875セブンス。進撃。前哨戦!

「ねえ。」
少女のような、それでいて年齢を想わせる、曖昧さ。
「なんでしょう?」
壮年のルガディン、ヴェイスケートは、彼女が何故に「魔女」と呼ばれているか。わかった気がした。
「あの子達は勝てるとおもって?」魔女は問う。
「でなければ送り出しません。貴女も、だからこその見送りだったんでは?」
「イイ勘してる!」
「恐悦です。」


「おう。こっからが地獄の片道だ。」金髪の隻眼の青年。リオルは愉快な、と言いたげな表情で。
「お前なあ、負け犬が最初から遠吠え吹いたところで勝てるわけあらへんやろ?」ブロンドの少女が髪を揺らし。
「この先、ですね。」剣聖は冷めたように。
蒼い石がある。ただ「ひと」の使うものではない。
「ああ。俺の要件はここまでだ。海雄旅団の元一員としての責任は果たしたぜ?」
銀髪のミコッテ、が。
「うん。わたしの出番。ただ・・あなた達にゆだねるしか。ごめんなさい。」
ミコッテの賢者、ヤ・シュトラ
「エーテライトを扱う術はシャーレアンの術師の専売よ。でも・・あなた達をただ送り出すだけのわたしを・・許して、なんて。自分勝手、よね。」
「なーに言ってるんですか!勝ったらパーティーですよ!」赤毛の剣聖。
「そいつは、祝勝会、って言うんや、この・・」黒髪の相棒。
「その会場はこちらで手配させよう。」ミコッテの社長。
「社長。手配は滞りなく。ただ・・あのチーズだけは確保させますゆえ。」右腕の差配に。
「死なないこと大前提ですよねー!と言ってみた」白魔道士のミコッテの少女が防御術式を。
(おっと。新しい魔道書では・・369頁、ね)分厚い本を広げ、確認する。一冊読破するには相当な時間とその頁を把握するにも。ぱたん。本を閉じる。
「なーんか。うちら疎外感あるやん?気のせい?ユーリ?」手に持った杖にはすでに氷が張り付いている。
「うーん。お姉ちゃん、少し尖ってる?」背中の斧の重みを確かめながら。


「あんたら、準備はいいな?俺はここまで、だ。後は応援しかできない。」ヒューランの青年と
「うん。お願い。この星の矛盾を止めて!」ミコッテの女性。

「任せてください!」「せやな。」「断れないね。」「当然です!」「儲からないがな。」「社長、名前を出せるいい機会です。」
「あーあー、貧乏クジじゃねえの?」「お姉ちゃん、ロコツすぎちゃうそれ?」


「では。行きます。」赤毛に少しオレンジ色が残る騎士が蒼い石に触れる。
全身に電撃のような。そんな感覚もものともせず。「始めましょう!世間を。いえ。世界を揺るがす難敵に。一歩も引く事は出来ません!」

蒼い光に全員が包まれていく。
「さてと。やらかしますか!」剣聖ミーランが吠える。

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