている。
「これなら、案外楽なんじゃないかな?」と、独り言をいいながら。
現場にたどり着き。


「無理っっっ!!!!!!!!」

ぶうううううううううううううううんんんんんんんんんぶううううううううううううんんんんんんんぶううううううんんんんんんんん

自分の身長(女の子としては高いといわれる)と同じ位のデカイ、ハエ?が2匹。

マップを見れば、コイツが敵だと示すマークがされている。
幸い、向うはコッチに気づいていない。

「なにあれ・・・。」
ナットです。

冷酷な知識が潜り込んでくる。あのマップになったカードから。


「ちょ、ダメだって。あんなの。気持ち悪すぎる・・。」

故郷、というか、第二の故郷、キャンプ・リトルアラミゴ。
その周辺にも、ダイアマイトとかいうクモをカリカチュアしたようなモンスターや、獣人もいた。だが。
それらとは違うグロテスクな外観と。
もし、負けたらどんな悲惨な事になるかと。
卵を植えつけられ、餌にされる・・・・。

生理的な嫌悪感と、予想される末期。

絶対、いやだ。

「くぅ・・。」涙が知らない間にたまってくる。
でも。
「マユちゃんは、こういうのもやってるんだよね・・・。」
覚悟を決める。


「てやあああっ!!!」
気合とともに斬りかかる。

ハエの体液が飛び散って、降りかかるのもいとわず、とにかく剣を振るう。

一匹が墜ちる。

「もう一匹!」

体力的には、少し辛い。蟲のくせに、雷を放つ。だが、やらなければ。

そして、二匹目も墜ちる。

「はぁ・・はぁ・・はぁ   ・・・。」
マップには、まだ2匹のマークがされている。

これは・・。

突然、蒼い光に包まれ、何が起こったのかと。

防御術式プロテス。
通りすがりの冒険者がかけてくれた。

「ありがとうございます!」
「気をつけてねー!」と、チョコボにまたがったララフェルの少女は手を振りながら去っていった。

「うん、今なら。」マルグリットは、剣を見て。

あれ?

今のララフェルは・・・。あのカフェで大魔法を使った・・?
たしか・・・。えらっち、とか呼ばれていたような・・?
まあいい、また逢えればお礼の一つもできるだろう。

続く二匹のナットも、防御術式のおかげで難なく倒せて。

簡易エーテライトに姿を変えたマップに近づく。

「けっこう大変ね・・。」と苦笑まじりに、手を添える。

キャンプに帰還する。


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セメテ ストスキモ カケテヤレヨ
Eraru Control (Hyperion) 2012年09月24日 12:49

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>えらっち、いらっしゃいw
ソウダネwでもま、辻ケアルや、辻プロってあんまり見なくなったなあ・・。
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年09月25日 05:57

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