319書き物。少女には。先が・・。

「にゃあ。」

オレンジ色の髪のミコッテの少女。

後輩のヒューランの男の子が彼氏。
「にゃー・・・。」
もともと、「鬼哭隊」という、グリダニアの防衛を任されている隊から、グランドカンパニー「双蛇党」に移籍をして。

なんだかんだで、今に至る。

あーあ。

ヒューランの男性が彼氏というのも少し事情があり。

まず、ミコッテという種には、男性が少ない。
居るとこにいるんだけどにゃー。

と、それだけでもない。

実を言えば、その彼氏自体が本当に好きなのか分からない。
友達であるところの少女に恋をしている少年にアプローチをして、
少女にライバル心を植え付けようと画策したのだが、これによって少女と後輩の少年の距離は埋まることは無く。
むしろ、別の少年との関係に気が向いてしまった。

「にゃあ。」

好きなのか、どうなのか。わからない後輩をいつまでも「彼」として、残しておいていいのか?


「にゃああ。」

槍の使い手、シャンは悩んでいた。



(先輩!)パールから声がかかる。
(なーんだのにゃ?)
(カンパニーからの依頼を受けました。)
(知らないにゃ。)
(え?)


宿(ギルドを辞めてしまったので、宿舎は使えない。相手の少年は実家があるが。)の中で、
寝台にねっころがり、少しばかり物思いにふけっていたので、態度は横柄だ。

大体。

ピアスについているパールを外して壁に投げつける。
カン。という軽い音。
後輩の少年との関係も、このくらい軽いのか。
軽ければいいのか。
そうしたいのか。

パールを拾うこともせず・・。

「ネルケ君・・。どうして「先輩」ってしか呼ばないかにゃ・・。」
そういう自分も「ネルケ君」だ。
わかっている。
寝台で枕にしがみつき、尻尾を振る。

「これは・・。マユちゃんにも相談しようかにゃあ・・。」

頭をかきむしる。そもそも・・。
ネルケ君が好きになった?

そうでないと、この悩みは恐らく尽きない。

「そこまで、ホレてないのにゃ。」
言い聞かす。

夕暮れのグリダニア。おそらくあの少女はカフェに居るだろう。

「マユちゃんは、うまいこといってるのかにゃー・・。」


カフェにいこうかにゃ・・。

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