とんてんかん。
とんてんかん。
よく、とんちんかん、とマヌケの代名詞にされることだが。
とん。てん。かん。とリズムよく金属を叩く音が。
とん。ちん。かん。間を外した音になり、そういわれるように。
とんてんかん。とんてんかん。とんてんかん。
不意に。「あ、エフィ。ここだったの?」
とんチンかん。「ニャぁっ!」
驚いて槌をとり落としかけるワタシ。
──瞬間槌が奏でた間抜けな音が気になる。
丁度刀身冷めたとこだったから、大事にはなってないと思うけども。だいじょぶかな? だいじょうぶかな?
「あ、ごめんごめん。」と、声をかけてきた女性がこっちに歩いてきた。
「勘弁してくださいよ~エリスさん・・」声の主に振り返ったワタシはその時、情け無い表情してたかもしんない。
「いや、ね。セネっちの剣がどうなってるかな~なんて。」
この人はもう~。タイミング良く悪いタイミングで入ってくるんだから。
だから言ってやる。「セネリオさんの剣、まさに打ってるところです。」
彼女の顔が少し青ざめた。
「あにょ・・そにょ・・。お邪魔しちゃったにゃあ?」
「ええ。まったくもって。失敗しちゃったら、エリスさんにお支払いいただきますから。大体、仕事の最中に声かける方が悪いんですよ・・。」
ぶっきらぼうに。
まぁ、こんな風に言えるのも相手がエリスさんだからかな。
あと少しで鍛冶屋のマスター称号を得ていない半端者のワタシなのに、
知った仲だからって理由だけで大事なお姉さんの剣の修繕を任せてくれる人。
但し仕事は仕事なので、貰う物はきっちり貰う。ビタ一文まかんない。
とは言え・・。
ワタシは刀身を光にかざしてみた。
不出来な剣ができてしまった。最後の一打ちが僅かながら強すぎたみたい。
こんなんじゃプロ失格、セネリオさんには間違ってもお金貰う事できない! でも無償だなんて絶対許せない~っ。
えりすさんのバカえりすさんのバカえりすさんの(ry・・
ワタシは、親指と人差し指で輪を作って彼女に差し出した。にっこりと。
意味は判るわよね~? エリスさん。
けれど彼女は。
「ああ、はいはい。社長に請求しとくわ。」
あっけらかんと返事を返してきた。しかも、<strong>あの</strong>社長に請求!? するの? え、しちゃえるの?
「いいの?エリスすげー。」
ワタシは素直な感想を漏らした。出世したんですねぇ、エリスくん。
「エフェメラほどすごくないわ。」
ん?
「ほほう。」それはどういう意味かな、エリスくん。よーわからんけど。
「でもまあ・・せねっち、超怒るだろーなー・・・。」
渋い顔して彼女が愚痴る。けどワタシの方は、貰えるものが貰えると解ったら気が大きくなってしまった。
「いいじゃない。セネリオさんだってそこまでは。」
「エフィ!せねっちキレたらすごいんだよ?もうね!」
「ま、メシいこう!」
「むう。」
渋い顔のままワタシの片づけを手伝ってくれる彼女の背に、ワタシは心の中で付け加えた。
社長説得の方が大変なんじゃないの? ワタシの為にできるだけ頑張ってね。って。
クイックサンドのクラムペットがワタシを待っている♪
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ワタシがフォローしている過疎友(ff14正規サービス終了11/11以降のワールド解放期間にお友達になった方)の
マルスさんがワタシのフォローページを埋める程に、よくコメントを残されている、マユリさんのページ。
そこはまだエオルゼアが活きている、ストーリーメイキングサイトでした。
いつからかワタシもその読者に。
そして、一幕が終わり感謝のコメントを残したら、、
えっ? なんかワタシが出てきたっ!
http://lodestone.finalfantasyxiv.com/rc/diary/entry?e=463986
こそばゆく、嬉しく、そうしたらその話を基に、自分はその時何思ってたんだろうって、インラインで加筆してしまってました。
写真で言うならひと様の作品に耳と尻尾を書き足す程の、作品へのいたずらにもなりかねないのですが。
なんとマユリさんからお許し出ましたので、アップした次第です。
569外伝。ウルダハ。大戦前では。
のお話をエフェメラさんがアレンジして書いたものです。
エフェメラさんの元ページ