182書き物。ある日常の一コマ。あるいは二人の事情。

「なんだって、あんたがいるのよっ!」

グリダニア。緑豊かなこの街にも戦火の兆しが見え隠れしている。
そして、その戦火に応じるべく結成された「双蛇党」
カヌ・エ・センナが総指揮を執り、帝国に対抗するための一大軍事を立ち上げたのだ。
森より帰還した彼女は、舞台にて演説をし、国民や冒険者達の有志を募って一つの部隊を作り上げようとしていた。

そして、その有志を募る場所にて。
ブルーグレイの髪を肩あたりでそろえた少女は、見知った顔を見てウンザリとしてしまった・・。
「いや、その。マユちゃん。別に待ってたわけじゃないんだ。本当。」と、うろたえている。
茶色の髪、細面の少年は、自分の肩くらいまでの背の少女に目を合わせられない。

「へーぇ?」と、少女から訝しげな目が。

「それを言うなら、マユちゃんだって、なんだってここに?ウルダハで受ければよかったんじゃないのかい?」と少年は強気に切り返す。

「あんなムサ苦しいトコ、ヤだったから。母さんの実家があるこっちにしたの。」
「そうなんだ。」
「夜中にパールでカンパニーに参加する、なんて聞いたからどうしようかと悩んだけど。」
「いや、あれは!」
「普通、夜中に、それも女の子にいきなり前触れも無くするものなの?」
「ああ、あ、その。僕にも、その。覚悟っていうか。」
「そういうものは、心に秘めておくものじゃない?」

「はい・・。」
「あたし、家出たとき、置手紙一つでコッソリ出たんだけどなあ?」と少女。
「はい・・・・・。」うなだれる少年。

「まあ、腐れ縁ってことで仲良くしましょ。」
「うん。そうだね。」


登録を済ますと、司令部に顔を出せといわれて。
やってきた司令部には。

「お。新入りか。よく来た。歓迎する。私はシーロ。」

「あ、よろしくお願いします。」
「お願いします。」

「おや、君は。」と少年を見ながら。
「はい、母はスウェシーナ鬼哭隊副隊長です。」
「母君から、鍛えてやってくれと言付かっている。存分に鍛えてやろう。」
「はい!ありがとうございます!」と元気に応える少年。
「で、君は?」と少女に。
「あたしは、特に。」
「そうか、わかった。頑張ってくれたまえ。」(魔女の後継者か・・。お手並み拝見だな。)


そこに伝令がやってくる。


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カンパニーに参加って、本当は人の数だけ理由や意気込みがあるはずですもんね
その理由を考えるのって楽しいですよね
Teo Dora (Excalibur) 2012年04月09日 11:54

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テオドラさん、いらっしゃい♪
そうですねーwこの後の展開をどうしようかと考えながら、理由が伏線になるよう頑張りますw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2012年04月10日 01:27

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