295書き物。少年と少女の始点。2

「えっ!」

「ちょっ!本当なの?それってっ!」

グリダニアのカフェに少女の声が響く。

「え?あ、その。」
答える少年は、しどろもどろになりながら。
目の前の少女マユになんともいえない表情・・・。

「マユちゃん、ネルケ君は悪くないんだにゃ。」
鬼哭隊、元隊士シャン。
ミコッテの少女は、この少年の「彼女」なのだが・・、彼女が一方的に・・。
「先輩、まあその・・。」
すでに尻に敷かれている感があるのだが・・。

「で!」
ブルーグレイの髪の少女。
だんっ!
テーブルを叩く。

「本当。ついでに言えば、言いたくなかったんだけど。」
両手を挙げて降参、の意思表示。

「ううう・・。」
「むしろ、ドコからその話を聞いたのさ?」

「マリー。」

(ああ、彼女か・・。あの人なら言いかねないな・・。)

「マユちゃん、どうしてそんな必死なのにゃ?」ミコッテの槍使い。
「う・・。」
「ああ、それは・・・・。」
「ダマレ。」眼光がスゴイことになっている。

「言いたいことがまだまだあるの。あった、って過去形にしたくないの!」
「マユちゃん。まあ大丈夫だと思うよ。ぶっちゃけ僕じゃ全く歯が立たないくらいだったから。」少年はいっそすがすがしい。

「ネルケ君、そんなに強いの?彼。幻術師にゃ?」
「ああ、彼は手札が多いね。剣術だけならマユちゃんより強い。しかもいろんな手札を持ってる。その使い方も上手い。」

「そうだったのにゃー・・。」
「なるほど・・。母さんもそうだけど・・・。」


「えーーと。おまたせしましたー・・・。」
シチューを運んでくる赤毛の少女、イーリス。

いつもの面々ではあるが、少し雰囲気が違うので少し緊張気味。

「まあ、いいわ。そんだけなら帰って来るでしょ。」
「だね。」
「にゃ。」

「そういえばマリーはどうするのかな?」
先に食事を終え、宿に引っ込んでいる金髪の少女。

「剣術の修行をしてる、かな?」
「あたいに勝てるくらいになれば、いいのかにゃ?」
「ネルケ、いまだにシャンちゃんに勝てないの?」
「う・・。」
「シャンちゃん、ネルケってどうなの?」
「ダメダメちゃんにゃ。。。」
「先輩・・・。」

「でもまあにゃ。あの「呪眼」とやりあった時点で、ウルラ君はすごいにゃ。マユちゃんが惚れるのも分かるにゃ。」

「なっ!!」
顔が朱に染まる。

「ねえ、先輩。「呪眼」って、どのくらいヤバいんですか?」
「うーん。知らない方がいいというか・・にゃ・・。「マトモ」に視られたら死ぬ、っていう話にゃ。」

「あー・・・。ええと。ウチの母さん、普通に常勝らしいよ?対戦成績。」

二人の表情が固まる。

「「さすが天魔の魔女。」」

ハモる。

「まあ、あたしも鍛えないとね。マリーのお師匠さんに弟子入りしようかしら。」

「僕も・・。」
「ネルケ君はまずは、あたいに勝てるようになってからにゃ。」
「う・・。」

「とりあえず、カンパニーの依頼が無い今のうちにやれることはやっておこう。」
「そうだにゃ。」
「だね。」







「なあ?」
風の吹き荒れる草原の中。
「一つ、聞いていいか?」
風に流される黒髪の少女に。
「どうしてここにいるんだ?」
金髪の少年は、クセ毛が風になぶられるのも気にせず、ぺたんと座り込んでいる黒髪の少女に聞く。
「さァてね。」
「どっちでもいいんだが・・。邪魔をしないでくれるか?」
「こっちの話だヨ。邪魔すンな。」

矢で射抜き殺された魔物が、あちこちに散乱している。

「あんた、性格悪いな。」
「的が一つ、ふえたナ。」
「あの海賊、カルヴァランにはメロメロなのにな。」
「なッ!」
それまで無表情だった少女にうろたえと、頬が赤く染まる。

立ち上がり、大弓を構える。誰が見ても業物の大弓には、最大威力をもたらすであろう、鏃がデカい矢がつがえられている。

「あ。ストップ。それは無いだろ?」

ビュン。


少年の顔の横スレスレに放たれた矢は、後ろに居たノートリアスモンスターに、確実に致命傷を与えていた。


「邪魔だヨ。」
「すまないね。」

勢いよくこっちに迫ってくるNMは致命傷を受けたとはいえ、さすがというべきか。

無言で斬り捨てる。

「へェ。」
「ま、このくらいは、ね。」
「ちょうどイイ。少し付き合わないか?」
「何を?」
「知らない方がイイ、そンな話だ。だが、それなりに得るものはあるとおもうぞ?」
「意味が分からない。」
「アラミゴ、だろう?その訛りは。僕はこう見えてアッチコッチの国には行ってるンだ。当たってるなら、気になる話になるだろうネ。」
「ん?」
「帝国サ。」
「なるほど、ね。」
「お手手繋いでヨロシクね。といこうじゃナいか。」
「そうだね。」

金髪の少年と、黒髪の少女は、一時的な同盟が決まる。


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新着から(●ゝω・)ノ コンニチハ
書き物いいですねぇ(ノ∀`)こんど時間あるときに最初のほうから読ませてもらいます!
Kuma Chacha (Hyperion) 2012年08月31日 08:15

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>くまさん、いらっしゃいませw
どうぞよろしくお願いします。
最初から、といいますと・・300話くらいあったりしますwwwww
まあ、ショートショート(SS)なので、1話あたりの量はそれほどでも、ないんですけどねw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年08月31日 08:26

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Mayuri Rossana さん

ありゃ、知らなかった(●ノдノ)それじゃ読めないや笑
デモ気になる・・・。新しいのだけ読んでなんとなく雰囲気を感じ取ってみようかな?w 14でもよかったら仲良くしてくださいね!
Kuma Chacha (Hyperion) 2012年08月31日 08:46

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>くまさん。どうもw
タイトルで一つのシリーズになってますのでw
キャラ的には、最初からの方がいいかもですけど。
こちらこそ14でも、よろしくお願いします!
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年08月31日 08:53

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>しゃくなげさん、いらはいw
すでにお年寄りキャラ確定ですねw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年09月02日 02:55

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