リムサ・ロミンサ。 エオルゼアの都市国家群のひとつで、海の都と称される。
アルデナード小大陸の南西に位置しており、大小様々な船舶が行き交う。
そんな中、1隻の商船が入港する。船の名前は エーアガイツ[Ehrgeiz]。
暁 の一家が個人で所有する大型帆船であった。
「さて、3年ぶりの故郷だな。」
「とりあえず積荷の整理を頼む。」
「え、お姉ちゃんはどこに?」
「私は顔を出しておきたいところがあるんでね。しばらくしたら戻るよ。」
そう言って銀髪のミコッテはミズマント中層に向かっていった。
「あ、マスター。珍しいお客さんが…。」
「何だよウルスリ。また魔女サマでもっ…とと、こりゃあ…。」
ウルスリにつつかれて振り向いたパデロンが見た先には
銀髪に紅い瞳のミコッテが。
「やぁ、久しぶりだねぇパデロン。」
「これはこれは、紅瞳(クリムゾン=アイ)のお出ましか。」
「第七霊災でくたばっちまったのかと思ってたぜ。」
「今まで何の噂もなかったが何やってたんだ?」
「それは企業秘密♪ まぁ、別の土地で活動してたっていうだけ。」
「とりあえず3年ぶりの帰還祝いって事でラムを貰おうかしらね。」
3年ぶりの里帰りとなった彼女の名前は[Akatuki Reo]。
銀髪に紅い瞳が特徴で、その容姿から クリムゾン=アイと呼ばれる。
クラフターを極めた[匠]でもあり、アリティア産業の社長[Marth Lowell]とは
旧知の仲である。
商人として日々活動しているが、裏で様々な繋がりを持っており、
ウルダハの砂蠍衆の一人、東アルデナート商会会長のロロリトとも
関係がある。
第七霊災以降は消息不明であったが、3年経って里帰りしてきたというわけだ。
「で、何で今このタイミングで戻ってきたんだ?」
「パデロン、あなたも感じているでしょう。第七霊災から3年…」
「復興の道を歩み続けてきて、今は様々な活動が活発になってきている。」
「これを商機と言わずしてなんとするか、ということよ。」
「確かに、最近は休業していた冒険者もかなり戻ってきつつある。」
「あんたら商人にとっては最大のチャンスってわけか。」
「そういうこと。新時代の流れはすぐそこまで来ている。」
「せいぜいその波に"溺れない"ように気をつけることね。」
「このヤロウ。言ってくれるぜ。」
「ふふっ。ただの忠告よ。」
そう言ってレオは立ち上がり、酒場をあとにする。
その背中を見つめながらパデロンがつぶやく。
「新たらしい時代の誕生、新生ってことか。」
「マスター、老けました?」
「おい、ウルスリ…お前それを俺に言うかぁ。」
こうして溺れた海豚亭の夜は更けてゆく…。