676外伝。小悪魔の・・・

「ね?ばーばとマーマ、どうしたの?」
淡いグレイの髪は母方の血統か。
彼女の母はブルーグレイ、祖母にあたる魔女はグレイだ。
ミコッテの女社長は二人で訪れた女性に快く受け入れたのだが。
まさか。
この4歳?5歳?の少女が実はミコッテの尻尾をいじるのが大好きだったなどとは。
当然、親類にミコッテなど居るはずも無い。
ミッドランダーの家系だから親類が居るとしても全てヒューランなハズだ、が。
母であるところの女性の腐れ縁とでも言うのか。
その青年はヒューランなのだが、妻が。
ミコッテである。
実は密かに応援しているのだが・・・・・
その彼女の尻尾が、実は魔女の孫娘のオモチャと化していたとは知らなくて。
「ねえ?」
小さな女の子が社長に尋ねて。
「うん、大丈夫だよ?ただ少し私達と・・!?」
いきなり尻尾を握られ、社長は「ひゃああ!」思わず声が。
「しっぽお!」女の子は上機嫌だ。
マズイ。
コレは非常にマズイ。
そういえば、かつてこの女の子にエリスが餌食になった、とか聞いた気がする。
「ちょっと待っててね。」尻尾を握られながら、かろうじて。
まさか、尻尾を握られるのがココまでヤバイなどとは、思いもしなかった。
入浴に際しても自身で洗うせいか、多少こそばゆい程度、だったのだが。
く、
「セネリオ、エリス!」
部下二人を呼びつける。
隣の部屋で浴室を利用していた二人は、はい?と、ドアから顔だけ。
「社長?」「なんでしょう?」
まさに浴場から出てきたところらしく、エリスは恐る恐る・・セネリオはドレスを脱いだところだったみたいで。
「いや、実は女の子を預かってだな。ひゃ、いや、面倒を見てもらいたく。私は閉会のための段取りがあるからな。ひゃ、相手をしてやってくれ。ひゃ。」
「問題ない。」
エリスは・・社長の後ろにいる女の子を一瞬だけ。ほんの。
(ヤバい!)と。
「では、任せたぞ。ひゃ。」と、女の子を引き剥がし、ドアの向こうに押しやる。
「えー、しっぽ。」と女の子が言うが。
「大丈夫だ、この二人が相手をしてくれる。」と
女の子をドアの向うに。
エリスは自前の勘で既に寝台に逃げ込み、下着を身につけ始めたが、セネリオは押し付けられた女の子がどの程度の小悪魔なのか理解できないまま、下着一枚で抱き寄せてあげる。
「おじょうちゃん、おなまえは?」
「あなすたしあ。マーマとかは、たーしゃ、ってよぶの。」と、淡いグレイの髪を揺らしながら。腰近くまである髪、どこか魔女や、その後継に似た顔立ち。
もしかして、マユさんのお子さん?
と。
思った時には遅かった。
「ひあっ!」
抱きしめてあげて、自分から動けなくしてしまったのだ。
そして、先ほどの社長の「ひゃ」がなんだったのかが理解できた。
この女の子は・・・・
尻尾が狙いなのだ・・・・と気がついた時には遅かった・・・・。エリスは寝台でニヤっとしている。


く。
二部屋続きとはいえ、悲鳴の一つでも上げようものなら、警備兵がやってくる。
エリスが沐浴を終え、自身がドレスを脱いで沐浴しようとしていた矢先、下着一枚の状態。
とてもではないが、男性に見せれる状況ではない。
ましてや、悲鳴をあげながら、などと。
何とか耐えれる範囲で大声は上げないようにしながら振り返れば、エリスは既に下着を着け終え、寝台でシーツをたぐり寄せている。
コレなら、例え警備兵が来ようが何の問題も無くシーツにくるまればいいだろう。
自身は胸もあらわに、下着一枚な上に尻尾を握られ、悲鳴をあげ(男性からすれば嬌声ととられかねない)な格好。決して見られるわけには行かない。
が。
モフモフ、ニギニギ、するり、と、この女の子は力加減や、触り方がハンパではない。
声を抑えるのが限界に近い。
「・・社長?」
ドアの向うには社長が居る筈だが、さきほどこの小悪魔を押し付けた後、ドアを閉じてしまった。
ドアの近くで悶絶しながら、恨めしくドアを見る。
だが。
な!?
先ほどはドアが閉められたはずだった。
だが。
少し開いている。しかも。
(社長・・・・)「ひゃあ!」声は止められない。小悪魔は容赦が無い。触り方がさらに。
あの瞳の色は・・・・
社長だ。
ドアの隙間から、自分が小悪魔になぶられる様を楽しんでいる。


「お前ラ・・・・。」ゆるすまじ。


ネックレスにつけてあるパールでレイに連絡をする。
(レイ!)(は、ひゃいっ!)彼女もかなりの激務なのだろう、かなり冷静なはずだが、パニくっている空気が満載だ。
(わ、私の都合だ。社に戻ったら、孤児院の子達を10人から、ひぁそれ以上、社長室に来れるように手配をしてくれ。ひゃあ!子供ならひ!飛空挺はぁタダだろうぁ)
思い知らせてくれる。くぁ


(あの、大丈夫ですか?セネリオさん?その・・・今もしかして、殿方と?)
(ち、ちがっ!)
(はあ、私も殿方と・・いえいえ、了解しました。手配はしておきますけど。どうしたんです?)
(あう!いや、なんでもない、あ。ただ、ちょっとした思い付きだ。うっ社長にも提案しておくぅ案件だ。っ!)
(本気で大丈夫ですか?って、本当に殿方と逢瀬の最中なら・・・)
(違うっ!)
伝心を切る。
ふ、今に見てろ。「くぁっ!」今の声は少しマズい・・・・・・社長の瞳が・・
「ぶふっ!」
社長が吹き出す声が聞こえた。
ゆるすまじ。


----------コメント----------

尻尾ネタがここまで続くとは思わなかったw
てか、殿方と?ってそんな事してるときに会社のケータイ(パール)で
電話(念話)なんかするわけ無いw

まぁ、レイだしねw
Marth Lowell (Durandal) 2013年08月26日 11:53

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>マルスCEO、だよねw
レイの天然っぷりがお楽しみいただけたかとw
尻尾ネタ、違う側面からやってみましたが、いかがなものでしょうw
まあ、新生でどうなるかな?w
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年08月26日 12:54

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ま。セネリオさんと言えどミコッテ女子という事ですねw
クォは~?
Ephemera Mitoa (Durandal) 2013年08月26日 13:17

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>えふぃたん、そうですねw
しっかりとやられていますねえw
しっかりしてる分、こういう攻撃には弱いのかしらw
Mayuri Rossana (Hyperion) 2013年08月27日 00:18

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