776セブンス。出発点との邂逅・・・か?

「っかしーなー。。。」
どうしてこんな・・・。
黒衣森。
そして、目の前には二人の弓術士。

フォレスター「森の民」と呼ばれる部族のエレゼンの青年。
エレゼンには、シェーダー「影の民」と呼ばれるもう一つの部族があるが、彼は自身の部族に自信と敬愛を持ち、
ともすれば、いや、フォレスター以外の全ての民を軽蔑する傾向があるようだ。

「おい。お前ら。この程度の行軍で根をあげているんじゃないだろうな?」
前を行く彼は振り返りもせず、森を行く。
もし、黙って逃げ出しても彼は一人行くのだろう。

「・・!」
もう一人の弓術士。レイ・アリアポー。
彼女はミコッテで、部族はいちいち明らかにはしていないが、サンシーカーなのは、傍目にもわかる。最近、どうにもスランプ気味で上手く弓が扱えず、足手まといになりがちなのだとか。
「陽光の民」らしく、もっと明るく振る舞えば彼女の魅力はもっと上がるだろうに・・。などと。

ワタシは思った。そして、そんな「場」に。
何故・・・

きっかけは些細だった、ハズだ。親友のミコッテの女性、エリスの誘い?で森の都グリダニアに行くことに。理由は簡単で、
東方のテーブルの話を聞き、その「こたつ」なるものを体感せよと。
そして、彼女の務める商社「アリティア」グループの本社(は、さすがにムリ)なので、グリダニア支社であるところに、
アポイントメントを取るべく参上したのだが、結果は惨状としか言えなかった。
社長ふくめ、ほぼ全てを統括している御大、それに呼びつけた親友までもが「会議」とやらで、応対できない、という。
一介の商人であるところの自分にできることと言えば、パールにも出てこない親友に悪態をつくか、街の遊覧ぐらい。

もともと、商都ウルダハを根城にはしているが、生まれは黒衣森だけに、この街は嫌いではない。
「霊災」と呼ばれる惨事の後、訪れたのは二度目・・だったか?
ふにゃあ・・とアクビをもらしつつ、大きな荷物(主に商売道具)と・・店の看板であるところの騎士盾、そして華麗な短弓を背負い、何者かすら怪しい自分に・・。

「あら?貴女。弓術を?」と、ミコッテの女性が声をかけてきたのだ。
「私は、レイ。」
へ?
まず、第一に自分は弓を扱えるし、持っている。ただし・・これはとても大事な人のプレゼントであり、遺品だ。
次に、さっき「そで」にされた商社の社長と同じ名。
「あ・・あの?」と、どうとも取れる返事しか出てこない。
「クラフターをされているのね。よければ、どう?」と、言われれば。
同年代の女性に腕を引かれ、連れられてきたのは弓術士ギルド。

う! 内心、ものすごく、いや、さっきの商社よりも敷居は低いのかもしれない。一般では。
だが、自分の順位的には、恐ろしく敷居の高い建物にすいすいと入っていく彼女に、半ば引きづられるように。
そして、受付を過ぎ(や! の一言で通る彼女は?)挨拶もそこそこに・・

「アリアポー!何をしている?」と。女丈夫が声を。
道場だろうか?皆が鍛錬をしているようだが・・・
「いえ・・、その。見学をさせてあげようかな、なーんて・・・。」尻尾が少し震えている
「そうか。」振り向き、エレゼンの女性は頭を垂れる。「私はルシアヌ。この場を仕切る責をまかされている、いわゆるギルドマスターだ。今回は・・どうも、不躾な挨拶で申し訳ない。」
「いえいえいえいえ!」
ワタシは頭を下げ「エフェメラ・ミトア、って・・いえ、申します。その・・」と隣のミコッテを見て・・いいんですか?と表情で訴えるが、彼女は気がつかなかったようだ・・・

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